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2019年01月04日

現実篇〈アリス〉四章

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一節

最初は、別に好き
じゃなかった
むしろ、口ばかりの調子が良すぎる
教師だと感じていた。
実際の所、教師は口ばかりの
安っぽい人間で、
愛嬌だけで上手く世の中を
渡っているような男だった。

だけれど、何故か
そんな男に惹かれていった。
自分でも理由はわからない。
それがだと気づくまでには
何ヶ月も時間がかかったから。

そして、それがだと知るまでには、
もっと時間が必要だった。

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posted by 白の書 at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現実篇

現実篇〈アリス〉三章

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一節

女子高生が教師と不倫する。

よくある、本当に、よくある下らない、
どうでもいい話だ。
誰もがそうやって安っぽい関係を見下す。

自分が当事者になるまでは、
全て他人事だ。
そして、当事者になってしまったら、
甘美な沼からは
抜け出す事は出来ない。彼の笑顔
が好きだ。彼の言葉が好きだ。
彼のシャツが好きだ。彼の
ゴミが好きだ。彼の全てが好きだ。

私にとって彼は
生きる意味
そのものになっていった。

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posted by 白の書 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現実篇

現実篇〈アリス〉二章

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一節

新宿の奥まった場所にある
ラブホテル街
ポツポツと灯りが目立ち始める時刻。
夜の街で働く人々の間に、
一組の男女が佇んでいる。

男の事を「先生」
呼んでいる少女。
上着を羽織ってはいるが
その下は制服を着ている。
許されないその関係は、
「男の言葉によって、
終わりを迎えようとしていた。

少女は「先生」に泣き縋る。
行為が終わってから
別れを告げる男の卑怯さと、
お腹の中に出来てしまった
子供の事を。

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posted by 白の書 at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現実篇

現実篇〈アリス〉一章

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一節

学生服を着た少女が立っている。
高層ビルの屋上の端。
落下防止の鉄柵を越えた
一番危ない場所。

眼下に広がるのは新宿の雑踏。
人の声や車の音が一体となり
ゴウゴウという塊のような
音となって街を包み込んでいる。
少女に気づく者は誰もいない。
誰もが自分の事に執着し。
誰らが他人の事に無関心だから。

誰かに呼ばれた気がして、
少女は目を閉じる。
そこに広がってるのは見たこともない
荒廃した街だった……

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posted by 白の書 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 現実篇
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