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2019年07月04日
融合篇〈いばら姫〉四章
一節
「あ、速報が入った」
「ニュース番組にして」
「アニメ見てるのにぃ」
「今、世間が大変なの!我慢しなさい!」
親に叱られた子がリモコンを握る。
ニュース番組には、日が落ちた都内の
一角が映し出されていた。
「これからSATによる
突入が行われます!」」
興奮したレポーターの遥か後ろに、
武装した警察の特殊部隊の姿が映る。
彼らが銃を向けるその失には――
「対象は、突然死の感染源となっている
病衣の少女です!」
虚ろな目をした少女がいた。
融合篇〈いばら姫〉三章
一節
騒乱と爆発が街を
包んでゆく。炎と煙の中、
出会うのは二人の少女。
一人は見たこともない武器を持った
女子高生。
もう一人は眠ったまま
空中に浮いている奇妙な少女。
眠っている少女の心の声が聞こえる。
「私は存在しちゃいけない……殺して。
殺して。私を殺して……」
その悲鳴に近い思念を無視し、
女子高生は興味無さげに通り過ぎる。
何かに取り憑かれた
ようにバケモノを切り刻みながら。
融合篇〈いばら姫〉二章
一節
ずっと眠っていたかった。
永遠のまどろみの中で、
楽しい夢をみていたかった。
その為に死んでしまうのなら、
それはそれで有りかな……と思っていた。
けれど、これは違う。
今、私は起きている。
起きて、現実の街を歩いている。
――いえ、いいえ。それも違う。
起きているのは意識だけ。
体は……眠ったまま……!
二節以降を読む...融合篇〈いばら姫〉一章
一節
「――はい。それでは次の曲を……。」
え?ニュース?これを読むんですか?
えーと……えー……?」
「速報です。現在、都内各地の
病院で原因不明の
突然死が発生しています。
感染症の疑いもありますので、
緊急の用が無い方は病院に行くのを
控えてください」
「――との事なんですが……
本当に……?
リスナーの皆さんも、
気を付けてください。
爆発騒ぎといい、
物騒な事が続きますね……」