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2018年07月12日

シナジーのメタファーの作り方2

2 人文科学からマクロを目指す

2.1 地球規模とフォーマットのシフト

 文系は人文、文化、社会、理系は情報、バイオ、医学とそれぞれ系列が3つずつある。どの系列でもミクロとマクロを想定し、マクロの項目を地球規模とフォーマットのシフトにすると、こぼれる人はおらず、ミクロだけでなくマクロにも通じるようになれば、自ずと研究は発見につながっていく。人文の場合、地球規模は東西南北となり、フォーマットのシフトは、Tの逆さの認知の定規をLに分けることを指す。  
 こう考えるための客観的な証拠は、私の学歴や職歴にある。元々、ドイツ文学や言語学を専攻し、人文と認知科学を研究してきた。また、職歴は、日本語教授法と機械翻訳が中心で、実務や資格を重ねながら翻訳の作業単位を調節している。例えば、ドイツ語と文学、中国語と法律(契約書)、英語と情報、ドイツ語とバイオ(生化学)、英語と医学などである。文系、理系について記事を書くとき、こうした実績を私なりに調整している。
 また、東西南北は、適当に国地域を選択すればよい。私の場合は、日本やドイツそしてアメリカが先行し、そこには東西があり、その後に日本と中国やアパルトヘイトとナチスから南アフリカとドイツという南北が出てくる。これは、私の著作を読めばわかることであり、それが客観的な証拠となる。さらに、自分が読める言葉を増やしていけば、日本と豪州、北米と南米という組ができ、研究の対象がオリンピックに近づいて行く。
 フォーマットをシフトするには、Tの逆さの定規を崩して縦横に言語と情報の認知を置き、Lのフォーマットを作成する必要がある。その際、スムーズに信号が横をスライドするように、翻訳の作業単位を使って調節していく。これがデータベースを作る際に、テキスト共生の基礎として役に立ち、文学分析にも影響を及ぼす。 
 こうして獲得した知識を基にして、シナジー・共生の組を作っていく。横のスライドがよりスムーズになるように組が増えると、自ずとシナジー論になっていく。バランスを整えるために2個2個のルールを適用する。シナジーの組については、例えば、ソフトウェアとハードウェア、文化と栄養、心理と医学、法律と医学、法律と技術、社会とシステム、社会と福祉、経営工学、文学とデータベースなどが想定される。こうして見ると、地球規模とフォーマットのシフトを調節するには、日頃からのトレーニングが必要不可欠になる。

花村嘉英(2018) 「シナジーのメタファーの作り方について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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