シナリオ「宇宙船艦ヤマト移民篇」
「無限に広がると見えた大宇宙。そこには、やがて生命の広がって住む限界があるのかも知れない。限りある命、無限に生き永らえる命、様々な生き方の交錯している、この地球で、我々地球人は命を繁栄した。人間には語り尽くせない想像力があり、その幾つかは伝達能力であるのかも知れない。しかし、我々の誰が、死んだ人間が生き返ったという話を現実の出来事として知っているのだろう。我々には、生き方を守れば誰もが理解可能な、自分の命の用い方の正しい方法が、あるのかも知れない」
デスラーの執務室
デスラー「何、死んだ人間を生き返らせている生命体があると?あんな物が権威として人間の死と復活を決定しているようでは、宇宙から戦争を無くす事は出来ない。どうだ、私では」
地球の北極海
森雪「古代くん、北極海の氷が融けて無くなって永年過ぎたわね。観測活動は続けたけど、やっぱり20世紀地球人類の科学の予想は夢の先まで未来を見通せてたわね」
古代進「北極の氷が、こんなに小さくなるなんて。人間は、二酸化炭素の排出量を削減して努力を続けている筈だ。それが、こんな事に。今は本当に地球の温暖化が停止してくれる以前の、今までに暖め過ぎた空気が、太陽と宇宙空間の気温の差で、人間が安全に暮らせる気候と環境の風土に戻る時なのか。俺は、知りたい」
森雪は古代進の話に答えた。「私も、ずっと永久に地球で暮らせたらと思って、ここで働いてきたわ。これからも、ずっと永遠に地球に住めたら。この気持ちは変わってないわ」
古代進「だけど、もう限界だ。世界各地のマグマの噴出だって夢になった。もう地球は終わりだ」
地球防衛司令
「これまで我々は地球の温暖化を大変心配し、何とか地球の温暖化を停止している方法は無いのか、あるいは、それが出来ない場合、人類は移住先の惑星を発見し、人間の方法では停止できない地球の温暖化から逃れて、移住先の惑星で、より安全な暮らしを選ぶべきでは無いのか、議論を尽くしてきました。しかし、北極の氷は小さくなる一方であるという事で、私は、地球防衛司令長官として決定します。宇宙船艦ヤマトを、人類が移住可能な惑星への先発隊として派遣します。地球の温暖化を停止できたら、他の惑星へ移住の必要は、ありませんから、我々は今まで通り、地球での暮らしを楽しむでしょう。しかし北極の氷の融けて消え去った現実を目の当たりにし、これは太陽の周りの軌道を地球が回り続けている限り地球近辺の宇宙空間の密閉施設に住むが最も現実の選択肢でしょう。万が一、地球の温暖化を停止できない場合に備え、我々は地球人類の移住先として、火星を選びます。本当に地球の温暖化を停止できない場合、やがては全人類が、火星に住む事になるでしょう。この地球防衛司令の決定を、全ての人々が理解してくれる事を望みます」
宇宙船艦ヤマト第1艦橋
真田工場長「古代、デスラーは平和のために死人の生き返りは信じないという事だ」
古代進「あれは、死んだ人間を生き返らせたという映像が、通信の記録に残っている。死んだ人間は生き返らないとデスラーが思うなら認めよう。俺は事実かどうか、知りたいところだ」
相原通信士「確かに、水の惑星アクエリアスに沈んだ宇宙戦艦ヤマトからは波動砲の発射で亡くなった沖田艦長が、まるで生きているのかと思う映像が受信できました。科学の現実として信じますか」
真田工場長「俺も死んだ人間を生き返らせるという科学力は全く知らないで生きてきた。人間を生き返らせるという知識らしき考えが如何に人間に危険な事であるのか重々承知している筈だ」
古代進「それが無いと、僕もヤマトを動かせません。死んだ人間が生き返る前提では、これまでの戦争で、もっと多くの死者が出たかも知れません」
