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DonchanHimeji
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2020年09月17日

オーベルチュールがきれいな標本になった


オーベルチュールオオツノカナブンの標本についてですが、以前から何度もチャレンジしてその度にきれいな標本に出来ず、残念な結果になっていました。
今回は〆る際の方法を変えたら非常にきれいな仕上がりになりましたので、その方法についてご説明します。
この方法はゴライアス、ウガンデンシスにも使えることが分かりました。

その前に長い話になってしまいますが、これまでの振り返りから。

こちらは野外品で、良く見るタイプの標本ですね。
上翅の部分は許せる範囲ですが、頭部と前胸背板の部分が不自然な白色になっています。
現地では強いアルコールに漬けるそうなので、その影響かも知れません。
ober-WILD.jpg


続いてこちらは酢酸エチルで〆たものです。
前胸背板は活き虫と遜色無いですが、上翅の部分の色がくすんで汚く見えます。こうなってしまうとアセトンに漬けこもうが何しようが元には戻りません。
kirukuneri-1.jpg


そしてこちらは、亜硫酸ガスで〆たものです。
少しですが、上翅部分が不自然な黄色に変色しています。
a-lemon1-M-1.jpg


そしてこちらが今回きれいに仕上がったレモンサザナミの標本です。なんか、今にも動き出しそうですね。
目の色が変わらないのが特に良いところかな。
ober-y1.jpg

そしてこちらが、オレンジサザナミです。
ober-o1.jpg

最後に〆る方法ですが、何とも簡単で生きた虫をタッパーに入れ、冷凍庫に1週間放置するだけです。
事前の処理として、エサを1週間以上抜いて体内の余計な成分(ゼリーなど)を取り除きましょう。

取り出したものは、洗面器に洗剤を入れた水に1日漬け込み、翌日水洗いして絵の具の筆などできれいにブラッシングします。
そしてティッシュで水分を拭き取って、展足します。

乾燥標本と違い、活き虫を〆たものは完全乾燥までに3か月ほどかかります。
薬品処理をしていないので乾燥後は早めに標本箱に収めてください。

昆虫飼育をされている方は、〆るということに抵抗ある方がほとんどですが、
寿命を迎えて死んでから標本にしても色虫の場合はきれいにならないことが多いです。
また昆虫は内臓がすぐに腐りますのでなおさらです。

学名:Mecynorhina oberthueri
和名:オーベルチュールオオツノカナブン
産地:Tanzania
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