カラー放送から十年、プランビコンカメラと2インチVTRの耐用年数が限界となり更新する時期になります。
ひかるは入社10年目、もともと沖縄で育ちアメリカ嫌いが染み付いております。
更新時期を持ってカメラとVTRをアメリカから国産品に切り替えようと、とんでもない事を考え行動に出ます。
カメラは撮像管方式から国産のCCD方式に切り替え、更にVTRは国産の1インチVTR方式に切り替える。
誰がどう考えても無理な事、しかしひかるはとんでもないアイディアを次々と連発、ニ年後にはものの見事に完璧に国産に切り替えます。
時の流れも加味しました。誰一人として気付いていませんが、ひかるは40年後にノーベル賞に輝く開発されたばかりのリチウムイオン電池に目を付けます。
これがいわゆる日本の映像産業を世界ナンバーワンにした原動力です。
デジタル分野ではアメリカと日本では親子の差があると言われた時代。
NASAが国家権力を持っても出来なかった電子編集を日本は簡単にやってのけます。
当時の開発状況を簡単に残していきたいと思います。
当時VTRは2分の1インチホームビデオとしてソニーがベータ方式を提唱していたのですが結果的にVHS方式に統一されソニーは完敗。
孤立無縁苦しい立場に立たされます。
放送VTR方式としてアメリカの2インチ方式から日本の1インチ方式への移行が模索されていました。
ここでもVHS陣営が推すアルファ方式とソニーのオメガ方式が対立。
当然の成り行き、VHS陣営が進めるアルファ方式採用が時間の問題とまで言われていました。
ソニーはホームビデオ、ベータ方式に全力を投入していた為放送方式ではかなり遅れをとっていました。
アルファ方式が2時間テープ使用に対しソニーのオメガ方式は20分テープしか使用出来ません。
素人的にはたいした問題でないように見えますがVTRは鉄粉が塗布され重い為、20分テープと2時間テープでは差があります。
高速で巻き戻し早送りし1秒間に30枚の精度でピタリと止める、あるいはスタートさせる制御は開発時間を必要とします。
ソニーのオメガ方式とVHS陣営が進めるアルファ方式ではどう考えても、ひかるの見た目ではソニー方式に軍配が上がります。
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