大田観測士「私も、誰にも死なれたくない気持ちで生きていました」
南部操術長「私も、もし誰かに死なれたら、その責任を誰からも問われないでも、自分自身が利己的に生き方を間違わないとも限らない。そういう考えで生きていました」
アナライザー「俺なんか壊れたら誰とも通信できないぞ」
古代進「何故アダムとエバは罪人となって子供を産んだと伝えたのですか。宇宙人と空飛ぶ円盤UFOが現実の宇宙の事実であるにも係らず、何故人類は子供を産み続けたのですか。宇宙は既に満員であるはずです。子供が産まれるなんて、人間の夫婦には無い夢の筈なのに。人間の夫婦が子供を産んだある日突然、育った筈の自分の子供が自分達夫婦の身の回りにいる夢になった、それが人間の夫婦だった筈ではありませんか。こんな質問の答えを得るために新しく子供を産んでくださいとは思いません。宇宙は既に地球人類の他にも知能を備えた生命体は、いる筈です。これを判ってくれた時、我々は迷わず地球脱出法令を発布できそうに思っていました」
佐渡先生「古代、若者は間違いを恐れずに進め、これが、わしが年若い時に学んだ事じゃ」
宇宙船艦ヤマト機関室
山崎機関長「ヤマトが発進したら火星到着まで半年間は休めるぞ」
徳川太助「その間は波動エンジンの定期点検だけですね」
山崎機関長「昔は、戦争に勝たなくては成らないで、スペースデブリのヤマトへの衝突を心配しているどころでは無かったからな」
古代進の艦内放送「宇宙船艦ヤマトは火星に行く。地球の温暖化は既に極限状態に達した。ヤマトに就いて来てくれ」
宇宙から見た氷の無い北極海から船舶のように宇宙船艦ヤマトが海面を動く。
古代進「只今より、宇宙の船ヤマトは、地球人類が誰も永久に子供を産まずに平和な働き者の夫婦に成長したを信じ、全ての地球の土をマグマ溶岩と化す地球温暖化が地球が太陽と同じ星になる地球最後の日であるを科学知識と信じ、全ての地球人類を救うべく宇宙に旅立つ。(ダルマまわし)ヤマト、発進!」
宇宙船艦ヤマトが氷の無い北極を後に空中を飛び始める。
宇宙船艦ヤマト艦内展望室
古代進「地球が遠くなってみると、地球温暖化を避けて火星に住む事が果たして正しい事なのかと思いそうだな」
森雪「私たち結婚できても子供も作らないで若さを保ってた。古代くん私たち、これで良かったのかしら」
古代進「このまま、ずっと自分の体の若さを保って老人に成らないで生きていられるなら、これが誰にも迷惑を掛けない必要最小限の生き方さ」
森雪「誰も地球に住めなくなるなら、火星に住めるなら住めるで、全ての人々の生きていられるように、してみたいわ」
古代進「それは僕も、同じだよ」
隕石の周囲に筒状に人口建造物を張り巡らした、謎の巨大宇宙艦
エバその人口建造物部では、スペースコロニーの様に通常の惑星の重力を維持
大元帥総統ジェホバッラー(エホバとアッラー)「地球人が、遂に宇宙を自由に動く科学力を身に付けたか。そろそろ宇宙空間での我々の居所を知り得る寿命の生き方を選べる人間が、我々を探し出さないとも限らないな」
大総理統領ジーエスーパー(ジーザスクライストとイエスキリストとスーパーマン)「本当に。子供を作らない人間に限って永遠に生きていられるように人間は設計してあるのですが、この事をようやく、あの太陽系の第3番惑星の地球の人間たちは理解し始めたようです。我々が、アダムとエバが我々に許可無く子供を作り、人間の飽和状態に達していた惑星エデンから、あの太陽系の第3番惑星の地球に追放しなくては成らなく成った事から、やっとアダムとエバの子孫たちは自分たちで宇宙を動く方法を学んだようです」
