2014年02月26日
村上春樹の翻訳で読む「フラニーとズーイ」がいい!!!J.D.サリンジャー (J.D. Salinger)著 ハードボイルドな英語的翻訳文体が秀逸な村上春樹が、口語的な文体で有名なサリンジャー作品を翻訳すると、どんな感じか興味はありませんか?
村上春樹の翻訳で読む「フラニーとズーイ」がいい!!!
J.D.サリンジャー (J.D. Salinger) 著
ハードボイルドな英語的翻訳文体が秀逸な村上春樹が、
口語的な文体で有名なサリンジャー作品を翻訳すると、
どんな感じか興味はないかい?
僕はあるな。
村上春樹とサリンジャー、そして庄司薫・・・
アメリカ東部の名門大学に通うグラス家の
美しい末娘フラニーと俳優で五歳年上の兄ズーイ。
物語は登場人物たちの都会的な会話に溢れ、
深い隠喩に満ちている。
エゴだらけの世界に欺瞞を覚え
小さな宗教書に魂の救済を求めるフラニー……
ズーイは才気とユーモアに富む渾身の言葉で、
自分の殻に閉じこもる妹を救い出す。
ナイーヴで優しい魂を持ったサリンジャー文学の傑作。
――村上春樹による新訳!
J.D.Salinger は2010年に亡くなっています。
寡作と隠遁生活で有名でした。
最後の作品を発表してから
なんと亡くなるまでの40年間
隠遁生活をおくりました。
ポーランド系ユダヤ人という出自をもつ
アメリカ人です。
一番有名な作品はなんといっても
この「ライ麦畑でつかまえて」"The Catcher in the Rye" も
この村上春樹による翻訳がでています。
サリンジャーは、ちょっと人をおちょくったような
くだけた口語的な文体で有名です。
くだけた文体のなかで、かなり哲学的な内容を
気取らない言い方を徹底するという気取り方で
語るのが特徴です。
村上春樹が好きな読者も
文体やその比喩表現に魅力を感じている人が多いと思います。
ですから、サリンジャーの翻訳者としては
とても適任であると言える訳です。
たとえば、
この作品の書き出しはこんな感じです。
If you really want to hear about it,
the first thing you'll probably want to know is
where I was born,
and what my lousy childhood was like,
and how my parents were occupied and all
before they had me,
and all the David Copperfield kind of crap,
but I don't feel like going into it.
ここまでが一文です。
くだけているでしょ。
ぐだぐだ感満載の文章ですよ
これは。
「自分の下らない個人的な過去の話に興味はあるだろうけど
自分はそんなことは言いたくない」ってわけ。
第二文がこれ
In the first place,
that bores me,
and in the second place,
my parents would have about two haemorrhages apiece
if I told anything pretty personal about them.
「なぜなら、そんな個人的なことを話すのは退屈だし
両親が嫌がるから」
まあ、そんな、
小説の主人公とは思えない言い訳をする、
シャイな主人公をサリンジャーは描き出しているわけです。
これが、意外とハマるんですよ。
英語で読みたい方にはペーパーバックが日本語版よりも安く手に入ります。
僕のような年代の人間は
サリンジャーを知る前に
10代の終わりから20代の始めにかけて
庄司薫の作品に感動したわけです。
舞台は東京で、主人公は都立日比谷高校の男子生徒。
日本人にとってはずっと親しみやすく分かりやすい設定です。
サリンジャーに触発されて書かれた作品なのだろうと
思います。
知性への憧れを秘めながらも
感受性のために身動きが取れない。
社会への違和感
社会との不調和に取り付かれている。
そんあ思春期の
やるせないあの気持ちを
見事に描いています。
ストーリーは
両者を読み比べると
かなりの類似性が読み取れて面白いです。
庄司薫さんも
現在、ほとんど、隠遁生活を送っておられます。
カレーのCMに出演していた
女性ピアニスト
中村紘子(なかむらひろこ)と結婚されています。
猫との生活を描いた作品も
印象にのこっていますね。
キンドル版
村上春樹、サリンジャー、庄司薫。
3人とも違っていて、3人とも似ています。
いずれにせよ、
文字を読んで楽しむという楽しみを与えてくれた
作家たちに感謝です。
また、浸りに行こうっと・・・(笑)
村上春樹が選んで訳した
9編のラブ・ストーリー + 書き下ろし短編小説
マイリー・メロイ 「愛し合う二人に代わって」
デヴィッド・クレーンズ 「テレサ」
トバイアス・ウルフ 「二人の少年と、一人の少女」
ぺーター・シュタム 「甘い夢を」
ローレン・グロフ 「L・デバードとアリエット」
リュドミラ・ぺトルシェフスカヤ 「薄暗い運命」
アリス・マンロー 「ジャック・ランダ・ホテル」
ジム・シェパード 「恋と水素」
リチャード・フォード 「モントリオールの恋人」
村上春樹 「恋するザムザ」(書き下ろし)
全10編収録
J.D.サリンジャー (J.D. Salinger) 著
ハードボイルドな英語的翻訳文体が秀逸な村上春樹が、
口語的な文体で有名なサリンジャー作品を翻訳すると、
どんな感じか興味はないかい?
