新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2021年10月03日
グロトリアンの魅力 シンキングボード(歌う板)
グロトリアンのシンキングトーン
チャリス
208 x 153 x 100 cm, 350 kg
208 x 153 x 100 cm, 350 kg
チャリスは、その類まれなダイナミクス範囲、バランスの取れた透明性で、ピアニストのインスピレーションの源となる音を生み出します。このグランドピアノの品質は、ブラウンシュヴァイクの我々の工場における170年以上におよぶ経験、ピアノ・グランドピアノ製造の職人技に基づく、最新の見識の集大成です。
グロトリアンが奏でる上品で繊細な音色とロマン派主義による音楽の変革
19世紀のロマン派全盛の頃から培われたきた技術
ピアノが技術的に大きく進化をしたのは19世紀のロマン派全盛の頃で、1853年にドイツの当時の代表的な3大ピアノ・メーカーである、スタインウェイ(現・米)、ベヒシュタイン(独)、ブリュートナー(独)が時を同じくして創業されました。
こうして、ピアノ業界の新たな時代が幕開けを告げることになりましたが、ロマン派の音楽は感情が重要視され多様な響きが求められていました。(ロマン派については語りだすと長いのでまたの機会に紹介させていただきます。気が向いたら)
そうした中で、作曲家が求める音の響きを得るため、近代ピアノの基礎となる技術革新が盛んに行われたのがこの時代です。
ピアノ演奏はサロンのような小規模な場所から、多くの聴衆が集まる大きなコンサートホールへと場所を移し、より大きな音で響き、より遠くに音が届くことがピアノに求められました。
また、王政ハンガリー出身で、現在のドイツやオーストリアなどヨーロッパ各地で活躍したピアニスト・作曲家であるフランツ・リスト(ドイツ語: Franz Liszt、ハンガリー語: Liszt Ferenc、1811年 - 1886年)をはじめとする多くの卓越した作曲家・演奏家が求める複雑で多彩な音楽表現を可能にする機構が考えられ、これがピアノを大きく進化させてきました。
フランツ・リストとベーゼンドルファー
フランツ・リスト ベーゼンドルファー
音楽の都で誕生したベーゼンドルファーは数多くの大作曲家、巨匠と呼ばれるピアニストの助言によって研究と改良を重ね続け、「ウィンナートーン」と呼ばれる美しい音色を生み出しました。音楽家の中で特に交流が深く、ベーゼンドルファーピアノを世に知らしめたのは、激しい超絶技巧のピアニストとしてヨーロッパ中を湧かせていたフランツ・リストでした。リストはピアノについて実に要求が多く、そればかりでなく彼の演奏はエネルギッシュなもので、演奏会で2〜3曲弾き終えるとピアノが大抵使用できなくなるほどでした。その中でも彼の激しい演奏に耐えた唯一のピアノがベーゼンドルファーだったのです。その後、ベーゼンドルファーはリストの名声と共に世界中に知れ渡って行きました。
ベーゼンドルファーのロゴ
ベーゼンドルファー社はリスト以外にも、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなど、音楽歴史に名を残した偉大なる作曲家たちを輩出した「音楽の都ウィーン」で、1828年に設立されました。創業者のイグナッツ・ベーゼンドルファーはウィーン生まれの職人で19歳の時、オルガン製造者のヨーゼフ・ブロッドマンに弟子入りし、弟子の中でももっとも優秀な弟子だったと言われています。当初から高品質、高水準で素晴らしい名声を得ており、1839年にはオーストリア皇帝から初めて「宮廷及び会議所ご用達のピアノ製造者」の称号を授けられました。
守り続けられたグロトリアンの技術
18世紀のヨーロッパを支配していた啓蒙主義は、理性を偏重し過ぎ、伝統を軽視する傾向があったため、19世紀になると、それに対する反動としてロマン主義が生まれてきました。冷徹な理性よりも、人間に本来自然に備わっている感情を重視し、それを空想的、夢幻的、牧歌的な世界への憧れという形で表現したのがロマン主義です。ロマン主義はまた、なによりもまず個人の人間性を尊重する芸術でもありました。
こうしたことから、より個性的に、より派手な演奏が求められる中、多くのピアノメーカーは、悪く言えば品のない癖のある音を追及していったのです。その一方で、グロトリアンは人の声に近い音色を追求し、奏者が弾いていても疲れを感じさせないピアノづくりの技術を培ってきたのです。グロトリアンの奏でる中音・高音の響きは耳に馴染み良く、低音は深く響きわたります。
【独特の技術】
X支柱やU字鉄骨など楽器を堅牢にするために独自の工夫がなされ、深い低音は六角弦を使うことにより低次倍音を充実させました。前述した女流ピアニストでもあったシューマンの妻クララが愛したグロトリアンはドイツの堅実なピアノであり、一方で人の温もりも感じさせるピアノなのです。
お時間がありましたら追記もご覧ください。
あなたの楽器が新たな価値を生み出します。
【このカテゴリーの最新記事】