2012年05月27日
ジェダイの騎士に関する考察 2
ジェダイの騎士に関する考察
続き
2.ジェダイの騎士に関する類似したヨーロッパの騎士集団についての提示
騎士団
注;ヨーロッパ各地域に設立された騎士団の多くは、カトリック教会の修道会を基本とする騎士修道会が殆どで、それ以外の小さな規模の騎士団はカトリック教会とは関係がないので世俗騎士団と呼ばれる。
騎士団【テンプル騎士団、ドイツ騎士団などの騎士修道会】
聖ヨハネ騎士団(正式名称:ロードス及びマルタに於けるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会)
中世ヨーロッパの三大騎士修道会の一つでもっとも有名な騎士修道会。
その設立目的が巡礼者の為の病院や宿舎などを提供する為に設立され、後に聖地エルサレムをイスラム教徒より防衛する任務を与えられたので騎士修道会として変遷する。
平時には騎士修道者と言えども、医療補助が義務となっていた。
また拠点が移されると共にその呼び名も「ロードス騎士団」、「マルタ騎士団」と変遷している。
テンプル騎士団(正式名称:キリストとソロモン神殿の貧しき戦友達)
全員が修道者で上記の聖ヨハネ騎士団と同様に、カトリックの修道会がイスラム教徒からの聖地エルサレム防衛の為に設立された。
その修道会の構成要員は;
騎士 ;貴族出身者 戦闘時は重装備
従士 ;平民出身者 戦闘時は軽装備
修道士;階級不問 修道会の資産管理
司祭 ;神父として修道会会員の信仰を導く役目
ドイツ騎士団(正式名称:ドイツ人の聖母マリア騎士修道会)
チュートン騎士団として日本では認識されている騎士修道会で、最初はエルサレム防衛の為に設立されたが、後にバルト海などの東ヨーロッパを異教徒から守る為に活動が変更された。
騎士団【ガーター騎士団、ゴールデン・フリークス騎士団などの世俗騎士団】
ガーター騎士団(イギリスの最高勲章のガーター勲章は、この騎士団の団員章からの由来)
イギリスのエドワード3世が設立したと言われていて、フランスとの百年戦争の為に結成された。
ゴールデン・フリークス騎士団(フランスのブルゴーニュ公フィリップ善良公に依って設立された。)
イギリスのガーター騎士団に倣って設立されたが、その目的は異端(キリスト教の別派)を排除する為に作られた。
ドラゴン騎士団(ハンガリー王国設立の騎士団)
ハンガリー王のジギムスントがハンガリー王と十字架を守る目的の為、その敵と戦う騎士団として設立。
他にも小さな騎士団は多く存在しましたが、上記のように「ジェダイ騎士団」に良く似た騎士団は、フォースなどを哲学的研究し、その精神面を重要視した側面から判断すると、世俗騎士団ではなくて騎士修道会に近いのでは無いのかと推察出来る。
3.ジェダイの騎士の精神的側面とその形成過程からの解析
さて、ここまでは武装集団としての騎士の側面から解析してみたが、古代共和国時代の精神面を最重要としてきた「ジェダイの騎士」を再評価すると、或る集団が浮かび上がってくる。
【アトス山】
1988年ユネスコから世界遺産に登録されたギリシャ正教の聖地がこのアトス山。
私がこの地をジェダイの騎士と結びつけるのは、ここの修道者の修道生活の一部が、ヨーダに依るジェダイ・パダワンの育成や「古代共和国」時代のジェダイの養成方法に近い形態が見られるからである。
勿論、カトリック教会のバチカン市国と同じように・・いや少し違うが「聖山の修道院による自治国家(アトス自治修道士共和国)」として独立した国家形態を持っている。
大きな修道院での修道生活ではなくて、個人的にさもカトリックの隠修士(いんしゅうし)の様に個人的に庵を建て、そこで修道生活を送る。
そして長上修道者は弟子を迎える事が出来る。
私がジェダイの騎士の精神的側面から連想するのが、彼ら個人的な修道生活をする修道者であって、その弟子との毎日の修道生活風景が、さもジェダイ・マスターとジェダイ・パダワンの生活と重なって見えるからである。
その弟子を迎える事が出来る規則(掟)などが、ジェダイ・コードのそれに該当する部分を彷彿とさせて呉れる。
この様に先に述べた西ヨーロッパの騎士修道会の様に完全な武装集団では無いアトス山の修道者達も、イスラム教徒達がこの地に進入してきた時は修道院を砦化として戦った事もあった。
また、この時期の戦いに嫌気をさしてアトス山を逃れ、メテオラの様な独立奇岩峰の上に修道院を構えた修道院もあった。
そのイスラム侵入時代の光景も、私には「帝国時代」にジェダイが隠遁生活を送っていた事柄とだぶって見えてしまう。
4.結論
この様に一連の「スターウォーズ」シリーズを見ていると、ヨーロッパの過去の歴史を思い起こさせる事例が浮かんでくる。
西欧の歴史的な解析から連想出来るのは、上記に述べた「騎士修道会」と「アトス山の修道者」の二つのグループとして特定出来ると考えられる。
「スターウォーズ」の作者が、作品の設定をどこからヒントを得て構想を練ったのか?・・・私は気になっていたのを、この様な結論に行き当たる事になった。
単なるSF作品から、ヨーロッパの歴史を振り返るのも面白いのでは無いかと提案する。
参考;
世界遺産:アトス山
世界遺産:メテオラ
続き
2.ジェダイの騎士に関する類似したヨーロッパの騎士集団についての提示
