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2017年08月17日

撮影記 82;「三保シーサイドホテル福田家」料理撮影

”素材へ強いの拘り”は、健康への願いの賜物


「三保シーサイドホテル福田家」、こちらは以前にもご紹介しておりますが、
先月新たに料理などの写真を撮ったものですから、その中より一部ご案内したく思います。

料理2017-360-地野菜&魚.JPG

こちらの福田家の社長さん、私がお伺いするようになってからこれ迄一貫して、食と健康ということに関して非常に強い拘りを持って来られました。それは、細部に至るまでの深い拘りであり、何といったらいいのか、営業的側面だけでは到底そこまでは追求できないだろうと思われます。

通常、旅館やホテルでは、料理(特にメインの肉や魚)について、「どこどこ産の〇〇です!」などという謳い文句で宣伝強調して、お客さんを少しでも多く集めようとするものでしょう。それが当たり前のことでしょう。
しかしこちらでは、メインばかりか脇の野菜や出汁などに至るまでも、ほぼ全ての食材にまで何らかの強弱それそれの拘りが存在するというわけです。しかし、その度合いの深さの程度ほどには、それらのことがお客さんに伝わっていないのです。また、なんとしても伝えようという商売っ気が少ない。私はそのことが残念でならないのです。

こちらの社長さん、食を提供する立場の者としてそれらのこだわりは当たり前の心構えのように思われているのかもしれません。ご本人も気づいてないのかもしれませんが。
つまり、特殊なことだというようには考えてなくて、ごく自然にやっておられる。

信じられないという方もおられるでしょうね。
私も、こちらへ出入りし始めた頃は、そうまでする理由がわからず、ずっと不思議でおりましたが、、、。

せめてこの場で、いくつかの例をあげて見たいと思います。

料理2017-360-地野菜&魚.JPG

魚介類や野菜などはほとんどは地物。
清水港のマグロほか駿河湾産の魚類、野菜は三保の契約農家などから仕入れています。

_DSC3742-出汁とり.JPG

出汁をとっているところ・・・良質の削り節などを大量に使用して毎回出汁をとっていました。これが色々な味付けのベースとなります。

料理2017-482-お造り3000-4b.jpg
料理2017-452-お造り5000-6b.jpg

清水港のマグロ・・・マグロといえば静岡では焼津が有名ですが、水揚げ量では実は清水港こそが県内一位。古くからの付き合いにより、良質のマグロを優先的に仕入れることができている。味・品質は他ではなかなか味わえない水準です。さらに切身の厚み、サイズが大きいことも特筆もの。

料理2017-550-まぐろステーキ2b.jpg

マグロのステーキ・・・漬けにしたマグロを焼いたステーキ、濃厚です。他にもマグロのカルパッチョなど。

_DSC3835-調理-カツオのたたき.JPG

カツオのたたき・・・今回初めて撮影したのですが、これも清水港から。全てがこの調子で手作りです。

料理2017-540-天ぷら3bb.jpg

サクサクの天ぷら・・・いつ食べても衣がこの上なくサクサクカリカリの軽い天ぷらで、私には特にこれが感動ものです。本当に上手く揚がった時のは、天紙にほとんど油染みが発生しません!驚きです。

料理2017-648-menu5000-B1b-陶版焼き4人.jpg
料理2017-642-menu4000-B1b-陶版焼き4人.jpg

コース料理2例・・・実際に出されているメニューの例です。マグロが、焼き物(陶版)、炊き込みご飯などにも使ってあり、料理コストはかなりかかっています。通常の旅館では不可能ではないでしょうか。こちらでここまでできるのは、一つには社長さん自らが料理長として厨房に立っておられるということ。

社長さんは、そもそも経営者というよりもむしろ職人肌が強い方で、凝り性が強く、少々お金がかかっても良いものを提供したい、という傾向癖があるようです。もう少し、抑えてもいいのではとさえ、感じられてしまいます。

もう一つだけ、絶対述べなくてはならないことが、下のお蕎麦です。

_DSC3907-そば打ち.JPG
_DSC3910-そば打ち.JPG

静岡市内の某有名店に弟子入りして修行した経歴を持つ社長さん自ら、蕎麦を打ちます。
そば粉を轢くのも専用の石臼で行います。
_DSC3931-そば打ち2.jpg
_DSC3967-そば打ち2.jpg

本当に、ここまでやる旅館が他にあるでしょうか。

私は、仕事柄多くのホテルや旅館に伺います。しかし、こんなにまで手間暇をかけるところを他に知りません。しかも、この膨大なプロセスが、お客さんには殆ど見えていないという現実に、複雑な思いを強く抱かされるのです。
なんとか少しでもこのことを伝えたいと柄にもなく思うのです。

さて、長々と書いてきてしまいましたが、お付き合いくださって本当にありがとうございました。
こんな記事を最後までお読みいただく方は、きっと多少なりとも理解くださるような方がただと思います。
逆に、この福田家さんのような宿の良さを、どうしても理解できない人々が存在することも確かです。
表面的な賑やかさ、雅さ、豪華さなどを追い求める方々には、まず理解不可能かとも思います。

こうした拘りは、社長さんの母親への労わり、また奥さん(女将さん)の健康のための切なる気持ちから発している、人生観そのものでもあります。
そうした『食からの健康』を、宿泊されるお客さんにももたらしたい、という情熱、真心というものを、大袈裟でなくずっと抱き続けてこられているのだ、と痛感させられます。

今回は、最後まで特に感謝いたします。
ありがとうございました。

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伊豆半島の付け根辺りを根拠地にフリーカメラマンとして孤軍奮闘しています。ホテル・旅館への出張撮影が多いため撮影者からの情報発信を志してみました。それ以外にも興味本位なテーマも含めて行きたいです。
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