2016年11月05日
中世騎士道物語で語られた愛の指輪“ジャスパー”(碧玉)
「トリスタンとイズーの物語」といえば、中世最大の恋物語であり、愛の媚薬が登場することで有名である。コーンウォール(イングランド南西端の州)のマルク王の王妃イズーと、王の甥トリスタン。立場上、決して愛し合ってはいけない二人が、誤って愛の媚薬を飲み、永遠の愛に落ちてしまった。
道ならぬ恋に苦しんだ二人が、ついに遠く離れて暮らすことを決意したとき、イズーは自らの指から碧玉の指輪を抜き取り、旅立つトリスタンに託して告げる。
「私の愛の形見であるこの指輪を、どうか指に嵌めてください。そしてもし、あなたが私に使者を寄越すことがあれば、この指輪を使者の証しとして持たせてください。その時は、私はいかなる力にも王の妨害にも屈せず、あなたの元へと参ります。」
イズーと別れ旅立ったトリスタンは、ブルターニュ(フランス最西端の地方)のカルエー城の客人となると、手柄を立ててその力を大いに認められた。だが、その地で親友となったカエルダンと一緒に戦いに出たとき、多くの敵を倒したものの、トリスタンもまた敵の毒槍に傷付いてしまった。
どんな医師にもトリスタンの身体を侵す毒を抜くことが出来ず、トリスタンは死を覚悟した。しかし、死ぬ前にもう一度イズーに会いたい。それがトリスタンの切なる願いだった。
トリスタンは親友カエルダンを呼ぶと碧玉の指輪を手渡し、マルク王の城からイズーを連れ出して来て欲しいと哀願した。カエルダンは了承し、高価な商品を運ぶ商人に変装して、仲間を引き連れコーンウォールへ向かった。王妃と愛人関係にあったトリスタンは、マルク王の城では裏切り者であり、トリスタンの名を出して王妃と面会する訳にはいかなかったからだ。
やがてマルク王の城に着いたカエルダンは、商品を薦める振りをしながら、イズーの前に碧玉の指輪を差し出した。イズーは目の前の商人がトリスタンからの使者だと知ると、誰にも気付かれないように密かに話を聞き出した。
翌日、イズーは城を抜け出し、カエルダンの船に飛び乗った。船は走った。だが、イズーは一歩遅かった。彼女が到着する直前に、トリスタンは死んでしまった。そして、それを知ったイズーもまた、絶望のあまりトリスタンの傍で息絶えたのである。
道ならぬ恋に苦しんだ二人が、ついに遠く離れて暮らすことを決意したとき、イズーは自らの指から碧玉の指輪を抜き取り、旅立つトリスタンに託して告げる。
「私の愛の形見であるこの指輪を、どうか指に嵌めてください。そしてもし、あなたが私に使者を寄越すことがあれば、この指輪を使者の証しとして持たせてください。その時は、私はいかなる力にも王の妨害にも屈せず、あなたの元へと参ります。」
イズーと別れ旅立ったトリスタンは、ブルターニュ(フランス最西端の地方)のカルエー城の客人となると、手柄を立ててその力を大いに認められた。だが、その地で親友となったカエルダンと一緒に戦いに出たとき、多くの敵を倒したものの、トリスタンもまた敵の毒槍に傷付いてしまった。
どんな医師にもトリスタンの身体を侵す毒を抜くことが出来ず、トリスタンは死を覚悟した。しかし、死ぬ前にもう一度イズーに会いたい。それがトリスタンの切なる願いだった。
トリスタンは親友カエルダンを呼ぶと碧玉の指輪を手渡し、マルク王の城からイズーを連れ出して来て欲しいと哀願した。カエルダンは了承し、高価な商品を運ぶ商人に変装して、仲間を引き連れコーンウォールへ向かった。王妃と愛人関係にあったトリスタンは、マルク王の城では裏切り者であり、トリスタンの名を出して王妃と面会する訳にはいかなかったからだ。
やがてマルク王の城に着いたカエルダンは、商品を薦める振りをしながら、イズーの前に碧玉の指輪を差し出した。イズーは目の前の商人がトリスタンからの使者だと知ると、誰にも気付かれないように密かに話を聞き出した。
翌日、イズーは城を抜け出し、カエルダンの船に飛び乗った。船は走った。だが、イズーは一歩遅かった。彼女が到着する直前に、トリスタンは死んでしまった。そして、それを知ったイズーもまた、絶望のあまりトリスタンの傍で息絶えたのである。
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