僕はあるな。
村上春樹とサリンジャー、そして庄司薫・・・
アメリカ東部の名門大学に通うグラス家の
美しい末娘フラニーと俳優で五歳年上の兄ズーイ。
物語は登場人物たちの都会的な会話に溢れ、
深い隠喩に満ちている。
エゴだらけの世界に欺瞞を覚え
小さな宗教書に魂の救済を求めるフラニー……
ズーイは才気とユーモアに富む渾身の言葉で、
自分の殻に閉じこもる妹を救い出す。
ナイーヴで優しい魂を持ったサリンジャー文学の傑作。
――村上春樹による新訳!
J.D.Salinger は2010年に亡くなっています。
寡作と隠遁生活で有名でした。
最後の作品を発表してから
なんと亡くなるまでの40年間
隠遁生活をおくりました。
ポーランド系ユダヤ人という出自をもつ
アメリカ人です。
一番有名な作品はなんといっても
この「ライ麦畑でつかまえて」"The Catcher in the Rye" も
この村上春樹による翻訳がでています。
サリンジャーは、ちょっと人をおちょくったような
くだけた口語的な文体で有名です。
くだけた文体のなかで、かなり哲学的な内容を
気取らない言い方を徹底するという気取り方で
語るのが特徴です。
村上春樹が好きな読者も
文体やその比喩表現に魅力を感じている人が多いと思います。
ですから、サリンジャーの翻訳者としては
とても適任であると言える訳です。
たとえば、
この作品の書き出しはこんな感じです。
If you really want to hear about it,
the first thing you'll probably want to know is
where I was born,
and what my lousy childhood was like,
and how my parents were occupied and all
before they had me,
and all the David Copperfield kind of crap,
but I don't feel like going into it.
ここまでが一文です。
くだけているでしょ。
ぐだぐだ感満載の文章ですよ
これは。
「自分の下らない個人的な過去の話に興味はあるだろうけど
自分はそんなことは言いたくない」ってわけ。
第二文がこれ
In the first place,
that bores me,
and in the second place,
my parents would have about two haemorrhages apiece
if I told anything pretty personal about them.
「なぜなら、そんな個人的なことを話すのは退屈だし
両親が嫌がるから」
まあ、そんな、
小説の主人公とは思えない言い訳をする、
シャイな主人公をサリンジャーは描き出しているわけです。
これが、意外とハマるんですよ。
英語で読みたい方にはペーパーバックが日本語版よりも安く手に入ります。
僕のような年代の人間は
サリンジャーを知る前に
10代の終わりから20代の始めにかけて
庄司薫の作品に感動したわけです。
舞台は東京で、主人公は都立日比谷高校の男子生徒。
日本人にとってはずっと親しみやすく分かりやすい設定です。
サリンジャーに触発されて書かれた作品なのだろうと
思います。
知性への憧れを秘めながらも
感受性のために身動きが取れない。
社会への違和感
社会との不調和に取り付かれている。
そんあ思春期の
やるせないあの気持ちを
見事に描いています。
ストーリーは
両者を読み比べると
かなりの類似性が読み取れて面白いです。
庄司薫さんも
現在、ほとんど、隠遁生活を送っておられます。
カレーのCMに出演していた
女性ピアニスト
中村紘子(なかむらひろこ)と結婚されています。
猫との生活を描いた作品も
印象にのこっていますね。
キンドル版
村上春樹、サリンジャー、庄司薫。
3人とも違っていて、3人とも似ています。
いずれにせよ、
文字を読んで楽しむという楽しみを与えてくれた
作家たちに感謝です。
また、浸りに行こうっと・・・(笑)
村上春樹が選んで訳した
9編のラブ・ストーリー + 書き下ろし短編小説
マイリー・メロイ 「愛し合う二人に代わって」
デヴィッド・クレーンズ 「テレサ」
トバイアス・ウルフ 「二人の少年と、一人の少女」
ぺーター・シュタム 「甘い夢を」
ローレン・グロフ 「L・デバードとアリエット」
リュドミラ・ぺトルシェフスカヤ 「薄暗い運命」
アリス・マンロー 「ジャック・ランダ・ホテル」
ジム・シェパード 「恋と水素」
リチャード・フォード 「モントリオールの恋人」
村上春樹 「恋するザムザ」(書き下ろし)
全10編収録
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