2019年07月05日
融合篇〈くるみ割り人形〉一章
一節
――さてはて。
その頃、ライブラリでは一人の
老人が、相変わらず
ぶつぶつと呟いておりました。
「……また、始まったのか」
あらあら?
いつもよりもシリアスさを
帯びるそのお声。
何だか雰囲気がちょっと違うような?
「ならば行こう。この目で確かめるべき」
老害と罵られる人形は、
カタカタと笑いながら歩きだしました。
寝る前にくるみ割り人形の話を
読みましょう。人形は、今日もぶつぶつと
元気に呟いています。けれど、いつもと
少し雰囲気が違いました。
Normal
- 【くるみ割り人形】なるほど。確実に始まっておるな。
- 【 ギシン 】ハイ、それはモウ盛大に!
- 【 アンキ 】貴方もパーティはオ好きデショウ?
- 【くるみ割り人形】パーティは聖夜に限るべき……
Hard
- 【 ギシン 】
- 【 アンキ 】
二節
「老害人形」
「壊れカケのくるみ割り」
「今サラ」
「何をシヨウというのデスか?」
三節
ワガハイはワガハイの役目を果たすべき……
四節
「役目?何ヲ?」
「貴方ニ何が出来ルというのデス?」
「こんナに呆けテ」
「害にシカならないノニ」
五節
来るべき時が来た。
ならば、やるべき事をするべき……
六節
「会話が噛み合ワないデスね」
「仕方ナイです。だって老害ダカラ」
「アぁ、本当に」
「邪魔ナ人形」
七節
老害。老害か……
さて、それは誰にとっての害なのだ?
他の登場人物達か?
それとも――
八節
「時ニご老人」
「3+1+2+4=?」
九節
む?むむむ?
ちと待て。指が足らぬ……
「ヤッパリ」
「ボケてル?」
十節:前半
ライブラリを歩きながら、
くるみ割り人形は周囲を確認します。
「ふむ……この辺りで様子を見るべき」
そう言うと、老人は突然
近くのナイトメアに攻撃を仕掛けました。
「ウワッ、いきなりノ暴力!
やっぱり老害デス!」
「……イエ、これハ違う」
「エ?」
「確かメてイル」
「……」
くるみ割り人形は、無言でナイトメアの
頭をかち割り続けました。
くるみ割り人形は敵を倒します。
でも、やはりいつもと違います。
何かを確かめているようです。
Normal
- 【くるみ割り人形】ふむ、理解した。なるほど、なるほど。
- 【くるみ割り人形】そういう事か。傀儡どもよ。
- 【 ギシン 】……
- 【 アンキ 】……老害のクセに。
Hard
- 【 ギシン 】
- 【 アンキ 】
十節:後半
思う存分ナイトメアをかち割って、
くるみ割り人形は満足げに
息を吐きました。
「混じり始めておるな」
「……」
「空間も揺らぎ始めておる」
「……」
「お前達はワガハイの
意見を聞くべき……」
「聞きマショウ」
「この度の干渉はあちら側から、だな」
「他にハ?」
「あちらで何かしらの
実験を行った」
「……ボクは演技デス?」
「さて。ワガハイはくるみ割り人形。
人形は役目に準ずるべき……」
老人は、カタカタと笑いました。
くるみ割り人形は不思議な事を呟きます。
混じっている、揺らいでいる、
干渉されている、実験……
「……この話、こんなのだったかしら?」
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