2019年01月05日
仮想通貨は「終わった」のか? 2019年の仮想通貨相場を占う
ビットコインは終わったと感じている人も多いだろう。
実際、’18年は右肩下がりだった。が、’19年は一味違うかも。
仮想通貨に精通する7人の予想は見事に一致したのだ!
◆仮想通貨七福神が[ビットコイン相場]’19年を大予想
一時230万円あったビットコイン(BTC)の下げが止まらない。
’18年の下落率は80%超。その暴落のきっかけとなったのは、ご存じのコインチェック事件。
580億円相当のコインが盗まれ、世界で規制強化が進んだこともあって投資熱は冷え込んだ。
それでも11月まではかろうじて60万円台をキープしてきたが、今度は「戦争」が勃発して再暴落。
億超えトレーダーのヨーロピアン氏が話す。
「11月のビットコイン・キャッシュ(BCH)のハードフォーク(分裂)で発生した“ハッシュウォー”が投げ売りを誘いました。
BCHは考え方の違いから『BCHABC』と『BCHSV』の2つに分かれたのですが、SVを支持するクレイグ・ライトという人物が、マイニングを行ううえで必要な処理能力を示す“ハッシュパワー”を高めるために『BTCを売る』と宣言。
ハッシュパワーが高くなれば処理能力が高まり、コインの信頼性は高まる。だからBTCを売って得たお金でSVの価値を高める、とABC陣営を挑発したんです。
そのクレイグが超大口のBTCホルダーだったため、売り圧力が急激に高まってしまいました」
同じ11月には米証券取引委員会が立て続けにICO(コインを発行した資金調達)案件を摘発したことで、ICOに使用されやすいイーサリアム(ETH)などのアルトコインに対する売り圧力も高まった。
その結果、BTC価格は30万円台へ……。
これでは’19年の仮想通貨界も暗いか?
フィスコデジタルアセットグループの田代昌之社長は次のように話す。
「BTCはリスク資産のため、米株や日本株が売られるときには一緒に売られやすい。
その点で、米中貿易戦争が続く現状ではリスクマネーが流入しにくい。
加えて、1〜2月には納税の原資を確保するために換金売りが出やすい。
’17年は課税を逃れるために多くの投資家が年をまたいで’18年1月に利益確定したので、その分の税金が’19年に発生するわけです」
’17年時点で仮想通貨バブル崩壊の可能性を指摘していた元ヘッジファンドマネジャーの志摩力男氏も同意見。
「’18年には米国でBTCのETF(上場投信)が上場すると言われていましたが、結局、承認が下りなかった。’19年こそと期待されていますが、投資銀行時代の同僚と話していても『リスクがあるうえに価値の裏づけがないものを投資家に売れない』という意見が大半。ETFの実現に懐疑的な見方が広まっているだけに、BTC価格の回復には時間を要するでしょう」
◆新たな先物の登場で入れ替わるホルダー
厳しい見立てだが、実は明るい材料も少なくない。下げ相場でも月利15%超を維持するMOONトレーダー氏が話す。
「’19年1月にはNY証券取引所を含む世界23の取引所を運営するインターコンチネンタル取引所が『Bakkt(バックト)』という仮想通貨先物の取引を開始します。ほかの取引所が扱っている仮想通貨先物はBTCの現物の裏づけがない数字だけの先物取引ですが、バックトは決済時にBTCの現受けができる。バックトが現物の管理・保証をするため、透明性が高く機関投資家が参入しやすくなると言われているんです」
エンジニアであり仮想通貨投資家でもある田中Daisuke氏も先物取引の拡大に期待を寄せる。
「バックトに加えて、米ナスダックも第1四半期にBTC先物の扱いを開始する予定です。一方で、’18年はICO規制の強化により、ICOで集められた仮想通貨を換金するために売り物が大量に出ました。’18年末の下げ相場で個人の売りも一巡した可能性が高い。先物取引が充実すれば機関投資家が入りやすくなるので、素人からプロへと仮想通貨ホルダーの入れ替えが進んで、’19年は相場のトレンドが転換するでしょう」
つまり、トレンドは下から上へ転換するというのだ。実際、その兆候はあるという。大手仮想通貨取引所のZ氏が話す。
「取引所を介さないOTC(相対)取引が直近で急激に増えています。潜在的な買い需要が増しているんです。大手取引所のKrakenが数百億円規模の資金調達を発表し、取引所の買収を進めようとしているのも相場回復を見越してのことでしょう。国内では’20年度からの仮想通貨の申告分離課税化に向けた動きも活発化しているので、10月の税制大綱に盛り込まれれば一気に上昇する可能性もある」
では、BTC価格はどれほど上がるのか? 独自コイン「Z502」の生み親として知られる投資家502おじさん氏は「’19年前半は30万〜70万円台でもみ合って、年後半に100万円を目指すとみている」と話す。実は今回、話を聞いた7人の予想はほぼ一緒。そのため、ヨーロピアン氏は「’19年1月のバックト開始までに3桁以上のBTCが貯まるよう、毎日決まった時間に一定量の現物を買い続けている」と話すのだ。’17年のようなバブルは期待できなそうだが……今から仕込めば3倍増。仮想通貨は’19年に復活するとみて間違いない!?
