「これ描いて死ね」(とよ田みのる)です。
作品の概要は以下の通り。
「安海 相(ヤスミ アイ)は、東京都の島しょ・伊豆王島に住む高校1年生。
漫画を読むのが大好きな彼女は、とある出来事がきっかけで漫画を“つくる”ことを意識し始める……
少女を待ち受ける世界は、果たして!?
漫画大好き漫画家・とよ田みのるによる漫画家漫画!!
作品を生み出す苦しみも歓びも、余さず描く漫画浪漫成長譚!!!」
ということで、とよ田みのるが満を持して放つ「漫画の漫画」です。とよ田版「まんが道」ですね。
「ゲッサン」連載中で、2022年7月現在コミックス1巻が発売中。
Webで1話だけ読めるので、騙されたと思って読んでみるといいかも。異常に高密度な1話です。
この1話で「乗れた」人はコミックスを急いで買うように。ダメだったひとはさようなら。
「乗れる」かどうかのポイントは、「漫画が好き」かどうかです。とよ田みのるは以前からそうですが、「漫画が好きすぎる」人です。2002年のデビュー作の「ラブロマ」からずっと見ていますが、「漫画が好き」を拗らせまくった「金剛寺さんは面倒臭い」まで、いつも漫画に対して全力です。
作品概要でも書いていますが、この作品はとある女子高生が「まんが道」を突き進む漫画です。
第1話で明らかになりますが、その師匠となるのが学校の先生です。
先生はかつては漫画家でしたが、現在はそれを封印して離島で教師をしています。
その先生の過去を描いた番外編「ロストワールド」が1巻巻末に収録されていますが、これを読むだけでもコミックスを買う価値がある。
ものすごく優しい雰囲気の漫画を描いている人が、「読者全員殺す気」で描いているという狂気。
「面白さで殺す!」という決意と覚悟を持って、死ぬ気で描いているという漫画家の宿痾が心を打ちます。
1巻では主人公が「漫画を描く」ことに目覚め、仲間と師匠を得て、ライバルと邂逅するまでが描かれます。
とよ田みのる先生も、「読者全員殺す」気で描いている雰囲気が濃厚に漲っています。
読者諸兄は存分に殺されてください。
これ描いて死ね(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス) [ とよ田 みのる ] 価格:819円 |
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