「死人の声をきくがよい」も、正統派ホラー漫画の系譜に連なる作品で、表紙をご覧になって分かる通り、美少女が立っているだけで、すでに怖い。後ろの骸骨がなくても、ああ怖い。
こういう絵柄はいかなる修練を経て獲得されるのかは謎ですが、ホラー漫画家を目指すものは、必ず習得しなければならないスキルであり、「絵で語る」ことの重要性を語らずして知らしめるものであります。
さらに付け加えるならば、ホラー漫画の逆説的なツボは、作中に溢れる「可笑しさ」であります。
明らかにコメディリリーフとして描かれた箇所はもちろんのこと、「図らずも可笑しくなってしまった」場面などがそこかしこに溢れるこの作品の、なんと豊かなことか。いやはやなんともまいったね。
ホラー漫画好きと、そうでない人に、騙されたと思ってぜひご一読を。
「岸田純は死んだ人間の姿が見える高校生。あるとき彼の前に現れた美少女は、行方不明の幼なじみ・早川涼子で…。日常に忍び寄る恐怖と狂気を描きだす正統派ホラー!!」
タグ:死人の声を聞くがよい ひよどり祥子
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