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2009-10　リーガ・エスパニョーラ　第13節
エスパニョール × ラシン・サンタンデール
スコア：0-4
2009年12月6日　エスタディ・コルネジャ＝エル・プラット　観客数：18,000

中村俊輔は途中出場


エスパニョールのスタメン(4-2-3-1)

GK： イドリス・カルロス・カメニ
4： イバン・ピジュ　ニコラス・パレハ　ビクトル・ルイス　フランシスコ・ハビエル・チカ
2： フアン・フォルリン　ラウル・バエナ
3： ベン・サハル　ルイス・ガルシア　コロ
1： ホセ・カジェホン
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SUB： クリスティアン・ダリオ・アルバレス(GK)
中村俊輔　イバン・アロンソ　ラウル・タムード
ハビ・マルケス　ジョアン・ベルドゥ　アンヘル・マルティネス
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監督： マウリシオ・ポチェッティーノ

ラシン・サンタンデールのスタメン(4-2-3-1)

GK： トーニョ・マルティネス
4： ナシーフ・モーリス　マルク・トレホン　エンリケ・アドリアーノ・ブス　クリスティアン・フェルナンデス
2： フアン・フォルリン　ラウル・バエナ
3： ペドロ・ムニティス　セルヒオ・カナレス　オスカル・セラーノ
1： モハメド・チテ
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SUB： ミゲル・ピント（GK）　パウロ・ガルセス（GK）
オリオル・ロサーノ　ルイス・ガルシア　マヌエル・アラナ
アレクサンドレ・ヘイホ　パパクリ・ディオプ　ホセ・モラトン
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監督： ミゲル・アンヘル・ポルトゥガル




エスパニョールは3連敗中。そのためのショック療法なのか、中心選手のベルドゥやタムードが控えメンバーに。中村もベンチスタートです。対するラシンも絶不調で4連敗中。リーグ戦はここまで1勝しかできていません。
前節終了時点の順位は、エスパニョールが11位、ラシンは降格圏の19位。連敗地獄から脱出するためにも、互いに負けられない一戦となりました。


前半

ラシンのキックオフで開始。

立ち上がりはラシンがボールをキープする時間が続きますが、エスパニョールが積極的にプレスをかけ、ラシンを自由にさせません。

2分：[エスパ]　中盤でボールを奪ったエスパニョールが速攻。右サイドのルイス・ガルシアから中央のラウル・バエナにボールが渡りますが、シュートは打てません。
5分：[ラシン]　左サイドバックのナシーフ・モーリスが駆け上がりクロス。これはエスパニョールDFがクリア。

6分：[エスパ]　ベン・サハルが左サイドを突破し中央へ折り返し。ゴール前のルイス・ガルシアは触れませんが、クリアボールをラウル・バエナがミドルシュート。エスパニョールDFに当たってCK。
6分：[エスパ]　エスパニョールのCK。GKマルティネスのクリアボールをラウル・バエナが再びミドルシュート。バエナの積極性が目を引きます。

8分：[ラシン]　左サイドを駆け上がったオスカル・セラーノのクロスにムニティスがシュート。
11分：[エスパ]　ロングパスにカジェホンが抜け出し、ゴール正面でシュート。ビッグチャンスでしたがGKがファインセーブ。
14分：[ラシン]　カナレスが倒されてFK。メフディ・ラセンのクロスにナシーフ・モーリスがヘディングシュート。ここはGKカメニが片手でクリア。

20分が経過。ここまではエスパニョールが主導権を握っている展開です。

21分： シーズン開幕前に急逝した背番号21ダニエル・ハルケへの追悼の拍手。1分間続くこの拍手は、コルネジャでは当たり前の光景となっています。

22分：[ラシン]　ゴンサロ・コルサの落としたボールをセルヒオ・カナレスがミドルシュート。
26分：[ラシン]　カナレスが左足アウトで浮かせた柔らかいパスをチテに送りますがオフサイド。

28分：[ラシン]　自陣からのロングボールに反応したモハメド・チテがシュート。CKを獲得。ショートコーナーからカナレスが素晴らしいクロスを上げましたが、GKカメニが好セーブです。
31分：[ラシン]　後方からのボールをカナレスが難しい体勢から左足でボレー気味のスルーパス。反応したオスカル・セラーノがわずかにオフサイドでした。

33分：[ラシン]　エスパニョールのピジュがボールロスト。それを拾ったメフディ・ラセンが中央のカナレスへパス。カナレスが絶妙なタメを作って追い越して行くチテへスルーパス。ここは飛び出したGKカメニがファインセーブです。
38分：[ラシン]　中央のカナレスから左サイドを駆け上がったオスカル・セラーノへスルーパスが通り、ゴール前へ折り返し。ここは誰にも合わせられず。

45分：[ラシン]　ムニティスの縦パスに反応したチテが敵陣右サイド深くでキープ。フォローに行ったコルサへパスが通ると、バイタルでフリーとなったカナレスへパス。これを絶妙なトラップで収めたカナレスが放ったシュートはDFがブロック。
こぼれ球を拾ったムニティスがゴール正面のチテへパス。チテの目前にはGKすらいない完全フリーでしたが、斜め後方から来たニコラス・パレハのスライディングが目に入ったのか、絶好機を外してしまいました。

