2014年10月06日
STAP細胞、小保方氏らも参加する「学術シンポジウム」で決着を
おはようございます、ecarです。
今日は【STAP細胞、小保方氏らも参加する「学術シンポジウム」で決着を】をお届けします。
STAP細胞はあるのか、ないのか。
より多くの専門家による議論が必要
「STAP細胞があったかなかったのか?」
ということについては
「この論文は何もいっていない」
と遠藤氏は説明します。
しかし、
STAP細胞論文の共著者である若山照彦氏も丹羽仁史氏も、
遠藤氏の解析結果を読んだにも関わらず反論しないということは、
事実上、
この論文には不正があり、
かつ再現性もない、
つまり
「STAP細胞は存在しない」
ことを認めているようにも読めてしまいます。
こうした科学的な論争に決着をつけるためには、
より多くの専門家による批判とそれへの反論が必要です。
理化学研究所は、
これまでのような記者会見だけではなく、
幹細胞科学の専門家たちが参加することを前提とする
「学術シンポジウム」
を開き、
小保方氏と遠藤氏をできれば若山氏や丹羽氏もともに登壇させて議論させるべきではないでしょうか。
STAP細胞はあるのか、ないのか。
小保方晴子氏らが作成したとされるSTAP細胞は
「ES細胞によく似ている」
という論文を先月発表した理化学研究所の遠藤高帆(たかほ)上級研究員が、
今週10月1日、
合同取材でその内容について解説しました。
この遠藤氏の論文の内容を振り返りながら、
“STAP細胞論争”をどのように決着させるのがいいか、
考えてみます。
STAPは「ES細胞」の可能性が高い?
遠藤氏の論文は9月23日に日本分子生物学会の学会誌
『ジーンズ・トゥー・セルズ』
で発表。
ES細胞とは正確には
「胚性幹細胞」
といって、
胚からつくられる「万能細胞」のことです。
小保方氏らがオンライン上に公開した遺伝子配列のデータを、
遠藤氏が独自の方法で解析したところ、
STAP細胞とされる細胞すべての8番染色体に
「トリソミー」
が生じていることがわかりました。
「性染色体」を除く「常染色体」は、
通常、同じ長さのものが2本で1組になっていて、
それが3本1組になっている状態を「トリソミー」といいます。
そして「8番トリソミー」の特徴は、
専門家の間では、
ES細胞を長期培養すると見られることが知られています。
保存されているES細胞のうち、
2〜3割に8番トリソミーが見られるという報告もあります。
STAP細胞とされた細胞では、
19種類ある常染色体のうち
「第8染色体」
と呼ばれるものが、
トリソミーになっていました。
通常、
8番染色体がトリソミーになったマウスは胎児のうちに死亡します。
8番トリソミーのマウスがごくまれに誕生する可能性は否定できませんが、
STAP細胞と称されたものは、
ES細胞である可能性が高い、
ということになります。
なお小保方氏らは、
STAP細胞の塩基配列データを2種類公開しています。
遠藤氏の解析で、
そのうち1つには、
ES細胞でみられる「多能性遺伝子」が高レベルで発現していたのですが、
もう1つでは多能性遺伝子がまったく発現していないことがわかりました。
後者は、
ごく普通の脾臓細胞である可能性が高いといいます。
8番トリソミーが生じていたのは前者でした。
遠藤氏は、
この解析結果を今年5月、
理研の本部に報告しました。
その内容はCDB(発生・再生科学総合研究センター)を通じて、
小保方氏を含むSTAP細胞論文(7月2日に撤回)の著者たちに伝えられました。
しかし、
「(小保方氏がそれを受け取ったかどうか)確認はとれていません。
科学的な反論はありませんでした」(遠藤氏)。
理化学研究所の改革委員会が「提言書」をまとめる際には、
遠藤氏は同委員会のヒヤリングを受けました。
『日経サイエンス』
誌が理研の内部資料を入手して、
その内容を「号外」(6月11日PDF公開)したこともありました。
そしてそのまま、
遠藤氏は解析結果を論文としてまとめて投稿し、
その論文は査読を通って、
公表されたのです。
「(小保方さんに対しては)特に言いたいことはありません。
“誰が”ということには興味ありません。
“論文”については、
こういう間違いのある論文はままあるので、
誠実に対応してほしかったと思います」(遠藤氏)。
合同取材の席で、
理研の生越(おごし)満・経営企画部次長は筆者の質問にこう答えました。
「ご意見として賜ります。
いま進行中の調査の結果が出た段階で必要があったら検討します」。
理研の信頼、
ひいては日本の科学の信頼性を取り戻すためにも、
まずは科学者コミュニティ内部でその自浄能力を示してほしいものです。
本日も、最後までお読みいただきまして感謝いたします。
ありがとうございました。
それでは、ごきげんよう!ecar
