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2017年10月08日
「Mr.BOO!ミスター・ブー」感想
原題:半斤八両/THE PRIVATE EYES 制作:1976年/香港 日本公開:1979年2月3日
ストーリー
工場で、回収した空き瓶のストロー抜きを担当していた工員のキット(サミュエル・ホイ)
は、女子工員にいいところを見せようとふざけていたところを管理者に見つかりクビになっ
てしまう。次の仕事にありつこうとキットは、社長のウォン(マイケル・ホイ)と助手のチ
ョンボ(リッキー・ホイ)、そして秘書のジャッキー(テレサ・チュウ)と総員三名の小さ
な探偵事務所を訪れた。ウォンに追い返されそうになったが、得意のカンフーの腕前を見せ
たり、ウォンの財布を掏った男から財布を取り返すのに役だったため、採用されることにな
った。低賃金で浮気調査やローン支払滞納者の取り立て、スーパーの万引き犯の確保などウ
ォンやチョンボと組んで依頼された案件をこなしていくが、ウォンとチョンボはどこか抜け
ていて、度々窮地に陥ることもあった。そんな中、ウォンとキットが映画館での爆弾騒ぎの
調査中に、偶然爆弾魔とは別の強盗団が押し入り、映画館を占領した。二人は二つの事件を
解決できるのか。
サモ・ハン・キンポーの映画で、邦題「燃えよデブゴン」がヒットした後、設定上何の繋
がりもないのにその後の邦題が「デブゴンシリーズ」にされていったり、「沈黙の艦隊」で
ブレイクしたスティーブン・セガール主演の映画の邦題がその後みんな「沈黙シリーズ」と
名付けられていたように、本作の邦題「ミスター・ブー」がヒットしたため、その後、マイ
ケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイのホイ三兄弟が出演する映画は「Mr.BOO!」
シリーズとして日本では公開されていきました。
1979年の日本公開順は、
2月「Mr.BOO!ミスター・ブー」
5月「Mr.BOO!インベーダー作戦」
12月「Mr.BOO!ギャンブル大将」
となっていますが、香港での制作順は
1974年「Mr.BOO!ギャンブル大将」
1976年「Mr.BOO!ミスター・ブー」
1978年「Mr.BOO!インベーダー作戦」
と異なっています。その後も劇場公開作や未公開でもビデオ・DVDで「Mr.BOO!」
シリーズは増えていきましたが、ウィキペディアによると、「ホンコン・フライド・ムービー
」から「新Mr.BOO!香港グワグワコケコッコ戦争」のように、全く別の邦題だったもの
が、近年改題されてシリーズに加わったものもあるようです。
逆にサミュエル・ホイ単独主演のヒット作「悪漢探偵」シリーズはなぜか全て別の作品のよ
うな邦題で劇場公開されました。また、第2作目と第5作目は劇場公開されず、ビデオ・DVD
発売のみでした。
第1作「悪漢探偵」
第3作「皇帝密使」
第4作「スペクターX」
今回は、マイケル・ホイ役の広川太一郎吹き替え版で見たかったので、日本語吹き替えで観ま
した。アドリブ満載の懐かしい吹き替えを堪能しました。
一方、サミュエル・ホイの吹き替えが最初の一言から声に凄い違和感を感じました。演技は
水準に達しているが声がサミュエル・ホイの容姿に全くあっていない。でも確かに聞き覚えの
がある声。もしやと思って声優を確認してみると、思ったとおりビートたけしでした。リッキ
ー・ホイの方の声はビートきよしが演じていましたが、こちらは演技と声に違和感がありませ
んでした。1回だけですが劇中、たけしのギャグ「コマネチ!」というキットのセリフがあり
ました。そして、秘書役のテレサ・チュウの吹き替えは当時「宇宙戦艦ヤマト」シリーズのヒ
ロイン森雪役で人気があった麻上洋子でした。
ウォンが乗っている車がボロボロのフォルクス・ワーゲンでした。前に感想を書いた「ファ
ール・プレイ」のゴールディ・ホーンも黄色のオープンカータイプのフォルクス・ワーゲンを
運転していました。サンフランシスコの海岸線を颯爽と走るワーゲンと、香港の町を走るボロ
ボロのワーゲンのギャップが凄かったです。こちらのワーゲンは運転に不慣れなキットが尾行
の為運転していたら色々な所にぶつけて遂にはスクラップにしてしまいました。
この作品は、ブルース・リーが亡くなってカンフーブームが下火になり、ジャッキー・チェ
ンがブレイクする前の間の時期、コメディ映画の人気が出て来たころの作品なので、この映画
のカンフーもギャグ要素が強いです。前半のウォンとスリの男との厨房での闘いは、ジョーズ
のフレーズとともにスリが鮫の顎の骨で、ウォンがヌンチャク替わりに振り回していたソーセ
ージを食い千切ります。また、キットと万引き男との闘いは五獣の拳を駆使する男を全く相手
にせずキットはブルース・リーのような素早いパンチで倒してしまいます。
「燃えよドラゴン」の敵のボス、ハンを演じたシー・キエンが、強盗団のボスをユーモラス
に演じています。
スリ財布を掏られた(実際には違ったが)ウォンが用心のために財布をゴム紐で服と繋いだ
ことが、強盗団が映画館で金品を観客から強奪する際に、仇になってウォンが窮地に陥る伏線
になっていたのには感心しました。
終盤、ウォンに愛想をつかして出ていったキットとチョンボ。それなのに、ケチなウォンの
下で長年勤めても一回も昇給がなかったのに残って事務所を守っていたジャッキーがけなげで
した。また、ラストのキット、チョンボとウォンの和解にもホロリとさせられました。
