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2024年07月03日

 1211 老人天国


スポーツクラブで泳ぐのを日課にしているが、平日のクラブは老人天国だ。
サウナに入った後、平面ガラス張りの広い部屋に10人が腰かけられる総鏡張りの前で、ドライヤーが使えるようになっている。
何気なく見、腰が抜ける程、ギョッとした。
ツルツル禿げのじいさんが3人、その前でツルツル頭にドライヤーを当てているではないか。
鏡に映る顔と、ツルツル後頭。
ガン首、シャレコーベが六つ並んで、しかも裸体で、こっちを見ている光景に見えたのだ。
一瞬、あの世へ来てしまった、と感じ、心臓が止まる思いだった。
異様なる光景とは、その事だろう。
何も毛の無いツルツル頭に、ドライヤーを使う必要ないだろう。
せっかくエコに到達できたのに、電気代の無駄だ!
自宅では、ドライヤーを使わないだろうに、タダだからと言って何の意味がある・・
ヤケドするだけだぞ・・
老人大国、平日、喫茶店に行き、タバコをふかしていると、スリ硝子で仕切られた禁煙席に、ばあさん軍団が、けたたましく入ってきた。
耳が遠いのか、親分肌のババーが、店内に響きわたる声で、しゃべくっている。
ねーねー丁目の山本さん、バイドクじゃない。
バイドクは、頭が禿げるんだって・・
子分・・それって、エイズの事じゃない。
そうそう、そのエイズよ・・
若い頃、東南アジアへ単身赴任。今は、奥さんとも、うまくいっていないみたいよう・・
と、山本氏の話題で、大変な盛り上がりようだ。
その内、私の隣にいた、かわいい毛糸の帽子をかぶった男が、ソワソワ動き出した。
親分の前へつかつかと行き、バサーと帽子をとり、一人一人なめ回すように、睨みつけたのだ。
そう、話題の山本氏だったのだ。
殺傷事件が起きかねない、異様なる雰囲気である。
山本氏の後姿は、肩まで怒り狂っているようで、勘定を払って出て行く。
その後姿を見送ると、親分肌のばあさんは、前にもまして、大きな声で言い放った。
何もエイズだと、決め付けた訳でもないのに、失礼だわ!
睨みつけられる覚えは無いはずよ、と。
おい! ばあさん、あんたに反省の気持ちは無いのか・・
ボケも入ってきているのであろう。
老人大国の日本、そろそろ、ボケ法の制定をしないと、国はなりいかなくなるぞ・・
30年間もオカマを通し、女に成りきった男がいた。
酒の席で、色気も全く感じられない、お前は女に成りきれない、男だ、と言われる。
ボケも入ってきており、感情の上下が激しくなっている男は、相手を刺し殺した。
さて、問題はこれからだ。
心身共に女になりきって、殺人までおこしたこの人物を、男部屋に収監したら、罪になるのか・・
女部屋に収監したら、罪になるのか・・
皆さんで酒の肴に、議論してほしい。
いずれ貴方は、裁判員になる可能性がある。
今の内から、勉強しておこう。
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1210 すこぶる面白


その昔、道路や高速道路が出来、物流が飛躍的に伸びた。
そして運送業などが台頭した。その後通信、電波が出現し、テレビやラジオなど・・
土地や建物は所有しても限界がある。しかし電波には垣根が無い。
土地を千坪持っていても、その上層部は天空まで自分の物とは言えないのであるが、電波は勝手に侵入する。家の中まで入って来るのである。
時代の潮目としてTVやラジオが一気に先端企業になり、その後上空空間を使う空間産業として航空産業、JALやANAが誕生。
そして携帯、ブログの時代へ進んで来たのである。
TV等は国の免許が要る、がブログは垣根がない。
私が他人の家へ入れば即逮捕、しかしこの私のブログはもう既に貴方の家に侵入している。
トイレ、スッポンポンで風呂に入っても私のブログは侵入、貴方の体を舐め回している??
と言っても過言ではないだろう。
恐ろしい・・と言うか、世の中すこぶる面白い。
これ程面白い道具を単なる日記で終わらせる訳にはいかない。
昔・コンピュータは国家や巨大企業の独壇場だった。しかし今は個人で持てる。
昔・電波は国家管理下にあった。今はブログで個人が自由に使える時代になった。
ビルゲイツがコンピユータソフトを考え出した状況以上に、目の前には巨大な市場、チャンスが広がっているのだ。
そうだ、個人で放送を初めてもまったく問題は無い。
GPSを利用した次世代産業を就職に選ぶも良し。
だから言う、著名大学を出ようが時代の潮目を見れなければ底辺を這うしかない。
このブログの、若者よ・・・をじっくり味わい先駆者になろう。
革命だ〜
いや、いや、脳内爆発だ〜