前半終了。スコアレスでしたが、両チームの順位を忘れてしまう、見応える前半でした。前半の前半はエスパニョール。以降はラシンのペースという展開。25分過ぎあたりからレフティのカナレスがセンスと存在感を発揮し始めました。


後半

両チーム選手交代はありません。


47分：[ラシン]　ムニティスが倒されてFK。30mくらいの距離がありましたが、カナレスの質が高いクロスにエンリケがヘッドで合わせてラシンが先制します。

49分：[エスパ]　ゴール前でロングパスを受けたカジェホンが2人のDFに挟まれながらも前を向いて仕掛けましたが、シュートまで行けず。


52分：[ラシン]　カナレスがエリア内でムニティスのパスを右足でトラップし、反転して左足でシュート。ゴール右隅に確実に流し込み、大きな追加点です。

52分：[エスパ]　選手交代。バエナOUT、イバン・アロンソIN。ルイス・ガルシアOUT、中村俊輔IN。中村はバエナのポジションに入っています。
53分：[エスパ]　右サイド・タッチライン際でFKを獲得。キッカーは中村。良いボールをゴール前に送りましたが、ラシンDFにクリアされます。

55分：[エスパ]　中村のロングパスをペナルティアーク付近でイバン・アロンソが頭で落とす。ゴール前のベン・サハルに合いません。

62分：[ラシン]　選手交代。モーリスOUT、オリオル・ロサーノIN。
62分：[エスパ]　選手交代。ベン・サハルOUT、ラウル・タムードIN。チームの象徴的な存在のタムードに、サポーターから大きな声援が送られます。

先ほど入った中村はピボーテのポジションでプレー。もう少しゴールに近いところでプレーできれば面白いのですが。


66分：[ラシン]　イバン・ピジュがエリア内でオスカル・セラーノを倒してしまいPK。キッカーのチテはGKカメニの逆をついて確実に決めます。3点差にがっかりしたエスパニョール・サポーターが、続々と帰り始めました。

71分：[ラシン]　4点目が入りました。中央でゴンサロ・コルサが左サイドのオスカル・セラーノへロングパス。ドリブルで駆け上がったオスカル・セラーノはゴール前のカナレスへ折り返すと、これをカナレスが確実に決めました。エスパニョールのCBの集中力が切れていたようにも見える失点の仕方です。

72分：[ラシン]　選手交代。カナレスOUT、ルイス・ガルシアIN。

エスパニョールは全体的に集中が切れ始めているよう。味方がボールを持ってもフォローに行かず、出し手が受け手を探してしまう場面が見られます。

77分：[エスパ]　ゴールまで約20mの距離でFK。中村が蹴れば得点の可能性を感じる位置ですが、キッカーはイバン・アロンソ。低い弾道のボールはGKがキャッチします。中村の得意な位置でしたから、強引にでも蹴ってほしかったシーンでした。

79分：[ラシン]　選手交代。オスカル・セラーノOUT、マヌエル・アラナIN。
87分：[ラシン]　GKカメニのパスミスを奪ったチテをビクトル・ルイスが倒してファイル。良い位置でのFKを獲得。ルイス・ガルシアの蹴ったボールは壁に当たります。

89分：[エスパ]　コロが倒され、ゴール前約30mでFKを獲得。イバン・アロンソの蹴ったボールはクリアされますが、クリアボールを拾った中村がペナルティエリア内のタムードへ左足アウトでダイレクトパス。良いボールでしたがタムードはシュートできず。

90分経過。追加タイムは2分でしたが、とくに目立った攻撃もなく試合終了。降格圏のラシンにまさかの4失点大敗でサポーターは大ブーイングです。といっても帰ってしまった人が大半で、残っていたのは少数でしたが・・・。

一方ラシンは4試合無得点の4連敗から一転して大勝。カナレスは2得点1アシストですが、それ以外にもいくつものチャンスを演出し、ちょっとした”カナレス祭り”みたいな感じでした。



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得点

47分　エンリケ・アドリアーノ・ブス(ラシン・サンタンデール)
52分　セルヒオ・カナレス(ラシン・サンタンデール)
68分　モハメド・チテ(ラシン・サンタンデール)
72分　セルヒオ・カナレス(ラシン・サンタンデール)

試合を終えて・・・

当時はちょうどカナレスが注目を浴び始めたころ。パスでもシュートでもとにかく非凡なセンスを感じるプレーと甘いルックスに、ちょっとしたスター性を感じました。
この翌シーズンにレアル・マドリードへ移籍するも上手くいかず。その後は怪我にも悩まされ、完全復活できないまま25歳に。このままスター候補生で終わってしまうには、ちょっと惜しい選手なんですが・・・。

中村俊輔はエスパニョールでフィットできず、翌年2月にJリーグ復帰となります。技術的な面は問題なかったですし、「通用しなかった」というよりはポチェッティーノ監督が言うように「適応できなかった」のかもしれません。
エスパニョールでは、ほとんど彼の良さは出せませんでしたね。