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2015年10月07日
NMR解析によるベンゼンの見かた
ベンゼン環はNMR解析においてプロトンを見ただけで
入っているか入っていないかの判断が直ぐに出来る
逆にベンゼンの含まれた化合物を
COSYやHSBCなどで解析しようとすると
なかなか煩雑で難しい
これは暗記しておくとかなり構造解析が楽に出来るようになる
NMR解析をする時はまず、解析する化合物にベンゼンが
含まれるのか含まれないのかを確認して、
含まれるようであれば今から解説する
考え方を参考にして頂きたい
まずは基本的な オルト、メタ、パラ位についてのカップリングについて
オルト カップリング
下の構造のプロトンの位置がお互いにオルト位の位置関係である。
6〜9Hzでカップリングする
メタ カップリング
下の構造のプロトンの位置がお互いにメタ位の位置関係である。
1〜3Hzでカップリングする
パラカップリング
下の構造のプロトンの位置がお互いにメタ位の位置関係である。
パラ位ではほとんどカップリングはしない。
(厳密に言うとほんの少しだけカップリングする事がある)
一置換ベンゼン
ベンゼンの1か所から何か付いている場合
@: Aとオルトカップリング、Bとメタカップリング、@‘は自分と同じ環境にあるプロトンなのでカップリングはしない
A: @、Bとでオルトカップリング、Aとメタカップリング
B: A、A‘とオルトカップリング、@、@ ‘でメタカップリング
二置換ベンゼン
ベンゼンの2か所に何か付いている場合
二置換ベンゼンには下記の3種類ある
それぞれNMRの出かたが違うので解説しよう
二置換ベンゼン その1
@dd: Aとオルトカップリング、Bとメタカップリング
Addd: @、Bとオルトカップリング、Bとメタカップリング
Bddd: A、Cとオルトカップリング、@とメタカップリング
Cdd: Bとオルトカップリング、Aとメタカップリング
R1とR2が同じ場合
@dd: Aとオルトカップリング、Bとメタカップリング
Add: @とオルトカップリング、Cとメタカップリング Bは同じ環境
Bdd: Cとオルトカップリング、@とメタカップリング Aは同じ環境
Cdd: Bとオルトカップリング、Aとメタカップリング
二置換ベンゼン その2
@ddd: Aとオルトカップリング、B、Cとメタカップリング
Add: @、Bとオルトカップリング
Bddd: Aとオルトカップリング、@、Cとメタカップリング
Cdd: @、Bとメタカップリング
二置換ベンゼン その3
@d: Aとオルトカップリング
Ad: @とオルトカップリング
三置換ベンゼン
ベンゼンの3か所に何か付いている場合
三置換ベンゼンには下記の2 種類ある
それぞれNMRの出かたが違うので解説しよう
三置換ベンゼン その1
@dd: Aとオルトカップリング、Bとメタカップリング
Add: @、Aとオルトカップリング
Bdd: @とオルトカップリング、@とメタカップリング
三置換ベンゼン その2
@d: Aとオルトカップリング
Add: @とオルトカップリング、Bメタカップリング
Bd: Aとメタカップリング
さらに
スピン結合定数 (カップリング定数(J値))
プロトンのケミカルシフト
カーボンのケミカルシフト
から自身の解析するNMRのが芳香族系の化合物なのかオレフィン系なのかの判断に信憑性が増します。