今更、船から飛び降り戻る訳にはいかない・・
戻れない・・
親子の全てを断ち切った!
木の葉のような橋渡船の父に、最後の別れを一言。
「許してくれ! 息子は亡き者と諦めてくれ・・!」
心底絞り出す言葉は、声になりません。
千切れんばかりに手を振り、今後の無事をひたすら願うしかありませんでした。
船は全ての未練を断ち切り、一路北へ・・・
この船の進む先に、ロマンがある・・
そしてテレビがある・・
過酷な試練が、刻々と近付いているのも露知らず・・
ひかる少年は帆先へ立ち、目を大きく見開き、未来を見つめるだけでした。
(これから先、ひかるはテレビ界で縦横無尽に活躍、結果的に両親の死水は取れなかった)
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