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2024年01月08日

勝手に小説『扉と中年男性と運2』

ーー出会いの1の扉ーー

「ここはどこなんだ?先ほどまでいつもの帰り道を歩いていたのに。宝くじ売り場はどこにいった?」
と考えつつ、辺りを見渡した。

すると、奥の方から何やら動くものが近づいてきた。
そして、正夫の前まで来たときに、その近づいてきたのが、人と同じ大きさの蟻が、背中に何やら食料のようなものをしょって近づいていたのだ。
第2章.jpg

正夫はびっくりしてあわてて逃げようとした。
その時、蟻(名前は考えて)が正夫を見つけて話かけてきたのだ。

「おや!これはこれは。また珍しいお客さんだねぇ。どこからきたんだい?」

何やら優し気に話をかけられたので、正夫は一旦後ずさりをやめ、まじまじとその蟻を見つめた。

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「人間さんが、こちらの世界にやってくるとは。私の名前は『アミカ』というものだよ。そちらさんは?」
「『佐藤正夫』と申します。ここはどこですか?」
「見ての通り、海近くの草むらですよ。」
「自分は人間です。あなたは蟻ですよね?」
「見ての通りさぁ。人間界でいうところの昆虫の蟻ですよ。」
「しかし、アミカさんは、自分と同じ背丈なので、信じられなくって。」
「いやいや、それはこちらも同じですよ。多分、正夫さんが小さくなられたのでは?」

そう言われて、正夫は周りをよく見てみた。
すると、周りにある草は、よく道端とかで見る雑草で、その奥の方に、途方もなく大きな建物も見える。
そう、宝くじ売り場の建物だった。

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どうやら自分が小さくなってしまったようだ。
正夫は、慌てた様子で、アミカに話かけた。

「どうやったら、元の姿に戻れるのでしょうか?」

アミカは、少し頭をかしげながら、こう答えた。

「いや〜、私にもあなたみたいな人は初めてだからねぇ。わかんないよ。」
「そうですかぁ」

正夫は、途方に暮れた顔をして、アミカから目をそらし、上を眺めた。

「そういえば、こういう事は、キリギリスさんに聞いてみるとよいかもよ。」

途方に暮れた正夫を見かねて、アミカはアドバイスをと思い、そう答えた。

「その方はどこにいるのですか。出来れば案内して頂けますでしょうか。」

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アミカは少し困った顔をして、こう答えた。

「いやぁ〜、今はこの食事を運んでいる最中なので、案内は出来ないですよ。」
「ほら。あの少し大きな草があるでしょう。その草の上から周りを見れば、きっとキリギリスさんはいると思うので、行ってみては?」

正夫は、少し残念な顔をしながら、取り合えずその大きな草を頼りに探しに行く事に決め、アミカにお礼を言って、その場を後にした。

「アミカさん。ありがとうございました。」

>> 『出会いの2の扉』に続く
posted by ジンジン at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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