2018年04月16日
授乳中の乳製品は影響あり?
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乳製品は、カルシウムがたっぷりでたんぱく質も豊富に含む食品です。しかし、産婦人科などの母乳外来で、乳製品の摂取を控えるように指導されたママもいるかもしれませんね。そこで、授乳中に牛乳やチーズなどの乳製品を食べると母乳にどんな影響があるのか、どんな料理に注意が必要か、また豆乳などの類似製品は摂取してもいいのか、などについてご説明します。
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授乳中の牛乳やチーズなどの乳製品は母乳に影響するの?
授乳中は母乳を通じて赤ちゃんに栄養を与えるため、栄養不足になりがちです。そこで乳製品でカルシウムやたんぱく質などを手軽に摂取したいと考えるママも多いですよね。
一方で、「授乳中にママが牛乳を飲むと、おっぱいの出が悪くなる」「乳製品を食べると、乳腺炎の原因になる」という話を聞いて、不安になっている人も多いのではないでしょうか。
実際のところ、食事と母乳の質・量の関係については、まだ調査研究が十分にされていません。
乳腺炎についても、世界保健機関(WHO)は「高塩分・高脂肪の食事は乳腺炎の原因になるのではないかと考えられているが、明確な根拠があるわけではない」と言うにとどめています(※1)。また、母乳外来などでも、母乳の分泌に関して食事の指導をしていることもあります。
つまり、経験則としては食事と母乳には何らかの関係があるのではないか、と考えられているものの、牛乳やチーズなどの乳製品が母乳にどんな影響を与えるかは、はっきりわからないというのが現状です。
十分な量の母乳が出ていて、赤ちゃんがきちんと母乳を飲んで順調に成長しているのであれば、乳製品の摂取による影響を気にしすぎる必要はありません。
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授乳中に注意したい乳製品とは?牛乳やチーズは?
乳製品とは、動物、特に牛の乳を加工して製造された製品を指します。牛乳やクリーム、練乳といった液状の製品のほか、バターやチーズ、アイスクリーム、粉乳などの固形の製品に大きく分かれます。
先述のとおり、乳製品と母乳の質・量との関係はまだ明らかになっていませんが、次に挙げるような糖分や塩分、脂肪分が多いものは食べすぎに注意しましょう。
加糖タイプのヨーグルト
「ヨーグルトは糖分や脂肪分が少なくて体に良い」と考えがちですが、加糖タイプのヨーグルトを食べすぎないように気をつけてくださいね。授乳中のママには、無糖タイプのプレーンヨーグルトがおすすめです。
生クリームやバター、チーズを含む料理
乳製品の中でも、生クリームやバター、チーズは特に脂肪分が多い食品です。
市販の洋菓子や洋食などにたくさん使われていることもあるので、おやつや外食などで知らず知らずのうちに食べすぎてしまわないよう、注意してくださいね。
・プリン
・アイスクリーム
・生クリームを使ったショートケーキなどの洋菓子
・バターたっぷりのバタークリームケーキなどの洋菓子
・チーズたっぷりのグラタンやピザなどの洋食
・生クリームたっぷりのクリームパスタなどの洋食
授乳中に牛乳を飲むと赤ちゃんがアレルギーになるの?
赤ちゃんが食物アレルギーになる原因物質(アレルゲン)の代表的なものとして、卵と小麦のほかに牛乳が挙げられます。
「授乳中に母親が牛乳を飲んでいると、赤ちゃんが牛乳アレルギーになる」という噂を聞き、制限するママもいるようですが、これには医学的根拠がありません(※2)。
また、厚生労働省や日本小児アレルギー学会も、授乳中のママがアレルゲン物質を含む食事の制限をすることを推奨しておらず、偏った食生活をしないよう提言しています(※3,4)。
もちろん、ママ自身に牛乳アレルギーがある場合は、授乳中も牛乳を飲むのを控えてください。
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授乳中に豆乳は飲んでもいいの?
授乳中に牛乳が飲めないのであれば、牛乳に味が似た豆乳を飲もうと考える人もいるのではないでしょうか。
豆乳は牛乳に比べてカロリーが低く、たんぱく質やマグネシウム、ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれているので、授乳中もおすすめの飲み物です。料理にも、牛乳の代わりに上手に活用してみてくださいね。
ただし、ヘルシーな豆乳も適量を飲むことが大切です。厚生労働省の食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全な摂取目安量を1日あたり70〜75mgとしています(※5)。
豆腐や味噌など、豆乳以外の大豆製品にも大豆イソフラボンが含まれることを考えると、授乳中に飲む豆乳はコップ約1杯分(200g)にとどめておきましょう。
なお、牛乳の脂肪分が気になる場合は、豆乳のほかに低脂肪や無脂肪の牛乳を選ぶのもいいですね。
授乳中は乳製品を適度に摂りましょう
母乳で赤ちゃんを育てていると、乳製品に限らず様々な食べ物による影響が気になってしまうもの。
しかし、母乳への影響を心配しすぎて特定の食品を避けてしまうと、栄養に偏りが生じてしまう可能性があります。1日の食事全体の栄養バランスを考えながら、適度に乳製品を摂りましょう。
乳製品は色々な料理に使われているので、食べないように意識しすぎるとストレスが溜まってしまいます。ママのおっぱいと赤ちゃんの様子をみながら、適度に乳製品と付き合っていけるといいですね。
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※1 WHO「Mastitis:Causes and Management」p.12
※2 南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』pp.192-193
※3 厚生労働省『厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き 2014』p.16
※4 日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会「食物アレルギー診療ガイドライン 2012ダイジェスト版」第11章 食物アレルギーの発症と予知と予防
※5 食品安全委員会『大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方』p.45
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