 1209 脳内爆発だ〜


最近電車に乗っていて車内の様子が激変しているのにびっくりした。
皆さん気が付いていたのか、殆んどの人が携帯を見ているのだ!
以前は携帯と言えば耳に当てる物、と思っていたが様子がちょっとの間に変わっているのだ。
メールであったり、ラインであったりゲーム、読み物、ともかく携帯が耳から完璧に目に変わっているのだ。
世の中に革命が起きているのだ。
この革命を見過ごすのではなく乗る事、先取りする事が大事と思い、すぐさまブログを書き出した。
いずれブログはインターネットを超え、巨大市場が出来るはずだ、ライブドアや楽天以上の巨大企業が誕生するはずだ。
そして子会社化されるぞ。
私はブログを単なる日記の延長ではなく、コンテンツさえ考えればとんでもない道具になる、と考え実験に乗り出した。
このサイトは予想を遥かに超えるアクセスを確保。
更なるアクセスが倍増出来れば、本格的な個人放送、携帯放送に切り替える積りだ。
若者よ! 未来は面白くなるぞ!
心して己を見つめ、とんでもない可能性へ舵を取ろう!
携帯はその内本になり、サイフや紙幣になり、世界地図にもなる。
チケットやカード、免許証や保険証代わり、音楽堂、むかし話、語り部であったり、更に国をも支配するかも知れない。
電子マネーはすでに定着、国の紙幣までも利用価値が危ぶまれ、住民票や免許証、パスポート等スマホによる顔や指紋認証等切り替わる事も想定できる。
民間では既に利用、スマホバーコードで座席指定からホテル利用など問題ない。
若者よ! 世の流れの潮目を見る要素を蓄えろ。

1208 マッチ発祥の地


世の中時々ひょんな物に出会う。
マッチ発祥の碑、なんて誰も知らないだろう。
あのタレントのマッチじゃないぞ。
場所は錦糸町、ひかる邸の近所にその碑がある。
名門だが両国高校の敷地内に、道路に面した所に何気なく目立たない状態だ。
誰が何んの意味があって、何んの為に、わざわざ金を出し建てたのだろうか。
訳が解らない・・・
マッチコレクターで興味の有る人、校内に入らなくても自由に道路から見れ、写真も撮れる。
錦糸町駅前のトイレ、気持ちよく放尿していると、中学生の集団がザワザワ入って来た。
右隣の子が満杯なのか、あせりにあせった挙句、ギャーと声を張り上げ「思いっきり、チャックに挟んだ、擦り剥けたよー」と・
左隣の大き目の子が、声変わりしたのか、低いトーンで、訳の分からない意味不明の歌を歌い出した。
「タマネギむ〜けた、皮剥けた〜、涙が出たよ〜、お父〜さん〜・・」
禿げ爺ジーは若い頃、皮の剥けた当時の喜びを思い出し、思い切りニタニタうなずいていた・
ジーさん、あんたは変態か?!・

