2015年02月15日
日本代表の後任候補、ルチアーノ・スパッレッティ、日本代表を率いた場合どんなチームを作るのかを予想
ハビエル・アギーレ監督の解任以来、
日本代表の後任候補の報道は連日メディアを賑わせているます。
そこで今回は有力候補と見られているルチアーノ・スパッレッティについて、
スパレッティのキャリアと戦術、
さらに日本代表を率いた場合どんなチームを作るのかを予想しましょう。
1959年3月生まれのスパレッティは、
34歳の時にエンポリで現役を引退すると、
そのまま監督に転身してチームの指揮を執ります。
当時3部だったエンポリを2部へと昇格させ、
監督キャリアは順調に滑り出したと思われましたが、
「下積み」はその後に訪れます。
地方クラブを任されるも、
努力が実を結ぶのを待ってもらえずクビを宣告されることを繰り返したのです。
1999-00シーズンのヴェネツィア(名波浩が在籍していた)では、
1シーズンのうちに2度解任される屈辱を味わっています。
セリエAでの実績がなかった当時、
「卓越した理論を持ちながらも実践ができない未熟な監督」
と見られていました。
転機が訪れたのはウディネーゼの監督に2度目の就任をした2002年でした。
アルベルト・ザッケローニ、
フランチェスコ・グイドリンが育てたチームを受け継いだ彼は、
見事に結果を出しました。
ウディネーゼは地方クラブでありながらもスカウティングと育成ではイタリア屈指の実力を誇ります。
育成上手なのは選手に限らず監督に対しても同様で、
早急な結果を求めず成長を期待してくれるこのクラブは彼に合っていました。
就任から3シーズンの成績は6位、7位、4位。
1997-98シーズン、
ザッケローニの下での3位には及ばなかったものの、
若手を育てながら結果を出す手腕は高く評価されました。
そして2005年夏に初めてのビッグクラブとなるローマの監督に就任します。
セリエA優勝には手が届かなかったものの、
3シーズン連続で2位となるなど、
財政難という不利を覆す好成績を残しています。
この時に称賛を集めたのが、
「ゼロトップ」という新たな戦術、
現在の「偽9番」の原型となるシステムです。
チームで最高のプレーヤーではありますが、
ケガでコンディションが安定しなかったフランチェスコ・トッティの長所を最大に引き出すために考案されたものです。
トッティが頻繁に中盤まで下がることで、
どこまでも彼をマークする相手DFをペナルティエリアから引きはがし、
そこに2列目、3列目のMFが飛び込んでいく流動的な攻撃スタイルを確立しました。
4-2-3-1の「3」にあたる2列目に据えられたのは、
マンシーニ、
シモーネ・ペロッタ、
ロドリゴ・タッデイといった選手たちです。
戦術理解に優れ、
精力的に動けるタイプですが、
決してワールドクラスではないのです。
彼らは守備のタスクもきっちりこなしながら、
ボールを奪うとすぐに反転してゴールに迫りました。
スパッレッティの「ゼロトップ」を機能させるカギは、
攻守の切り替えの早さ、
そして綿密な連動性でした。
監督としてのスパッレッティの特徴をもう一つ挙げるなら、
チームを強化する上で補強に頼ろうとしない点でしょう。
既存戦力と下部組織から引き上げた若手でチームを作り、
若手は育て、
ケガ人やベテランは復活させ、
それでも足りない部分だけを補強でカバーしようとします。
彼の指導者キャリアの重要な位置を占めるエンポリ、
ウディネーゼ、
ローマのいずれも育成を得意とするクラブであることは無関係ではないでしょう。
ローマを解任された後、
昨年3月まで4年半の長期政権を敷いたゼニトでも、
クラブが潤沢な資金を持っているにもかかわらず、
彼はフロントに補強をねだりはしませんでした。
さて、
スパッレッティが日本代表監督になった場合、
どんなチームを作るのでしょうか。
過去の実績から想像するしかないのですが、
戦力に合わせて柔軟な戦術を用いる彼が、
「日本人の特性を生かしたサッカー」
を採用することは間違いないでしょう。
ローマで見せていたような、
攻守の切り替えが早く、
流動的な攻撃サッカーを選択すると見るのが妥当でしょう。
この年代のイタリア人監督であれば誰でもそうであるように、
ベースとなるのは4バックです。
そして、
クイックネスに優れるがパワーに欠ける日本人選手の傾向を考えると、
ローマ時代の「ゼロトップ」を再び採用するかもしれないですね。
その場合、
トッティの役割を演じるのは本田圭佑になるでしょう。
岡田武史監督の下で1トップは経験済みです。
長くロシアリーグにいただけに、
スパッレッティが本田を熟知している点でもこの起用法は十分あり得ると言えます。
就任にあたって
「世代交代を厳命された」
のであれば別ですが、
若手だけでなくベテランもしっかり活用するのがスパッレッティのスタイルです。
例えば遠藤保仁や長谷部誠。
攻守のバランスと切り替えというスパッレッティ戦術のカギを握るダブルボランチには、
高度なインテリジェンスが求められます。
ここは2人の経験を活用すると予想します。
特に遠藤の長短のパスを駆使したゲームメークは、
チリ代表のダビド・ピサーロを重用したスパッレッティの好みに合うはずです。
それでも、
やはりスカウティングと育成に長けたクラブで長く働いているだけに、
世代交代は期待できます。
坊主頭で眼光が鋭く、
いかつい感じを受けますが、
ユーモアもあるし、
ザッケローニと同じくチームの和を尊ぶ「協調タイプ」の監督です。
ただ、
現在のヨーロッパでフリーな監督の中では、
スパッレッティは最も実績ある者の一人です。
クラブでも代表でも、
監督交代が必要ならば常に彼の名前が挙がるほどの「優良銘柄」なのです。
実際に招聘するとして、
彼のモチベーションを刺激し、
日本行きに「Si」と言わせるのは、
そう簡単ではないでしょう。
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本日も、最後までお読みいただきまして感謝いたします。
ありがとうございました。
それでは、ごきげんよう!ecarkimi
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