今日は【STAP細胞、小保方氏らも参加する「学術シンポジウム」で決着を】をお届けします。
STAP細胞はあるのか、ないのか。
より多くの専門家による議論が必要
「STAP細胞があったかなかったのか?」
ということについては
「この論文は何もいっていない」
と遠藤氏は説明します。
しかし、
STAP細胞論文の共著者である若山照彦氏も丹羽仁史氏も、
遠藤氏の解析結果を読んだにも関わらず反論しないということは、
事実上、
この論文には不正があり、
かつ再現性もない、
つまり
「STAP細胞は存在しない」
ことを認めているようにも読めてしまいます。
こうした科学的な論争に決着をつけるためには、
より多くの専門家による批判とそれへの反論が必要です。
理化学研究所は、
これまでのような記者会見だけではなく、
幹細胞科学の専門家たちが参加することを前提とする
「学術シンポジウム」
を開き、
小保方氏と遠藤氏をできれば若山氏や丹羽氏もともに登壇させて議論させるべきではないでしょうか。
STAP細胞はあるのか、ないのか。
小保方晴子氏らが作成したとされるSTAP細胞は
「ES細胞によく似ている」
という論文を先月発表した理化学研究所の遠藤高帆(たかほ)上級研究員が、
今週10月1日、
合同取材でその内容について解説しました。
この遠藤氏の論文の内容を振り返りながら、
“STAP細胞論争”をどのように決着させるのがいいか、
考えてみます。
STAPは「ES細胞」の可能性が高い?
遠藤氏の論文は9月23日に日本分子生物学会の学会誌
『ジーンズ・トゥー・セルズ』
で発表。
ES細胞とは正確には
「胚性幹細胞」
といって、
胚からつくられる「万能細胞」のことです。
小保方氏らがオンライン上に公開した遺伝子配列のデータを、
遠藤氏が独自の方法で解析したところ、
STAP細胞とされる細胞すべての8番染色体に
「トリソミー」
が生じていることがわかりました。
「性染色体」を除く「常染色体」は、
通常、同じ長さのものが2本で1組になっていて、
それが3本1組になっている状態を「トリソミー」といいます。
そして「8番トリソミー」の特徴は、
専門家の間では、
ES細胞を長期培養すると見られることが知られています。
保存されているES細胞のうち、
2〜3割に8番トリソミーが見られるという報告もあります。
STAP細胞とされた細胞では、
19種類ある常染色体のうち
「第8染色体」
と呼ばれるものが、
トリソミーになっていました。
通常、
8番染色体がトリソミーになったマウスは胎児のうちに死亡します。
8番トリソミーのマウスがごくまれに誕生する可能性は否定できませんが、
STAP細胞と称されたものは、
ES細胞である可能性が高い、
ということになります。
なお小保方氏らは、
STAP細胞の塩基配列データを2種類公開しています。
遠藤氏の解析で、
そのうち1つには、
ES細胞でみられる「多能性遺伝子」が高レベルで発現していたのですが、
もう1つでは多能性遺伝子がまったく発現していないことがわかりました。
後者は、
ごく普通の脾臓細胞である可能性が高いといいます。
8番トリソミーが生じていたのは前者でした。
遠藤氏は、
この解析結果を今年5月、
理研の本部に報告しました。
その内容はCDB(発生・再生科学総合研究センター)を通じて、
小保方氏を含むSTAP細胞論文(7月2日に撤回)の著者たちに伝えられました。
しかし、
「(小保方氏がそれを受け取ったかどうか)確認はとれていません。
科学的な反論はありませんでした」(遠藤氏)。
理化学研究所の改革委員会が「提言書」をまとめる際には、
遠藤氏は同委員会のヒヤリングを受けました。
『日経サイエンス』
誌が理研の内部資料を入手して、
その内容を「号外」(6月11日PDF公開)したこともありました。
そしてそのまま、
遠藤氏は解析結果を論文としてまとめて投稿し、
その論文は査読を通って、
公表されたのです。
「(小保方さんに対しては)特に言いたいことはありません。
“誰が”ということには興味ありません。
“論文”については、
こういう間違いのある論文はままあるので、
誠実に対応してほしかったと思います」(遠藤氏)。
合同取材の席で、
理研の生越(おごし)満・経営企画部次長は筆者の質問にこう答えました。
「ご意見として賜ります。
いま進行中の調査の結果が出た段階で必要があったら検討します」。
理研の信頼、
ひいては日本の科学の信頼性を取り戻すためにも、
まずは科学者コミュニティ内部でその自浄能力を示してほしいものです。
本日も、最後までお読みいただきまして感謝いたします。
ありがとうございました。
それでは、ごきげんよう!ecar
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