明美とひかるは高校時代からの友達で、郷里の会合などで時々会い、クラス会などでも二人は永遠の恋人同士だ、と言い合い、周りからも羨ましがられる親しい友人関係であった。
年に一度の大勢の郷友会で、日曜昼間、一時頃からの飲み会。
舞台では郷土芸能や隠し芸など賑わう。
友人等の席を回り戻ってくると、四時頃だったか、明美が待っていたかの如く、腕にしがみつき、懇願する眼差し。
私、今マルバイ(ノーパン)なの。スースーして風邪引きそう・・と言う。
バカ、昼間っから誘って、どういう積もりだ! と言うと、あら 色気感じるの?
と茶目っ気たっぷりな会話。二人は何時も孫の自慢話だらけ。
話を聞くと、ビールを飲みトイレへ行くが並んでいる。
こらえて我慢、急いでパンツを下ろし、バッシャーと行ったそうだが、ふたのまま、ストッキングを伝わり小水がかかとまで濡れたそうだ。
しかたないのでパンツを脱ぎ捨てた。だからノーパンだとの事。
あんた男でズボンだし、裏返しにするから、パンツ頂戴、と縋り付いての懇願。
帰り、スカート姿で駅の階段上下は出来ないとの事。
こう言う時こそ男にならなければ、と略奪されてしまった。
明美!もし蓋が割れ、お姫ちゃんが挟まれたらただ事では済まないぞ。
内鍵をかけられ、ギャーギャー騒がれたら救急車どころか、レスキュー隊だぞ!
翌日電話、パンツは後日のり付けアイロンをかけ返しますと。
バカ! 記念にやるよ、と言ってやった。
翌年末、明美はガンであっけなく他界した。
記念のアイロンパンツ履いてあの世へ行ったのかな・
合掌・・・

1207 画

マッチ発祥.jpg

マッチ発祥の地。

1206 「ん」


この島では鳥のフクローの事を、ボイサと言う。
なんでこのような呼びかたになったか、まったく訳が分からない。
また、本土では「ん」から始まる言葉や単語は、数少ないと思うが、この島では、けっこう「ん」から始まる言葉や単語がある。
姉さんの事は、「んーな」と呼び、末娘は、んぼま、と呼ぶ。
貝類でも「ん」から始まる末娘と同じ「んぼま」なる名称あり。
木や草にも「ん」から始まる「んーまに」や「んがな」など。
他にも、んーがま、んげせ、など日本の言語学では理解しづらい言葉が数多く残っている。
この島には、言語学者なる者が一歩たりとも足を踏み入れた形跡がない。
30年前に、早稲田大学の調査隊が出した調査報告を見ると、生活様式や行事などを書いてあるが、肝心な言葉に関する調査が欠落している。
昔の言葉を知る人は数少なく、空前の灯だ。
言語学者がいるとすれば、なんとか今の内なら間に合うかもしれない。南の島々の言語を調査すると、日本語と合い通じる、何かが見つかるのではないだろうか。
訳のわからない方言は他にも、出てくる。
お線香の事をこの島では、ハウと言う。
すぐ目の前の石垣島や竹富島、西表島などでも、この呼び方はないようだ。
だいたいが、クーと言うか、それが訛ったような呼び方のようだ。
それは、たぶん香から来ているのだろう。
しかし、なんでこの島だけ、ハウなのか、まったく訳が分からない。
お線香は、火をつけるのにマッチが必需品だ。
墓参へ出かける時、よく確認された。
忘れ物はないか・・・
ハウ、マッチ・・
どこかで聞いたような気がするな・・
石垣島唯一のマクドナルド、あまりの暑さにふらりと入ると女高生が6人二つのテーブルに陣取り、けたたましい声ではしゃいでいた。
スカートであぐら、片ひざ立てている子もおり、上品とは思えないが、制服からひかるの出た高校でないのに一安心。
沖縄人はよく「行くさ〜」「行くね〜」「行くば〜」と言うようにさ〜ね〜ば〜を語尾に付ける場合がおおい。
女高生の会話・明菜が哲也にレター出したば〜 どうなったば〜 フラば〜よと語尾にば〜付けでしゃべっている。
隣の子が携帯の写真を見せられ、ガハハーと高笑いの後 超ば〜 っと言う。
何を言っているのか訳が分らない。ズーズー弁ならぬばーばー弁だ。
卒業後本土ヘ行くだろうが、まともに会話出来るのだろうか。
おい 女高生! いつからばーばーに成ったのだ。

