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2016年11月12日

波乱をもたらす黒い石“オブシディアン”(黒曜石)

共に創造主オメテオトルの子供であるケツァルコアトルとテスカトリポカは、世界創造に立ち会った古代メキシコ神話における最高神である。

Ometeotl.png

世界が創造された後、宇宙には五つの太陽の時代が訪れた。
まず最初の「土の太陽の時代」は、テスカトリポカが宇宙を支配した。次にケツァルコアトルがテスカトリポカを矛で突いて海に落とし、「風の太陽の時代」を支配した。続いて雨の神トラロックが「雨の太陽の時代」を支配したが、ケツァルコアトルが火の雨を降らせて終わった。4番目は水の女神チャルチウトリケェが支配する「水の太陽の時代」だったが、大洪水で滅んだ。そして最後の「動きの太陽の時代」は、ケツァルコアトルとテスカトリポカが協力して創った。

ケツァルコアトルは鳥と蛇が合体した神で、全身が緑色をした翡翠の神でもある。母親が翡翠の破片を飲み、ケツァルコアトルを産んだと言われている。

Quetzalcoatl.jpg

一方、テスカトリポカは「テスカ」という言葉が黒曜石を意味するほど黒曜石と関係が深く、左足先が黒曜石で出来ていた。世界の創造に立ち会ったとき、大地の怪物に左足先を喰いちぎられたためである。

Tezcatlipoca.jpg

古代メキシコ神話では、「秩序をもたらす翡翠」と「波乱をもたらす黒曜石」が、世界を動かす重要な石として位置付けられている。

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