騎士団
注;ヨーロッパ各地域に設立された騎士団の多くは、カトリック教会の修道会を基本とする騎士修道会が殆どで、それ以外の小さな規模の騎士団はカトリック教会とは関係がないので世俗騎士団と呼ばれる。
騎士団【テンプル騎士団、ドイツ騎士団などの騎士修道会】
聖ヨハネ騎士団(正式名称:ロードス及びマルタに於けるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会)
中世ヨーロッパの三大騎士修道会の一つでもっとも有名な騎士修道会。
その設立目的が巡礼者の為の病院や宿舎などを提供する為に設立され、後に聖地エルサレムをイスラム教徒より防衛する任務を与えられたので騎士修道会として変遷する。
平時には騎士修道者と言えども、医療補助が義務となっていた。
また拠点が移されると共にその呼び名も「ロードス騎士団」、「マルタ騎士団」と変遷している。
テンプル騎士団(正式名称:キリストとソロモン神殿の貧しき戦友達)
全員が修道者で上記の聖ヨハネ騎士団と同様に、カトリックの修道会がイスラム教徒からの聖地エルサレム防衛の為に設立された。
その修道会の構成要員は;
騎士 ;貴族出身者 戦闘時は重装備
従士 ;平民出身者 戦闘時は軽装備
修道士;階級不問 修道会の資産管理
司祭 ;神父として修道会会員の信仰を導く役目
ドイツ騎士団(正式名称:ドイツ人の聖母マリア騎士修道会)
チュートン騎士団として日本では認識されている騎士修道会で、最初はエルサレム防衛の為に設立されたが、後にバルト海などの東ヨーロッパを異教徒から守る為に活動が変更された。
騎士団【ガーター騎士団、ゴールデン・フリークス騎士団などの世俗騎士団】
ガーター騎士団(イギリスの最高勲章のガーター勲章は、この騎士団の団員章からの由来)
イギリスのエドワード3世が設立したと言われていて、フランスとの百年戦争の為に結成された。
ゴールデン・フリークス騎士団(フランスのブルゴーニュ公フィリップ善良公に依って設立された。)
イギリスのガーター騎士団に倣って設立されたが、その目的は異端(キリスト教の別派)を排除する為に作られた。
ドラゴン騎士団(ハンガリー王国設立の騎士団)
ハンガリー王のジギムスントがハンガリー王と十字架を守る目的の為、その敵と戦う騎士団として設立。
他にも小さな騎士団は多く存在しましたが、上記のように「ジェダイ騎士団」に良く似た騎士団は、フォースなどを哲学的研究し、その精神面を重要視した側面から判断すると、世俗騎士団ではなくて騎士修道会に近いのでは無いのかと推察出来る。
3.ジェダイの騎士の精神的側面とその形成過程からの解析
さて、ここまでは武装集団としての騎士の側面から解析してみたが、古代共和国時代の精神面を最重要としてきた「ジェダイの騎士」を再評価すると、或る集団が浮かび上がってくる。
【アトス山】
1988年ユネスコから世界遺産に登録されたギリシャ正教の聖地がこのアトス山。
私がこの地をジェダイの騎士と結びつけるのは、ここの修道者の修道生活の一部が、ヨーダに依るジェダイ・パダワンの育成や「古代共和国」時代のジェダイの養成方法に近い形態が見られるからである。
勿論、カトリック教会のバチカン市国と同じように・・いや少し違うが「聖山の修道院による自治国家(アトス自治修道士共和国)」として独立した国家形態を持っている。
大きな修道院での修道生活ではなくて、個人的にさもカトリックの隠修士(いんしゅうし)の様に個人的に庵を建て、そこで修道生活を送る。
そして長上修道者は弟子を迎える事が出来る。
私がジェダイの騎士の精神的側面から連想するのが、彼ら個人的な修道生活をする修道者であって、その弟子との毎日の修道生活風景が、さもジェダイ・マスターとジェダイ・パダワンの生活と重なって見えるからである。
その弟子を迎える事が出来る規則(掟)などが、ジェダイ・コードのそれに該当する部分を彷彿とさせて呉れる。
この様に先に述べた西ヨーロッパの騎士修道会の様に完全な武装集団では無いアトス山の修道者達も、イスラム教徒達がこの地に進入してきた時は修道院を砦化として戦った事もあった。
また、この時期の戦いに嫌気をさしてアトス山を逃れ、メテオラの様な独立奇岩峰の上に修道院を構えた修道院もあった。
そのイスラム侵入時代の光景も、私には「帝国時代」にジェダイが隠遁生活を送っていた事柄とだぶって見えてしまう。
4.結論
この様に一連の「スターウォーズ」シリーズを見ていると、ヨーロッパの過去の歴史を思い起こさせる事例が浮かんでくる。
西欧の歴史的な解析から連想出来るのは、上記に述べた「騎士修道会」と「アトス山の修道者」の二つのグループとして特定出来ると考えられる。
「スターウォーズ」の作者が、作品の設定をどこからヒントを得て構想を練ったのか?・・・私は気になっていたのを、この様な結論に行き当たる事になった。
単なるSF作品から、ヨーロッパの歴史を振り返るのも面白いのでは無いかと提案する。
参考;
世界遺産:アトス山
世界遺産:メテオラ
【ひとりごとの最新記事】
投稿者:亀山 築城 (かめやま ちくせい)|11:47|ひとりごと
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