2014年09月25日
吾木香・われもこう(われもかう)
お彼岸に花のアレンジメントをいただきました。その中に吾木香の慎ましくも可愛いひと枝がありました。
茎葉に香気があり、野趣に富んだ秋の草として人の心を引き付けるものがあります。
吾木香は、バラ科、ワレモコウ属の多年草です。日本の山野でごく普通に見られる植物で、冬は地上部が枯れて根の状態で越し春に再び芽を出して生長するのですね。
夏から秋にかけて茎の先端に小花がたくさん集まって卵形を成した花穂を付けます。花は渋い赤色、花びらに見える部分は萼(がく)で花びらは退化しています。小花を穂状に付ける植物の場合、下から先端へ向かって咲き進むものが多いのですが、ワレモコウの場合先端から下に向かって咲き進む、いわゆる、「有限花序(ゆうげんかじょ)」ですね。
吾木香、漢字ではこのほか「吾亦紅」「我毛紅」などの字が当てられますが語源は諸説ありはっきりしません。
漢方では 根を乾燥させたものが止血剤として利用され「地楡(ちゆ)」と呼ばれていますね。
(参考『植物語源辞典』『植物短歌辞典』)
では、短歌を二首あげておきます。
鹿児島寿蔵(『潮汐』)
吾木香の花くろずみてむらがれりこの古き道はゆく人もなし
岡 麓(『涌井』)
秋草の咲き競へるにまじりては吾亦紅もまた花のひとつや
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