麻生祇 燐 の オカルトコレクション

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落ちていたものを持ち帰ると呪われる


〔場所〕北海道小樽市
〔出現時間帯〕夜
〔霊タイプ〕地縛霊
〔姿形〕人型
〔目撃情報等〕
北海道小樽市には、とある病院の廃墟があり、幽霊が棲んでいると噂されていた。夜中に誰も居ない手術室でカチャカチャと器具の触れ合う音がしたり、廊下を歩き回る足音が聞こえたり…。さらに、病院に残されていたカルテや注射器を持ち帰った人には、不気味な事が起きた。真夜中、もう使われていないはずの病院の番号から電話が掛かってきて、「返してください」と一言。それでも返さずにいると電話は毎晩掛かってきて、最後には家のドアが激しく叩かれ、恐ろしい顔の幽霊が飛び込んでくるというのだ！

猛スピードで追ってくる上半身だけの女幽霊


〔場所〕全国各地
〔出現時間帯〕一日中
〔霊タイプ〕怨霊
〔姿形〕女性型
〔目撃情報等〕
Ｇ君は必死に逃げている。いつものように、踏切の近くを通って下校していると、下半身のない女がもの凄い速さで追い掛けてきたからだ。しかも、体を引きずり、「テケテケ」という不気味な声を出しながら…「ハアハア、追い払う呪文があったんだよな…何だっけ…ダメだ、分からない…うわーっ！」　テケテケが、逃げるＧ君の両足を掴んだ。もうダメだ、そう思った瞬間だった。「思い出した！ 地獄に帰れ！」　Ｇ君は道路で気を失っていたらしく、目を覚ますと、家のベッドに居た。その日から、学校ではテケテケが出たと大騒ぎ。でも、騒ぐのは止めよう。テケテケは、噂話をしたその人の元に現れるのだから。呪文を知らなければ、両足をもぎ取られて殺されちゃうんだ。君も気をつけてね。

「キレイだよ」と答えてはいけない


〔場所〕全国各地
〔出現時間帯〕夕方
〔霊タイプ〕怨霊
〔姿形〕女性型
〔目撃情報等〕
ある日のこと、Ｆちゃんはクラスの友達と一緒に、学校から家に帰ろうとしていた。夕焼けを見ながら通学路を歩いていると、ふと目の前に、夕焼けよりも鮮やかな赤いコートを着た背の高い女の人が立っている。「ワタシ…キレイ？」　女はそう尋ねてきたが、顔は大きなマスクで覆われている。とまどいながらも、Ｆちゃんは「うん、キレイだよ。」と答えた。すると、その女は「コレデモ？」と言ってマスクを外した。その下から出てきたのは、耳までザックリと開いた恐ろしい口。Ｆちゃんが悲鳴をあげて、目をつむったそのとき、一緒に居た男の子が「ポマード、ポマード、ポマード！」と叫んだ。おそるおそるＦちゃんが目を開けると、女の姿は消えていた。男の子が唱えたのは、恐ろしい「口裂け女」を退治する呪文だったのだ。

緑色のガードレールを見つけたら


〔場所〕愛媛県八幡浜市
〔出現時間帯〕一日中
〔霊タイプ〕物質霊
〔姿形〕集合体型
〔目撃情報等〕
ガードレールと言えば、イメージは白。実際に白いガードレールが最も多いのだが、愛媛県八幡浜市栗野浦には緑色のガードレールがある。現場は人気のキャンプ場へと続く道。途中まで白いガードレールが続いているのが、右に曲がると突然緑色に変わるのだ。昔この辺りで交通事故があり、重症を負った人が助けを求めてガードレールを伝って歩いたが、力尽きて亡くなったという。その事故以来、何度ペンキを塗り直しても血の色で染めたような赤が浮き出してくるため、目立たない緑に塗られたそうだ。

夕暮れの公園でかすれた声をふり絞る


〔場所〕群馬県前橋市
〔出現時間帯〕夕方
〔霊タイプ〕怨霊
〔姿形〕女性型
〔目撃情報等〕
今から40年ほど前、群馬県前橋市のＳ公園で、女の幽霊が盛んに目撃された時期があった。ある男性の証言によると、「当時、私は高校生で、Ｓ公園を夕方に散歩するのが日課でした。ある日、いつものように公園を歩いていると、木の下で苦しげな顔の女性がジッとこちらを見ていて、目が合うと『苦しい 見つけて』と、かすれた声で訴えかけてきたんです。異様な雰囲気に背筋が凍って動けずにいたら、いつの間にかその人は消えていました。」　この女性の霊は、同じ時期に起きた事件の被害者ではないかと考えられている。

女幽霊に出会った男性の話には続きがある。霊を見た数日後、当時群馬県で起きていた連続殺人事件の被害者女性の死体が、Ｈ山の麓で発見されたのだ。そのとき新聞に載っていた女性の写真が、まさにこの夕方、Ｓ公園で見た女の幽霊にそっくりだったという。「今から思えば、埋められたままの自分を、早く見つけて欲しかったんでしょうね。」と、男性は当時の事を振り返る。


