猫のフォウさんはたぶん10歳ぐらいだと思われますが、正確にいつ生まれたのかは誰も知らない。
雨の日の夜中に、近所の空き地でずっと鳴いていました。
「朝まで鳴いていたら見にいこう」
そう思って寝て、朝起きたらまだ鳴いていたのでお迎えに行きました。
鳴いてばかりいる子猫ちゃんでしたが、みるみる大きくなって現在に至ります。
フォウさん 生年月日、出身地、いずれも不明 管理人宅の近所で鳴いていたところを保護される しっぽがちょっと短いのがコンプレックス |
個人的な知見ですが、野良出身の猫は総じて食い意地が張っています。
「いつ食えるか分からないから、食える時に腹いっぱい食う」
という環境で育ったので仕方ないと思いますが、家猫になってもその性状は変化しません。
フォウさんは、日ごろはあまりガツガツ食べないように見せかけて、じつは夜中に盗み食いをするプロです。
エサ箱の蓋を鼻先で器用に開けて、モリモリ食べます。
顔は小顔ですが、下半身がものすごいデブ。夜中にたくさん食べる人は気を付けた方が良いです。
そんなフォウさんは、ひそかに歯周病を患っています。
数年前に、片方の牙(犬歯)がすこしずつ伸びてきました。
これは猫に特有の加齢に伴う変化である犬歯の挺出(ていしゅつ)と呼ばれる現象です。
原因はよく分かりませんが、歯周病による場合もあります。
かなり伸びて来て痛そうだったので、獣医で診察してもらいました。
先生は「あ、これ取れますよ」といって、手で引っぱったら簡単に抜けてしまいました。
猫の牙は家猫として暮らす分には特に必要ないので、そのときはそれで終わりました。
それから数年後のつい先日。
残った方の牙がまたしても伸びて来て、しかもちょっと痛そう。顔も少し腫れてる感じがする。
ということで、またも獣医へGO。
今回はいきなり「抜いてやってください」とお願いしてみました。
先生は「抜けるかな?」と言いながら、奥からペンチを持ってきてチャレンジ。
案外簡単に抜けました。やはり歯周病のせいか、かなりグラグラだったのです。
これでフォウさんは両方の牙を失ってしまいました。
じつは猫はエサを食べる時、ほとんど噛まずに丸飲みしているので、歯が無くなってもそれほど困ることはないのです。
ただし、猫は歯周病になりやすいうえに、歯周病は他の病気の原因にもなるので予防が一番です。
人間も猫も、歯は大事にしないとね。