アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2024年09月20日

アブドゥル・グルナの“Memory of departure”(出発の記憶)で執筆脳を考える4

 サルマと映画を見て夜の8時か9時頃帰宅した。ブワナ・アーメドは、サルマのことを平手打ちした。(P.153)フラストレーション。心配もある。しかし、私のことをナメクジのように見る。最後には苛立ちが落ち着く。(P.154)出て行けという。荷物をトランクにしまう。サルマを叩く必要はない。(P.155)フラストレーション。
 夜になって鉄道の駅へ向かう。そこには列車を待つ人たちが群がっている。海岸へ向かう列車は夕方に出る。それまで仮眠する。(P.158)朝になって帰郷することを告げるため大学にマリアムを訪ねる。マリアムに事情を説明し再び駅に行く。列車が走り出すまでプラットフォームで見送りしてくれた。(P.161)エピソード記憶。
 エピソード記憶と短期記憶は、個人の意識が存在するレベルの記憶であり、意味記憶やプライミング記憶及び手続き記憶は、個人の意識が介在しない潜在記憶である。但し、エピソード記憶と意味記憶は、経験と時間によってどちらにも変わる可能性がある。
 ビ・ムブワを車に運ぶ。死の臭いがする。病棟には死を待つ長い列がある。ベッドを片付けて祖母を寝かせる。(P.175)リューマチである。リューマチは、アレルギーによっておこる関節や筋肉の疼痛性疾患である。レントゲン検査の手配もされず、翌日死亡した。棺はタクシーで家に運ばれた。二人いる姉妹の姉、サキアが手伝いに来た。早熟で下女を放棄し、12歳で学校での修業を終える。葬式後に共同墓地に埋葬される。(P.176)個人の意識が存在するエピソード記憶である。
 先生になるために、教育大学に行きたい。次の学期からスタートできる。(P.178)向上心と考えたい。未来も含めた個人の経験にまつわる出来事と関連するエピソード記憶と捉えたい。個人の意識が存在しているためである。
 「出発の記憶」は、個人の意識が存在するエピソード記憶が中心にあり、その背後に潜在意識のプライミング記憶や意味記憶が来る。そこで購読脳は「ポストコロニアルとフラストレーション」、執筆脳は「向上心と脱出」にする。シナジーのメタファーは、「グルナと向上心」である。 

花村嘉英(2023)「アブドゥル・グルナの“Memory of departure”(出発の記憶)で執筆脳を考える」より
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/12712255
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2024年09月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
花村嘉英さんの画像
花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。