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ストーリー
工場で、回収した空き瓶のストロー抜きを担当していた工員のキット(サミュエル・ホイ)
は、女子工員にいいところを見せようとふざけていたところを管理者に見つかりクビになっ
てしまう。次の仕事にありつこうとキットは、社長のウォン(マイケル・ホイ)と助手のチ
ョンボ(リッキー・ホイ)、そして秘書のジャッキー(テレサ・チュウ)と総員三名の小さ
な探偵事務所を訪れた。ウォンに追い返されそうになったが、得意のカンフーの腕前を見せ
たり、ウォンの財布を掏った男から財布を取り返すのに役だったため、採用されることにな
った。低賃金で浮気調査やローン支払滞納者の取り立て、スーパーの万引き犯の確保などウ
ォンやチョンボと組んで依頼された案件をこなしていくが、ウォンとチョンボはどこか抜け
ていて、度々窮地に陥ることもあった。そんな中、ウォンとキットが映画館での爆弾騒ぎの
調査中に、偶然爆弾魔とは別の強盗団が押し入り、映画館を占領した。二人は二つの事件を
解決できるのか。
サモ・ハン・キンポーの映画で、邦題「燃えよデブゴン」がヒットした後、設定上何の繋
がりもないのにその後の邦題が「デブゴンシリーズ」にされていったり、「沈黙の艦隊」で
ブレイクしたスティーブン・セガール主演の映画の邦題がその後みんな「沈黙シリーズ」と
名付けられていたように、本作の邦題「ミスター・ブー」がヒットしたため、その後、マイ
ケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイのホイ三兄弟が出演する映画は「Mr.BOO!」
シリーズとして日本では公開されていきました。
1979年の日本公開順は、
2月「Mr.BOO!ミスター・ブー」
5月「Mr.BOO!インベーダー作戦」
12月「Mr.BOO!ギャンブル大将」
となっていますが、香港での制作順は
1974年「Mr.BOO!ギャンブル大将」
1976年「Mr.BOO!ミスター・ブー」
1978年「Mr.BOO!インベーダー作戦」
と異なっています。その後も劇場公開作や未公開でもビデオ・DVDで「Mr.BOO!」
シリーズは増えていきましたが、ウィキペディアによると、「ホンコン・フライド・ムービー
」から「新Mr.BOO!香港グワグワコケコッコ戦争」のように、全く別の邦題だったもの
が、近年改題されてシリーズに加わったものもあるようです。
逆にサミュエル・ホイ単独主演のヒット作「悪漢探偵」シリーズはなぜか全て別の作品のよ
うな邦題で劇場公開されました。また、第2作目と第5作目は劇場公開されず、ビデオ・DVD
発売のみでした。
第1作「悪漢探偵」
第3作「皇帝密使」
第4作「スペクターX」
今回は、マイケル・ホイ役の広川太一郎吹き替え版で見たかったので、日本語吹き替えで観ま
した。アドリブ満載の懐かしい吹き替えを堪能しました。
一方、サミュエル・ホイの吹き替えが最初の一言から声に凄い違和感を感じました。演技は
水準に達しているが声がサミュエル・ホイの容姿に全くあっていない。でも確かに聞き覚えの
がある声。もしやと思って声優を確認してみると、思ったとおりビートたけしでした。リッキ
ー・ホイの方の声はビートきよしが演じていましたが、こちらは演技と声に違和感がありませ
んでした。1回だけですが劇中、たけしのギャグ「コマネチ!」というキットのセリフがあり
ました。そして、秘書役のテレサ・チュウの吹き替えは当時「宇宙戦艦ヤマト」シリーズのヒ
ロイン森雪役で人気があった麻上洋子でした。
ウォンが乗っている車がボロボロのフォルクス・ワーゲンでした。前に感想を書いた「ファ
ール・プレイ」のゴールディ・ホーンも黄色のオープンカータイプのフォルクス・ワーゲンを
運転していました。サンフランシスコの海岸線を颯爽と走るワーゲンと、香港の町を走るボロ
ボロのワーゲンのギャップが凄かったです。こちらのワーゲンは運転に不慣れなキットが尾行
の為運転していたら色々な所にぶつけて遂にはスクラップにしてしまいました。
この作品は、ブルース・リーが亡くなってカンフーブームが下火になり、ジャッキー・チェ
ンがブレイクする前の間の時期、コメディ映画の人気が出て来たころの作品なので、この映画
のカンフーもギャグ要素が強いです。前半のウォンとスリの男との厨房での闘いは、ジョーズ
のフレーズとともにスリが鮫の顎の骨で、ウォンがヌンチャク替わりに振り回していたソーセ
ージを食い千切ります。また、キットと万引き男との闘いは五獣の拳を駆使する男を全く相手
にせずキットはブルース・リーのような素早いパンチで倒してしまいます。
「燃えよドラゴン」の敵のボス、ハンを演じたシー・キエンが、強盗団のボスをユーモラス
に演じています。
スリ財布を掏られた(実際には違ったが)ウォンが用心のために財布をゴム紐で服と繋いだ
ことが、強盗団が映画館で金品を観客から強奪する際に、仇になってウォンが窮地に陥る伏線
になっていたのには感心しました。
終盤、ウォンに愛想をつかして出ていったキットとチョンボ。それなのに、ケチなウォンの
下で長年勤めても一回も昇給がなかったのに残って事務所を守っていたジャッキーがけなげで
した。また、ラストのキット、チョンボとウォンの和解にもホロリとさせられました。
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