人間の霊は、心や気持ちを表す「魂」と、死体や骨を表す「魄」（はく）の二つで一つのセット（合わせて「魂魄」と呼ぶ）になっているという考え方がある。被害者の女性の場合、Ｈ山に埋められた死体が「魄」で、自分を見つけて欲しいと思い、公園を彷徨っていたのが「魂」だ。死体が発見された後は、犯人が全ての犯行を認め、被害者の女性たちを祀る観音菩薩像が作られた。それからは、Ｓ公園での霊の目撃談はパッタリとなくなったという。これは、魂魄の両方がセットで、安らかな状態で成仏したという証拠だろう。

深夜の長電話には要注意


〔場所〕愛媛県松山市
〔出現時間帯〕深夜
〔霊タイプ〕地縛霊、怨霊
〔姿形〕女性型
〔目撃情報等〕
松山市のある電話ボックスの傍で、教会のシスターが殺される事件があったという。長電話を注意された男が、激怒してシスターをナイフで刺したそうだ。そのシスターらしき霊を見た人の話によると、「前に携帯電話が故障して、深夜2時頃に電話ボックスから友達に電話を掛けたんですよ。しばらく話していて、ふと後ろを振り返ったら、血まみれの女が立ってたんです。事故で怪我したのかと思って電話ボックスを出たら、もう居なくて…。これは幽霊だ！と思ってゾッとしました。」
彼女の霊を怒らせないように、深夜の長電話はほどほどにしておこう。

ふと振り返るとシワシワの不気味な顔が！


〔場所〕岡山県倉敷市
〔出現時間帯〕夜
〔霊タイプ〕地縛霊
〔姿形〕老人型
〔目撃情報等〕
岡山から倉敷へ、瀬戸内海に沿って走る国道二号線には、「幽霊カーブ」と呼ばれる場所がある。霊の目撃者によると、「夜中にバイクで走っていたとき、幽霊カーブを曲がろうとして、少しスピードを落としたんです。そうしたらドスンと背中に何かが飛びついてきて、肩ごしに見ると、シワシワのお婆さんがしがみついているじゃないですか。すっごく驚いて転んでしまいましたが、幸い大怪我にはならず、でも、もう二度とあそこは通りたくありません。」
老婆の正体はよく分かっていないが、バイク事故の被害者の霊なのだろうか。

にぎやかな大通りに残る悲しい記憶


〔場所〕大阪府大阪市
〔出現時間帯〕一日中
〔霊タイプ〕地縛霊
〔姿形〕女性型
〔目撃情報等〕
大阪市中央区、にぎやかな千日前通り。数十年前、ここに建つ千日デパートで火事が起き、118名もの犠牲者が出た。中には火から逃れようと、窓から飛び降りて亡くなった人もいるという。それ以来、この近くで幽霊の目撃談は絶えない。ある目撃者は語る。「夜中、交差点のどこかに女が立ってるんや。青になっても渡らんから気になって、振り返ったら消えとった！」
また、着物姿の霊を見たという人もいる。実はこの通りは、江戸時代に処刑場があった場所。犠牲者の無念に誘われ、古い時代の霊も姿を現すのかもしれない。

無念の死をとげた母と子の幽霊か？


〔場所〕愛知県名古屋市
〔出現時間帯〕夜
〔霊タイプ〕地縛霊、怨霊
〔姿形〕人型
〔目撃情報等〕
愛知県名古屋市のＫ神社の西側には尼ヶ坂、北川には坊ヶ坂と呼ばれる坂がある。昔、権現小町という村娘が武士と恋に落ち男の子を産んだが、身分の違いによって別れさせられた。出家して尼になった女はある夜、神社西側の坂の杉で首を吊り、残された子は母を捜し歩き、北側の坂で力尽きて死んだという。これが尼ヶ坂、坊ヶ坂の名前の由来だ。二つの坂では、夜になると暗闇に赤い目が浮かんだり、首つりの縄と村娘の霊が現れたりするという。無念の思いを残して死んでいった母子の冥福を祈りたい。

霊の仕業か？ 車のトラブルが続発


〔場所〕愛知県名古屋市
〔出現時間帯〕一日中
〔霊タイプ〕地縛霊
〔姿形〕女性型
〔目撃情報等〕
愛知県名古屋市、市民のいこいの場として愛されるＨ公園。公園内の駐車場から大通りに向かう道では、30年ほど前のあるときから急に、交通事故が相次ぐようになった。ドライバーたちは、事故の直前に「白い女の影が目の前を横切った」「窓ガラスに手が張り付き、前が見えなくなった」などの不気味な体験をしたと語っている。調査によると、事故が増えたのとほぼ同じ時期に、公園近くの森で女性が自殺しているそうだ。彼女の霊がこの世を恨み、交通事故を起こしていたのかもしれない。今では、その道路は通行禁止になっている。