2016年12月03日
美しく燃える貝の魔力“オパール”(蛋白石)
オパールの中には、太古の貝殻が大地の底で化石化する過程で美しいオパールに変質した種類があり、貝オパールと呼ばれている。表面的には貝の化石だが、表面が削られた部分からはまるで炎が燃え立っているような七色の輝きが見える、いかにも神秘的な宝石である。
この貝オパールをモデルに、宮沢賢治が「貝の火」という童話を書いている。
あるとき、子ウサギのホモイが小川で溺れているヒバリの雛を助ける。暫くして、助けられたヒバリの親子が、鳥の王の使者としてホモイのところに「貝の火」という不思議な宝玉を届けに来る。「これは“貝の火”という宝珠でございます。王様のお言伝ではあなたのお手入れ次第で、この珠はどんなにでも立派になると申します。どうか御収め願います。」
こうしてホモイは貝の火を手に入れるのだが、それからというもの、ホモイの生活は少しずつ変わっていく。貝の火は、特に立派な動物だけが持つことの出来るものであったため、周りの動物たちが、ホモイを王様のように大事にし始めたのだ。
最初は立派な者に相応しい振る舞いを心がけていたホモイだったが、まだ無邪気な子供だったため、皆に大事にされる事に慣れていってしまう。
そんなホモイを見て悪い狐が近付き、ダイドコロの木になっている角パンを毎日届けるという約束でホモイに取り入ると、少しずつ悪い道へと誘い始める。するとどういう訳か、貝の火は以前よりもっと美しく輝くようになり、その内部で稲妻が光ったり火山が噴火したりしているように見えてくる。これを見たホモイは、貝の火がある限り何をしても大丈夫なのだと思ってしまうが、それは間違いだった。
網で鳥たちを捕まえて動物園を作ろうという狐の計画をホモイが許可した日のこと。家に戻って貝の火を見ると、美しい輝きの中に一点の白い曇りが出来ていた。そして、その翌朝、美しく輝いていた貝の火は、ただの白い貝になっていたのである。
ホモイは驚き慌て、父と一緒に狐のところへ行くと、網に捕われ泣いていたたくさんの鳥たちを逃がしてあげたが、遅かった。貝の火はカチッという音を立て、二つに割れてしまったのである。
この貝オパールをモデルに、宮沢賢治が「貝の火」という童話を書いている。
あるとき、子ウサギのホモイが小川で溺れているヒバリの雛を助ける。暫くして、助けられたヒバリの親子が、鳥の王の使者としてホモイのところに「貝の火」という不思議な宝玉を届けに来る。「これは“貝の火”という宝珠でございます。王様のお言伝ではあなたのお手入れ次第で、この珠はどんなにでも立派になると申します。どうか御収め願います。」
こうしてホモイは貝の火を手に入れるのだが、それからというもの、ホモイの生活は少しずつ変わっていく。貝の火は、特に立派な動物だけが持つことの出来るものであったため、周りの動物たちが、ホモイを王様のように大事にし始めたのだ。
最初は立派な者に相応しい振る舞いを心がけていたホモイだったが、まだ無邪気な子供だったため、皆に大事にされる事に慣れていってしまう。
そんなホモイを見て悪い狐が近付き、ダイドコロの木になっている角パンを毎日届けるという約束でホモイに取り入ると、少しずつ悪い道へと誘い始める。するとどういう訳か、貝の火は以前よりもっと美しく輝くようになり、その内部で稲妻が光ったり火山が噴火したりしているように見えてくる。これを見たホモイは、貝の火がある限り何をしても大丈夫なのだと思ってしまうが、それは間違いだった。
網で鳥たちを捕まえて動物園を作ろうという狐の計画をホモイが許可した日のこと。家に戻って貝の火を見ると、美しい輝きの中に一点の白い曇りが出来ていた。そして、その翌朝、美しく輝いていた貝の火は、ただの白い貝になっていたのである。
ホモイは驚き慌て、父と一緒に狐のところへ行くと、網に捕われ泣いていたたくさんの鳥たちを逃がしてあげたが、遅かった。貝の火はカチッという音を立て、二つに割れてしまったのである。
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