大元帥総統ジェホバッラー「まだ、あの太陽系の第3番惑星の地球の人間たちは我々を架空の存在と認識しているのかも知れない。しばらく、待ってみようか」
大総理統領ジーエスーパー「我々はアダムとエバを追放したのです。その子孫が宇宙を自由に動く能力を備えたからと言って、我々が裁きを下すもので、あるでしょうか」
月からも遠く離れた宇宙船艦ヤマトの会議室
古代進「問題は、山積みだ。地球の水の半分程度の物凄く大量の水を火星へ運べば、今いる地球人類は充分に火星に住む事が出来るだろう。しかし、そのために地球から宇宙へ飛び上がる水素燃料を大量に消費しなくてはならない。こんな事では地球の温暖化を防ぐために二酸化炭素の排出量を減らしている人類の努力が全て無駄だ」
佐渡先生「それで、火星に移住しようと計画を始める時の最初が、問題だったんじゃ。火星に水を運び行く移住の作業で地球の温暖化は加速する、大変な超加速の温暖化じゃ。そんな事を始めるためには全ての家に冷房器具を設置せねば成らん。これが、また温暖化を加速という訳じゃ。結果として我々は、火星への移住を断念した訳じゃ」
真田工場長「しかし、二酸化炭素の排出量を減らし続けても、地球人類の人数を増やさないように多くの若者が子供を作らない人間生活を選んでも、地球の核であるマグマと溶岩の自然な拡大で地球の温暖化が停止しなかった場合に備えて、我々は宇宙船艦ヤマトを整備したのです」
古代進「そうです。ぎりぎりの時になって、地球の温暖化を停止できないのかどうか、判断を下さなくては成らなかった。こんな、地球の温暖化を停止しないで、気象変動の激しい台風や嵐や竜巻を防がないのは、人類史上かつて無かった大変な決断と言えそうだ。年若い俺には、それが怖かった。何としても災害を防がなくては成らない。そう思うと、とても火星へ地球から水を運び出すなどと大胆な決定は、出来なかった」
佐渡先生「信じるしか無いじゃろう。温暖化が続けば、赤道の土地は、ことごとく砂漠化。毎年の激しい大型台風、突風、大雨、洪水、土砂災害、災害の連続に人間は生きている気力を保てるのかと思いそうじゃった。やがて北極と南極に近い土地を巡って争わんかと思うてな、どうしても明日への希望を示しておく必要があった訳じゃ」
真田工場長「火星へ水を運び出す作業が始まれば、地球人類は、それを人間を増やす産業の機会到来と考えないのか、その点は私も悩んでいました。どうしても地球の温暖化を防ぐ事が人間の方法では不可能である事が理解できないと、火星へ水を運び出す作業は出来ないとしか考えられませんでした」
佐渡先生「地球の温暖化が、毎年少しずつの環境気象条件の変化とわずかな演説の夢でしか無い事が、わしらの最も悩みどころだったのじゃ。全ての人々が、人類の火星への移住計画に救いを求めなくては成らんからのう。やがて地球の温暖化が灼熱化となって、人間、誰もが人間の体では住む事が出来ない気温となった地球から離れて、人間が1人残らず地球を捨てなくては成らなく成るのかも知れないと、わしらは心配してたのじゃ」
古代進「ぼくも、今の仕事が、とても重要であると認めるべきだと思います。人間を増やしてたら、戦争や人身事故や災害を目の当たりにして、とても火星に住む希望など持てなかったかも知れません。地球の温暖化が、これからも防げないなら、何としても火星に住めるように、なりましょう」
地球へ行くデスラー艦隊
デスラー「地球から火星へ水を運び出す仕事も、地球の温暖化を停止できないなら重要と言える。だが私は、地球人類の生活を穏やかに保つ事が重要と考える。火星は地球より小さい惑星だからな。こうした常識だけでも、人間同士を予想不可能という状況から争わせない方法が、私の使命と考える」