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ソーセージというものは通常「挽肉に塩味や香辛料で味付けしたものを腸詰めしたもの」を指すが、日本にはひき肉も使わず、腸詰めもしていないソーセージがある。
魚肉ソーセージである。
その名が示す通り、魚のすり身を使って作られたソーセージ風の食べ物で、小さい頃はおやつの代わりによく食べていた記憶がある。
それからしばらく、私は魚肉ソーセージと距離を置く生活が続いた。特に高校〜大学生の頃は全くといって食べていなかったのではないか。
決して魚肉ソーセージを嫌いになったわけではない。ただ、心の中では「あれは子どもだましの食べ物だ」「俺くらいのシティの男は、腸詰め以外のソーセージはお断りだ」、そう思っていたことは否定しない。
そして社会人になり、私はビッグタウン・TOKYOシティの最前線で働くようになった。目まぐるしく変化するシティの最前線で働くということは、まさに‘闘う’ということと同じである。タフに仕事をこなすために、私は体を鍛え、そしてボクシングを始めた。
その中で気付いたのは、「シティで闘うタフな肉体作りには、良質なタンパク質摂取が必要不可欠だ」ということだった。しかし良質なタンパク質(肉など)には、カロリーが高いという問題もある。どうしようかと迷っている時、ふとスーパーで目に入ったのだ。
魚肉ソーセージが。
(これだ──!)
私の脳内に稲妻が走った。魚肉ならヘルシーにタンパク質を摂取できるし、常温保存も可能なので持ち運びも可。トレーニング後の補食にもぴったりだ。これだ。おれが探していたのは!
約20年ぶりの、魚肉ソーセージとの邂逅……しかしそこには懐かしさというよりも、これからの未来を一緒に闘い抜いていくような、強固な絆を感じられた。
キム(「ずいぶん待たせちまったな」)
ギョニソ(「待ちくたびれたぜ、相棒」)
心の中でそんな会話をし、それからというものの我々の絆はしっかりと固いものとなっていた。そしてもう1つやってきた、私の人生を左右する出来事があった。
痛風である。
タフなトレーニングを続けるものにとって、「タンパク質信仰」というのは少なからずある。私もバランスを取っているつもりが、いつのまにか夕食は鶏肉や刺身(私は特にカツオ)一辺倒になっていたり、若干偏っていた部分があることも否めない。
痛風の主な原因のひとつにプリン体の過剰摂取があるので、食品100gあたりのプリン体含量を調べてみた。
カツオ:211.4mg
ササミ:153.9mg
魚ソーセージ:22.6mg
(出典:)
驚異の低数値である。プリン体の摂取量は1日に400mg以下にすることを推奨されている。他の食品を見てみても、私が好んで摂取していた食べ物は、ことごとく高プリン体であった。
特に、魚類の中でも高いカツオは、1日に200gは食べていたので、それだけでもう尿酸値が上がるリスクはあったのだ。その点、魚肉ソーセージは安心していただける。もちろん、塩分や糖質など、食べすぎると気になる数値はあるが、適量であれば問題ない数値だ。
私は改めて、魚肉ソーセージの素晴らしさに気づいた。かつては本物の腸詰めソーセージを真似して赤かったボディも、
堂々とした白色になっているものもある。
「俺たちはソーセージの模倣品ではない」
この白くたくましいボディから、そういう強い意志を感じられるのは私だけではないはずだ。
そして今日も私は、シティの最先端で戦いを続ける。ポケットにはスマートフォン、そして魚肉ソーセージ。それだけあれば、問題ない。
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