◆《仮想通貨“七福神”が’19年相場を予想!》
●田代昌之氏
仮想通貨アナリスト。シティバンクなどを経て、’17年に仮想取引所を擁するフィスコデジタルアセットG代表
’19年前半に底打ち110万円を目指す!――1〜2月は税金対策の換金売りや米株の下げでリスクマネーの流出が進みやすくなるものの、年後半は悪材料出尽くしで反転へ。先物取引の増加による資金流入がキーに
●志摩力男氏
元ヘッジファンドマネジャー。ゴールドマン・サックス、ヘッジファンド等で活躍した後、独立。メルマガで情報配信中
20万〜70万円のレンジ相場が続く――最も弱気な志摩氏は、ビットコインETFが実現せず、買い材料に乏しいとみる。だが、ITバブルを経て急成長したAmazonのような仮想通貨の登場が今後期待できると予想
●ヨーロピアン氏
億超え仮想通貨トレーダー。’14年から仮想通貨投資を開始。一時、資産は10億円超え。有料サロン「coinrun」を運営中
後半の上昇を見越して毎日BTCの現物を購入中――Bakktとナスダックの先物取引開始で投資資金の流入が増加。’19年前半に下値固めし、後半に上昇と予想。1月末に3桁BTCに達するよう、現物を毎日購入中
●MOONトレーダー氏
元プライベートバンカー/億超えトレーダー。証券、プライベートバンクを経て独立。’16年から仮想通貨に。「coinrun」共同運営者
30万円で底値を固めて100万円へ!――’19年1月のBakkt開始で上昇に転じ、機関投資家の資金管理を担う仮想通貨のカストディ(信託)サービス拡大でさらに上昇。30万〜50万円台で買い上がっていく予定
●田中Daisuke Shosaki氏
仮想通貨エンジニア兼トレーダー。’14年から仮想通貨投資開始。自動売買システムも自前で開発。「coinrun」共同運営者
ホルダーの入れ替わりが相場転換材料に――BCHハードフォーク時にはいち早く「ABC売りのSV買い」で荒稼ぎした田中氏は、’19年後半のBTC上昇を予想。モナコインと新たな匿名通貨「GRIN」にも注目
●502おじさん氏
独自トークン「Z502」ファウンダー/投資家。’17年から仮想通貨投資を開始。「Z502」を開発して’18年9月に上場を果たした
前半は30万円を底にもみ合い後半100万円へ――30万〜70万円程度でもみ合い、徐々に100万円を目指すと予想。今が仕込み時とみる。一方でリップルは売り目線。’19年はアルト売りのBTC買いの投資スタンス
●Z氏
大手仮想通貨取引所関係者。取引所のトレーダーとして大口投資家の動向をウォッチ。個人資産は優に億超え
先物取引増加と税制変更で本格上昇へ!?――OTC取引の増加によって下値固めが進み、先物取引増加と’19年後半以降の仮想通貨税制の変更で本格上昇に転じると予想。BTC以外にイーサ、エニグマなどにも注目
引用元:HARBOR BUSINESS Online
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190101-00182067-hbolz-soci
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