1205 イケメン


島には、全く理解出来ない言葉がある。
行け、という表現は、パリ、と言う。
日本国広し、島の数は、多くあると思うが、行け、という言葉をパリ、と表現する地区ないであろう。
フランスのパリ、がどのような意味を持っているのか知っている方は、教えてもらいたい。
仮に行け、あるいは、目指す、というような意味が、パリに込められているとしたら、それは大変なことだ。
方言が、フランスと関係あるという事になる。
歴史的にフランスとは無関係としか思えない島た。
イケメンの事を方言でいうと、パリメンだ。
パリパリの新入社員という言葉があるが、それは、行け行けの新入社員。
イケメンは当然、パリメンだ。
イケイケメンは、方言でパリパリメン。
ところで貴方は、パリパリメンかな??

2024年06月19日

1098 テルビ


親に隠れ、おじいちゃんの位牌に線香をあげる、中学1年生の息子を感じた時、一人旅は、無駄ではなかった。
学校では学べない、大事な事を南の小さな島で、学んで来たな、と。
おじいちゃんも、孫と1カ月間、同居出来、天国へのなによりのお土産だった事でしょう。
ひかるの父は、島で生まれ育ち、島から出た事がありません。
勿論、テレビなんて物は見た事もなく、何度言い聞かせても、テレビの発音が出来なく、テルビ、テルビと、言っていました。
役場や農協の窓口の事務員を捕まえ、息子が東京で、テルビをやっている、といつもの自慢話。
遠い田舎の事です。テレビの組立配線工として働いているのだろうとしか、思わなかった事でしょう。
帰郷の際、早速農協や色々な所へ連れて行かれ、東京でテレビの番組を作り、全国へ放送しているんだ、と話したら、驚かれたのも当然。
更に、自慢話にハクが付きました。
子供達との同居をかたくなに拒み続けた父も、孫から要望され、上京を決意。
島を引き上げる前、夏休みに、家族全員で会う事を約束。
4月に他界した時、通帳に孫二人分、10万円ずつの飛行機代が用意されていました。
島のこの家で、家族そろって過ごす日、指折り数え待っていたのです。
夏休み迄には、まだ間があるのに・・
孫達には、お金に変えられない、おじいちゃんの気持ちが伝わったのは言うまでもありません。
父が必死で守り続けたこの家で、家族全員泊まる日、小さな夢、小さな幸せを、叶えさせてやりたかった。

 1097 恐怖の体験


ひかるの息子、光一が、小学校6年生の夏休み。自然との触れ合いや冒険を体験させる、良いチャンスと、島のおじいちゃんの所へ、一カ月間、一人旅をさせました。
12歳で飛行機や船を乗り継ぎ、2000キロも離れた島への一人旅、不安だった事だろう。
島へ着いた夜9時頃、息子からの電話。
「おじいちゃんが、寄り合に行き、一人でいるけど、オバケが出るよ! 怖いよー、今すぐ帰りたいよー」と、泣きべそ。
無理もありません。周りは家もなく、静寂そのもの。
時期的に、コウモリの大好物な、防風林の福木の実が熟し、暗闇の上空を奇妙な声で行き交っており、遠くに聞こえる、フクロウの泣き声も、都会で育った子供には、恐怖の体験でしょう。
その家は、お父さんの育った家だし、オバケなんか出ない、男の子が、1カ月間の約束を破るな、と諭しました。
息子は畑仕事や牧場を手伝い、漁へも同行。
腰痛で、50メートルごとに立ち止まるおじいちゃんが、海へ入ると、もの凄いスピードで泳ぎ、素潜りで魚を取って来る姿に、驚いたとの事。
おじいちゃんの腰痛を見かね、初めての料理、目玉焼きを作ると、事のほか喜ばれ、失敗しながら何度か作るうち、うまく作れるようになったとの事でした。
無事、1ヶ月が過ぎ、黒々と日焼けして帰って来ると、早速お風呂へ入ろうとの誘い。
ひかるの足を点検、傷跡を見つけると、あったあったとはしゃぎ、ひかるが怪我した時の様子をおじいちゃんに聞かされ、確認したかったとの事。
おじいちゃん、本当の事を教えてくれたんだね・・と。
この際、ほかの傷跡も、一つ一つ教えてやりました。
この傷は、漂流した飛行機の残骸を解体中につけた傷だ。
この傷は、自転車の発電機で、風力発電をしようと、木の上へ取り付ける時、おっこってつけた傷だ。
この爪は、水中鉄砲を作る時、留め金が外れ、潰したんだ。
など、教えると、興味深げに、目を白黒。
小さな手で、傷跡をさすり、「痛かった?」 と見上げる瞳は、輝いておりました。
そして夕食時、お父さんに意見がある、島のおじいちゃん、一人で生活するのは無理だよ、家に引き取ってくれ、と言われた時は、一人旅をさせてよかった、逞しく育ったなあ、と感心させられました。
翌年、同居の段取りを進めている最中、おじいちゃんは亡くなったのです。
孫の見る目は正しかった。

