翻訳機に頼ると表面的なやり取りで終わる。
より大事なのは、外国語を学べば日本語での常識が外国でも同じではないと分かる事。
違いを知り、理解を深めるのが重要です。
多くの日本人が英語を使えないのは、英語を「暗記科目」だと思っているせいではないでしょうか。
実際は英単語を一つの日本語の単語で覚えても使えない。
例えば「カット( CUT )」は「切る」ですが「スイッチを切る」には使えません。
場面により言葉を使い分ける事を知り、「点」ではなく「面」で学ぶ必要があります。
辞書を引く時、用例まで読み込めば使い方が分かります。
勉強法のお薦めは英作文です。
覚えた単語で英文を作る練習は英会話にも生かせます。
英文を作り、チャット GPT に「アメリカの中学生に分かる英語にして」と聞いて直して貰う手もある。
スポーツや料理など興味のある英語サイトをユーチューブで見て字幕で学ぶのもいい方法です。
何より大事なのは、伝え様と努力するコミュニケーションの取り方。
実は日本語でも同じで、人は自分の常識が正しいと思い込む癖があるので、真意は中々伝わりません。
その事を意識し、相手の心を読んでコミュニケーションを取る事を覚えてください。
私は、子供が言葉を如何覚えるかや、大人が外国語を学習する過程を調べ、人が何処で躓くかを研究しています。
赤ちゃんは知らない言葉の意味を探し、彼是考える推論で知識を築く。
間違い乍ら修正し、断片的ではない、自由に使える「生きた知識」を身に付けるんです。
実感を伴って体で言葉を理解する事を専門用語で「記号接地」と呼びます。
A I は言葉の意味を本当には理解できず、記号を記号に置き換えて回転木馬の様に回すだけ。
でも、人は自分の感覚や経験と結び付け、それを自分で抽象化する事で地に足の付いた知識を得る。
そんな意味です。
英語の勉強も日本語が基礎です。
言葉を大切にし、本を読んで生きた知識を得てください。
特に抽象的な言葉を含む本は考える力を伸ばし、学力が付く。
身に付けた思考力は一生使えます。
表面的にぺラペラ話せる英語ではなく、理解し合い、深く中身の濃い話を英語でできる様になる事を目指しましょう。
認知心理学者・慶応大教授 今井 むつみさん 慶応大環境情報学部教授。 専門は認知科学。
慶応大卒、ノースウエスタン大博士。 「英語独習法」がベストセラーに。
「言語の本質」は2024年の新書大賞を受賞した。
子供が学習で躓く原因を探る「学力喪失」、10代向けの「 A I にはない『思考力』の身に着け方」などの本 を書いている。
愛媛新聞 14歳の君へから
生きた知識を得る事が大事らしい。
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