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2015年04月24日

スーパーマン

俺の嫁さんは結婚して子供産んでから、急に体が弱くなった。

医者の話によると、甲状腺の病気だそうだ。

そのため、入退院を繰り返す日々が一年位続いた。

そんなある日嫁さんの妊娠が発覚した。


医者に相談したら、「今は無理だ」とのこと。(もっとオブラートに包んで言ってました。)

嫁さんにも子供にも申し訳なくて、ただただゴメンと謝るしかできなかった。

一週間位、入院し手術する事になった。

入院中、担当してくれた看護師さんはどうやら新人らしく、常連である嫁さんの事をしらなかった。

「はじめまして!今回担当する事になった、Tです!宜しくお願いします!」

めちゃくちゃ元気いっぱいな子で、入院中は嫁さんも俺も気分が落ち込むことがあまりなかった。

手術当日、朝一番で嫁さんのところに行き、お腹の子にサヨナラした。

手術は午後からで一時間位で終わるとのことだった。

もっと時間がかかると思っていた俺は、そんなもんなのか。と思っていた。

手術の時間が近づくにつれ、不安と申し訳ないという気持ちが強くなり、情けなくも俺は病室で泣いてしまった。

それを見た担当の看護師さんは、俺に

「お子さんの為にもあなたは常にスーパーマンでいないとダメですよ!」

といってくれた。

手術が無事終わり、病室に戻ってきた嫁さんは2〜3時間程寝ていた。

麻酔が切れ目が覚めた嫁さんは俺に「もういないんだね…」といいながら、お腹を触っていた。

俺はまた泣きそうになったが、

スーパーマンだ!

俺はスーパーマンだ!

と言い聞かせ泣くのを我慢した。

数分後、担当の看護師さんがやってきた。

病室に入りお腹をさする嫁さんを見ると、

「ごめんね。私、あなたに何もしてあげられなかった…看護師なのに…何もできなかった…。」

そういうとボロボロと泣き出した。

テンパった俺と嫁さんは、大丈夫だからと訳のわからない事を言っていた。

退院の日、担当の看護師さんが俺に

「幸せにしてあげてくださいね。」

といってくれた。

ありふれた言葉だが、やけに重みを感じた。

現在、俺は家族のスーパーマンとして家族を守っている。

おそらく嫁さんも子供もみんな幸せだろうと思う。

これからも幸せな家庭でいたい。
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