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2019年07月04日

融合篇〈いばら姫〉四章

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一節

「あ、速報が入った」
「ニュース番組にして」
「アニメ見てるのにぃ」
「今、世間が大変なの!我慢しなさい!」
親に叱られた子がリモコンを握る。
ニュース番組には、日が落ちた都内の
一角が映し出されていた。
「これからSATによる
 突入が行われます!」」
興奮したレポーターの遥か後ろに、
武装した警察の特殊部隊の姿が映る。
彼らが銃を向けるその失には――
「対象は、突然死の感染源となっている
 病衣の少女です!」
虚ろな目をした少女がいた。


○月×日。
ニュース映像であの子を見た。
死を振りまく死神となったあの子を、
SATが攻撃しようとしていた。


Normal

  • 【 いばら姫 】誰でもいい……早く……
  • 【 いばら姫 】お願いだから私を殺して……

Hard

二節

「退避!退避ー!」
「駄目だ、これ以上の犠牲は出せない!」
「全員、あの子供から距離を取れ!早く!」

三節

あんなに強そうな人達がいるのに。
どうして、私を殺せないの?

四節

「あの少女に近寄っただけで、
何らかの病が発症するだと?」
「そんなウィルスあるのか!?」
「自衛隊の化学班にも要請を!」

五節

目の前で人が死んでいく。
力はどんどん強くなる。
誰も私を止められない。

六節

「ねえ、なんか……ヤバくない?」
「警察の方が不利みたいね……」
「特撮映画みたいだ」
「不謹慎なこと言わないの!」

七節

もう、何も考えずに眠りたい。
けれど意識は閉じられない。
それならせめて……考えない。
何も感じないようにしよう。

八節

「これ以上、現場からの中継は危険です!」
「馬鹿野郎!こんな美味しい画を逃せるか」
「付き合いきれない!俺達は逃げます!」
「勝手にしろ!俺は死んでも撮るぞ!」

九節

……そう、意識を沈めて。心を閉ざして。
人を拒絶する、茨の檻の中に引きこもるの。
お願い。
これ以上、誰も私に近づかないで……

十節:前半

「誰も近づかないで」
その願いが届いたのか、
少女の力は幻想のを生みだした。
は少女を守るように取り囲む。

「なんだアレは!?」
「発砲を許可する!撃て!」
号令に合わせて、SATの狙撃手が
少女の死角から銃弾を放った。
――それが、間違いだった。
「な……!?」
くぐもった声と共に、少女から距離を
取っていた筈の隊員達が倒れて行く。

彼らは皆、に貫かれていた。


○月×日。
あの子の奇妙な力で、SATが
「あっという間に壊滅した。
同時にテレビの中継も途絶えた……。


Normal

  • 【 いばら姫 】近づかないで。私の邪魔をしないで。
  • 【 いばら姫 】邪魔をするなら……死んで……?

Hard

十節:後半

虚ろな少女をが守る。
少女の望み通り世界から切り離す為に、
幻想の茨は人のモノも関係なく、
少女の周りを全て破壊した。

「……近づかないで」
倒壊した建物の鉄骨が車を押し潰す。
ガソリンに引火したのか、
少女の後ろで爆発が起きた。
その炎の中から、どこか聞き覚えのある
声が届く。
「……眠りたいの?」

その声の持ち主は、同じ茨で守られた
*もう一人の少女 *
だった。


○月×日。
これからあの子はどうなるのだろう。
あの子の泣く声が聴こえる気がする。
願わくば、誰か止めてあげてくれ。

posted by 白の書 at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 融合篇
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