1096 別れ


昭和63年4月、父危篤の報に、急ぎ帰郷。
しかし、父と会えたのは、息を引き取ってから既に15時間が過ぎていました。
ひかるがきっとテレビを運んで来ると、ひかるの作ったテレビが見られる日を、生涯の楽しみにしていた父は、突然心筋梗塞に襲われ、79歳で帰らぬ人となりました。
ひとつ屋根の下で住みたかったのに・・
許してくれ!
少年の夢を見守ってくれて、
有難う・・
有難う・・
冷たくなった父を抱きしめ、何度も何度も呟きました。
お互い死に水は取れないと、覚悟の上とは言え、何の反応もしなくなった父の姿に、「親不孝な息子だったのか」、最後に一言答えて欲しかった。
15時間も経過しており、ゆっくり対面している間もありません。
喪主としての段取りや、弔問客との応対、時は目まぐるしく過ぎ、仏事での貸切船や船頭への式たり等、長老の皆さんに教わり、石垣島から黒島の墓へ無事納骨。
島の家で、位牌となった父と二人っ切りになった時、親子でありながら、生涯に交わした会話の、余りにも少なかった事を、しみじみ感じさせられました。
振り返ってみると、中学時代は、一家を襲った試練に、両親が必死で立ち向かい、高校は石垣島での下宿生活、卒業と同時に上京。
親子が一緒に生活する期間が、余りにも少なかったのでした。
父は島を離れられず、息子は、夢を追い続けるしかなく、別々の道を歩むしかなかった。
親子の絆のあり方、人生は、これしかなかった、と自分に言い聞かせるしかありませんでした。
もっと、たくさん話し合いたかったのに・・こんな親子関係で終わりたくなかったのに・・今となっては仕方がありません。
父は周りの人達が島を引き上げる中、目の前に広がる海を味方とし、自分には、太平洋という、大きな畑がある。
海がある限り魚は獲れる、決して飢える事は無い、と言っていました。
この海は、息子や娘のいる、東京まで続いているんだ、といつまでも浜に佇み、語りかけていたとの事。
弔問客も途絶えた真夜中の三時、父の愛した海が懐かしく、浜へ出てみました。南国の夜空に、黙黒の大海原。
千古変わらぬ、さざ波の音。遥か彼方より漂う、潮の香りを体一杯吸い込み、別れの杯を交した、父の事を思い浮かべた時、満天の夜空に、白い歯でニッコリ笑う、日焼けした父の顔が、超特大パノラマ画面で映し出されました。
親父! 親父は世界で一番、素晴らしい親父だった。ひかるは、世界で一番幸せな男になったぞ! と言ってやりました。
必ず、両親の眠る墓に、テレビを届けてやる!親子の約束、必ず果たす迄頑張る、と心に誓い、位牌を胸に、島を後にした。
テレビを待つ、島の子供達や、お年寄達がいる。
・・ロマン旅 いつまで続く また歩く・・。
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