田舎暮らし

今日は地元地区の公民館主催の阿波の遍路道のひとつである「かも道」を歩くイベントに参加してきました。

総勢約６０人の参加者で、市の文化財担当者の方他、奈良県の遍路歩きの先達の方の案内で

往復約８ｋｍの山道を歩きました。

「かも道」というのは四国八十八か所の札所の中で麓から山頂の二十一番札所の太龍寺に向かう

遍路道になっていて、古来、南北朝時代の約７００年前に作られた道だそうです。

麓から、札所までの距離を示す南北朝時代の庁石が現在も２０程、山道に立っています。

これらの庁石は西暦１３６５年に設置されたことが解かっています。

写真は山道途中二十六丁目の庁石で１庁が約１０９ｍなので、

山頂の札所まで約２．６ｋｍということになります。

ちなみに出発地点の庁石は四十一庁と刻まれていたので、麓からだと山頂まで約４ｋｍ余りです。

そして、庁石の他には途中で石室という、観音菩薩を祀ってあった跡が残されています。

保存状態のよいものは４つ程だそうで、１８６０年代に作られたもののようです。

観音像は現在は麓の寺で保存されています。

現在、歩き遍路の方は年間約４０００人ぐらいで、車を使われる方と合わせると約１５万人の

お遍路さんが四国を訪れているそうです。

今は物質面が豊かな上で遍路巡りができますが、

昔は多くの場合、いろいろな事情を抱えた人々が遍路として歩かれていて、

それは、命懸けであったそうです。

当時のお遍路さんは、道端で倒れてしまったらそのまま埋葬されていました。

ですから、懐に幾らかの金銭を持っていた方は埋葬される際にそのお金で墓標を建ててもらったそうです。

このかも道では唯一、ひとつだけ昔のお遍路さんの墓標が建てられています。

この下にはお骨があるのでしょうね。

そして、今回、山道に埋もれていた墓標を見つけることができました。

壊れていて一部しかないですが、今回、参加されていた歩き遍路の先達さんの指導で

道の山道の脇に移動することができました。

どのような人生を歩まれた方かは全く分かりませんが、合掌です。