2017年08月23日
一国の価値と比するほど珍重された“パール”(真珠)
古くから、神秘的で美しい真珠は非常に価値あるものとされた。プリニウスによれば、古代ローマでは全ての物の中で真珠が最も高価だった。
クレオパトラは、古代ローマ帝国の政治家マルクス・アントニウスと結婚し、子供を残したことで知られているが、このアントニウスは毎晩のように豪華な晩餐会を催していたという。彼はそれが自慢だったようで、あるとき得意気にこんなことを言った。「どうだろう、これ以上に素晴らしいものなど考えられないだろう。」
![Cleopatra1.jpg](/greatspirits/file/Cleopatra1-thumbnail2.jpg)
これを聞いたクレオパトラはカチンときた。彼女はアントニウスの態度を馬鹿にするように、「私ならば一回の食事で一国の価値に値する贅沢ができますわ。」と言ったのである。彼女は女王らしく負けん気が強く、見栄っ張りで気まぐれなところがあったわけだ。アントニウスはそんなことは不可能だと思ったので、「一体どうやるんだ?」と挑発し、それが出来るか出来ないか二人で賭けをすることになった。
そこで、翌日はクレオパトラが豪華な食事を用意して、アントニウスを招待した。だが、それがいくら豪華と言っても、アントニウスがいつも食べているものとそれほど変わらなかった。アントニウスは笑った。しかし、クレオパトラは平然として言った。「これはちょっとした付け足しに過ぎないの。」それから、彼女は二番目のコースを注文した。給仕が酢の入ったグラスを一つだけ彼女の前に置いた。すると、クレオパトラは自分の耳を飾っていた真珠の一つを取り外した。これは、当時歴史上最大と評判の高かった素晴らしい真珠の内の一つで、1,000万セステルティウスの価値があるというものだった。勿論、2個ともクレオパトラの所有物で、彼女の両耳を飾っていたのである。(※セステルティウス:古代ローマの通貨単位で、当時のローマ軍兵士の年俸は1,000セステルティウスだった。)
![Cleopatra3.jpg](/greatspirits/file/Cleopatra3-thumbnail2.jpg)
一体何をするんだろう?とアントニウスが不思議に思って見ていると、彼女は手に取った真珠を酢の入ったグラスの中に投げ入れた。酢には真珠を溶かす力があったから、真珠はすぐにもゆっくりと溶け始めた。そして、それが完全に溶け切ったとき、クレオパトラはグラスに入った酢を飲み干してしまったのである。それから、彼女は酢入りのグラスをもう一度注文すると、もう一つの真珠もその中に投げ込もうとした。だが、この席に二人の賭けの審判役として同席していたキウス・ブランクスが、彼女を制止して宣言した。「この勝負はアントニウスの負けだ。」
その当時、真珠がいかに効果なものだったか、よくわかる逸話なのではないだろうか。
クレオパトラは、古代ローマ帝国の政治家マルクス・アントニウスと結婚し、子供を残したことで知られているが、このアントニウスは毎晩のように豪華な晩餐会を催していたという。彼はそれが自慢だったようで、あるとき得意気にこんなことを言った。「どうだろう、これ以上に素晴らしいものなど考えられないだろう。」
![Cleopatra1.jpg](/greatspirits/file/Cleopatra1-thumbnail2.jpg)
これを聞いたクレオパトラはカチンときた。彼女はアントニウスの態度を馬鹿にするように、「私ならば一回の食事で一国の価値に値する贅沢ができますわ。」と言ったのである。彼女は女王らしく負けん気が強く、見栄っ張りで気まぐれなところがあったわけだ。アントニウスはそんなことは不可能だと思ったので、「一体どうやるんだ?」と挑発し、それが出来るか出来ないか二人で賭けをすることになった。
そこで、翌日はクレオパトラが豪華な食事を用意して、アントニウスを招待した。だが、それがいくら豪華と言っても、アントニウスがいつも食べているものとそれほど変わらなかった。アントニウスは笑った。しかし、クレオパトラは平然として言った。「これはちょっとした付け足しに過ぎないの。」それから、彼女は二番目のコースを注文した。給仕が酢の入ったグラスを一つだけ彼女の前に置いた。すると、クレオパトラは自分の耳を飾っていた真珠の一つを取り外した。これは、当時歴史上最大と評判の高かった素晴らしい真珠の内の一つで、1,000万セステルティウスの価値があるというものだった。勿論、2個ともクレオパトラの所有物で、彼女の両耳を飾っていたのである。(※セステルティウス:古代ローマの通貨単位で、当時のローマ軍兵士の年俸は1,000セステルティウスだった。)
![Cleopatra3.jpg](/greatspirits/file/Cleopatra3-thumbnail2.jpg)
一体何をするんだろう?とアントニウスが不思議に思って見ていると、彼女は手に取った真珠を酢の入ったグラスの中に投げ入れた。酢には真珠を溶かす力があったから、真珠はすぐにもゆっくりと溶け始めた。そして、それが完全に溶け切ったとき、クレオパトラはグラスに入った酢を飲み干してしまったのである。それから、彼女は酢入りのグラスをもう一度注文すると、もう一つの真珠もその中に投げ込もうとした。だが、この席に二人の賭けの審判役として同席していたキウス・ブランクスが、彼女を制止して宣言した。「この勝負はアントニウスの負けだ。」
その当時、真珠がいかに効果なものだったか、よくわかる逸話なのではないだろうか。
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