2018年07月16日
【紹介】復活!! 虹北学園文芸部
こんにちは!
とおのです。
今回紹介するのは、わたしの愛読書。
「復活!! 虹北学園文芸部」です!
これは「夢水」シリーズの三姉妹の従妹(いとこ)であるマインちゃんが、虹北学園に文芸部を復活させる青春小説。
魅力的なキャラたちの持つ、色んな「物書き」観が読みどころです。
はやみねさん入魂の熱いお話、紹介していきます!
基本情報
タイトル:復活!! 虹北学園文芸部
作:はやみねかおる
絵:佐藤友生
発行日:2015年4月9日(文庫版)
出版社:講談社
あらすじ
中学1年生の岩崎マインは、文芸部に入ることだけを楽しみに、虹北学園に入学してきた。ところが、文芸部は数年前に廃部になったという。「つまり、虹北学園に文芸部はないってこと?」「だから、さっきからそういってるじゃない!」めんどうくさそうな葵のことば。数秒後、すべてを理解したわたしは、さけび声をあげていた。「……そりゃないよ、セニョール。」文芸部を復活させるため、マインは5人の部員を集めようと奔走する! のだが−−。愛と笑い、夢と希望をつめこんで、すべての本好きにおくる熱血文芸部物語。
(青い鳥文庫HPより引用)
コメント
こちらの本ですが、おそらく中1ごろ、存在を知ってからというもの、読みたくて仕方がなくって、でも本屋さんには置いていなくて、父にAmazonで買ってもらったものです。
憧れのはやみねさんが、お話についてのお話を書いたんですよ!
読まずにはいられないじゃないですか!?
と、熱が入ってしまうくらい、当時も興奮しました。
最も特徴的なのは、パラパラっとめくれば分かる、極端な文字サイズ変更。
最初と最後はばかデカく、後ろの方はやけにちっさい字が並んでいます。
何やらぶっ飛んだお話みたいだ、とワクワクします。
そして期待は裏切られません。
主人公・岩崎マインのその強烈なキャラクター!
何を隠そう、巨大文字も極小文字もこの子がしでかしたことなのです。
お話を面白い方向へぐんぐん引っ張っていく力のある女の子。
実に単純で、行動力にあふれていて、愛すべきバカ、バカが一周回って天才、とでも言うような、パワフルで魅力的なキャラクターであります。
引っ込み思案で、人見知りして、友だちが少ない……なんて自己評価をしていますが、新入部員を集めるためにズンズン他人に踏みこんでいくマインちゃんは、実はとっても社交的で人気者なんじゃないか、と思わされます。
(文芸部復活のため、小説を書く仲間だから、という理由もあるのでしょうけれど……)
友だちになれたら楽しそう、と思う子です。
力説ポイント
ポイントはなんと言っても、イントロでも述べた、様々出てくる、「小説を書く」ことに対する考え方です。
どうしようもなく書くのが好きでプロ作家になるという強力な意志を持っているマインちゃんをはじめ、物書きの英才教育を受け、小説を書くのが大好きなのに、それを封印していた紗弥加(さやか)、売れないけれど自分は小説家だという誇りを持っている、紗弥加のおじさん、プロになる気はないけれど、かつての文芸部のみんなと競う気持ちで、趣味で詩を書き続けているお姉さん、お金のために賞を取れるような小説を書いていて、でも、本当は書くのが好きな宴寿(えんじゅ)……。
色んな人との関わりの中で、マインちゃんも小説を書くことについて、プロ作家になることについて、文芸部を作ることについて、自問自答を繰り返します。
ベタな展開を阻止する紗弥加によって、マインちゃんの苦悩はパアになることが多いですが。
こうして、どんなに立場があっても、小説書きの根底に通じていて変わらなくあるべきもの、それが作家の魂。
書きたいものを、書きたいように書く、それが作品の中では、光る文字となって具現化されています。
(例外として宇亜(うあ)は校正の能力を持しているので、間違っている部分が光ります)
彼女たちには、自分の世界を持っている人の書いた文章が、光って見えるのです。
小学校の卒業文集を見たら、自分たちの文章しか光っていない、というのも、なかなか厳しい現実を写していると思いました。
それと最後に、佐藤友生さんの挿絵が、なんとも楽しいです。
「夢水」事件簿シリーズもイラスト担当されている方なのですが、よく見ると、芸が細かいんです。
ぜひ、じっくり見てみてください!
はやみねさんの文章力やキャラクターを楽しみしながらも、何度もハッとさせられる作品です。
これからも読んでいきたい本であります。
今回の木口
楽天さんはこちら↓
それではまた!
とおのでした。
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