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2018年09月05日

問題3_構造決定

次のデータから平面構造を決定せよ
分子式:C12H22O

プロトンのシグナルは
1.06 ppm 3H
1.16 ppm 3H
1.36 ppm 4H
1.4 ppm 2H
1.44 ppm 6H
1.55 ppm 2H
1.68 ppm 1H



toi3_1H.png

1HNMR
(4Hは2Hが2つ、6Hは2Hが3つになります)

toi3_13C.png

13CNMR
(1つピークが大きくなっているものは重なっております)

toi3_QC.png

HMQC

toi3_cosy.png

COSY

toi3_BC.png

HMBC


















問題3の解答




不飽和度を求める

不飽和度の解き方はここから


C12H22Oである事から 1+12-22/2= 2

不飽和度 の計算からこの問題の化合物は二重結合or環状を2つである事が確定する。

ケミカルシフトを見る


プロトンのケミカルシフトの早見表はここから
カーボンのケミカルシフトの早見表はここから

まずはプロトンをまとめる
toi3_1H.png
1.06 ppm 3H
1.16 ppm 3H
1.36 ppm 2H
1.36 ppm 2H
1.40 ppm 2H
1.44 ppm 2H
1.44 ppm 2H
1.44 ppm 2H
1.55 ppm 2H
1.68 ppm 1H

カーボンをまとめる
toi3_13C.png

12.0 ppm
16.3 ppm
29.3 ppm
29.3 ppm
26.2 ppm
19.6 ppm
20.5 ppm
23.0 ppm
30.9 ppm
34.8 ppm
39.2 ppm
88.3 ppm

QCにてプロトンとカーボンを繋げる

toi3_QC.png

12.0 ppm 1.06ppm −CH3 メチル基
16.3 ppm 1.16ppm −CH3 メチル基
29.3 ppm 1.36ppm −CH2− メチレン基
29.3 ppm 1.36ppm −CH2− メチレン基
26.2 ppm 1.40ppm −CH2− メチレン基
19.6 ppm 1.44ppm −CH2− メチレン基
20.5 ppm 1.44ppm −CH2− メチレン基
23.0 ppm 1.44ppm −CH2− メチレン基
30.9 ppm 1.55ppm −CH2− メチレン基
34.8 ppm 1.68ppm −CH< メチン基
39.2 ppm C 4級炭素
88.3 ppm C−OH 4級炭素(水酸基が付加)
とまとまる

プロトンが1つ余るので唯一の酸素とくっ付き水酸基の1つ存在することになる。
酸素分子は1つしかないので4級炭素に付く酸素は水酸基である事が決定する。

COSYにてカーボンを繋げる


toi3_cosy.png
COSYで繋げられるものを繋げるとこのようになる。
ちなみにカーボン数が1つ足りない、
それは1.44ppmか1.36ppmのカーボンどちらかである。
( 1.44ppmのカーボンは上記図の中に3つあるがどれかが同じカーボンである可能性がある為確定出来ていない)

toi3-1.png


BCにてさらに部分構造を繋げる

toi3_BC.png

1.06 ppm から26.2, 34.8, 88.3 ppm
1.16 ppm から29.3, 39.2 ppm
1.36 ppm から16.3, 19.6, 20.5, 23.0, 26.2, 29.3, 39.2, 88.3 ppm
1.40 ppm から12.0, 20.5, 29.3, 34.8, 88.3 ppm
1.44 ppm から19.6, 23.0, 26.2, 29.3, 30.9, 34.8, 39.2, 88.3 ppm
1.55 ppm から19.6, 23.0, 34.8, 39.2, 88.3 ppm
1.68 ppm から12.0, 20.5, 26.2, 30.9, 39.2, 88.3ppm

がそれぞれ相関している。

1.06 ppm から26.2, 34.8, 88.3 ppmに注目
88.3 ppmの4級カーボンが3Jの位置に付く
toi3-2.png

1.16 ppm から29.3, 39.2 ppm
の相関から下の2パターンの構造が推定される
toi3-3.png
左の場合だとCOSYで1.16、1.36で相関が出ていないとおかしいので右の部分構造となる

ここで一度整理をすると
toi3-4.png

1.40 ppm から12.0, 20.5, 29.3, 34.8, 88.3 ppm
の相関から
確定出来ていない1.4ppmとなりのカーボン(1.44ppmのカーボン)が20.5ppmである事が分かる
また、20.5ppmの隣のカーボンは29.3ppmであることも確定できる。
上記図の左上部分構造の1.44ppmと右上部分構造の1.44ppmが同一のものと予測できる。

1.68 ppm から12.0, 20.5, 26.2, 30.9, 39.2, 88.3ppm
の相関から
88.3ppmの両隣りには26.2、30.9ppmのカーボン付いている事が予測できる。
toi3-5.png

となり、まだ使っていない
toi3-6.png

この2つの部分構造で不飽和度2を満たす構造は
*が対で結合しその結合のどちらかにCH2が挟まったものである

そのような構造は
toi3-7.png
ように5つの候補が出来上がる。

チャートの相関を全て矛盾なく満たすのは
toi3-8.png

となる

化合物名 Geosmin (ゲオスミン)
分子式 C12H22O
分子量 182.31
Cas 19700-21-1










posted by easychemistry at 09:56 | 演習問題
問題演習 構造決定

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