松下幸之助さんに『道をひらく』という本があります。
☆その中にこんな話がありました。
松下さんが事業を始めて十五年ほどたったころ、
ある宗教の本部へ連れて行かれたというのです。
行ってみたところ、そこには素晴らしい本殿が建ち、
信徒の宿泊のための建物がずらっと並んでいる。
びっくりしたそうです。たいしたものを建てたものだ、
この新しい宗教がこんなものを建てたが、どこから金を持ってきたのだろう、
財源はどこにあったのか、どうして建てられたのだろう。
経済人としてまずそのことを考えられた。
そして、問題にぶつかると解決するまで考えつめるのが松下さんの癖だそうです。
電車の中でも考え、うちに帰っても考え、考え抜いて結論が出ました。
☆あれはなんでもない。
その宗教の教えで社会の大勢の人を喜ばせたのだ。
喜んだ人が大勢なら、わずかな金を持ち寄ってもあれが出来るのだ。
大勢の人を喜ばせたということ、それだけが資本だ。
おれはいままで、どうして銭をもうけようか、
どうして自分の会社を大きくしようかとあせってきたが、
それはまちがっていた。銭もうけなんぞは考えんでもいい。
☆世の中の大勢を喜ばせさえすれば、金は自然にはいってくるのだ。
これからは、自分の電器事業を通して、
社会の大勢のみなさんに喜んでもらえる会社にならねばならぬ。
それが自分の一生の事業だと気付かれたそうです。
そこに松下さんにとって一大転機があったわけです。
あくる朝会社に行って、五、六十人の、当時はまだ社員とはいっておりませんでした、
店員を集めて、 『今まで自分はどうして銭をもうけようか、
どうしてこの会社を大きくしようかとあせったが、
今日から考えを変えた。今日からは、どうしたら世の中のみなさんが喜んでくださるか、
ということに全力をあげる会社にする。みなさんの欲しがるもの、
必要なもの、便利なものを、なるべく安く提供すれば、社会のみなさんが喜んでくださる。
社会のみなさんが喜べば、会社に金がはいるのは当たり前だ。
銭もうけ等は考えないで、
きょうから社会に奉仕していくことをこの会社の目的とする。みんな賛成か』といったところ、
みんなもこれに賛成した。
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これが今日の"ナショナル"松下電器に発展するもとをなしたことは疑えません。
要するに、自分のことだけ考えていく人生は、
うまくいってプラスマイナスゼロで、あとにはなんにも残りません。
しかし、たとえささやかでも、毎日の生活を人に喜んでもらうために送るならば、
それこそすべてがプラスとなり、自分も幸せになれば周囲も幸せになる、
ほんとうの人生というものがそこに味わえるのです。
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そして、そういう生き方が東洋の、
少なくとも日本の伝統的な精神だということに思い至されて、
その精神を守って、幸せな人生、明るい人生を開かれることを、
一人でも多くの人に分かって頂きたい。こう私は思うのであります。
☆生き甲斐探しは
「お役立ち」の精神で、地域社会に尽くそう
人それぞれ、「生き甲斐は」違うはず!
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