だが、解決していないもう一つの ” 失われた30年 ” (正確には28年)がある。
それは選択的夫婦別姓問題である。
国連の委員を務めたが、一番印象に残ったのはジェンダー平等先進国は、産業・経済が発展し、国が栄えていると言う事である。
国を挙げてジェンダー平等を推進する取り組みはイノベーションを生み出す土壌にもなっているのだろう。
日本は如何か。
誰もが生まれ持った性を戸籍上の性として名乗り続ける権利を、制度として認めていない。
「女性活躍」を標榜しつつ、女性が「活躍」する前提となる個人の尊厳を軽んじている。
女性差別撤廃委員会から、日本の民法には差別的規定がある、と指摘されている。
旧姓併記を拡大するだけでは足りない、との指摘や「通称使用は海外では理解され辛く、寧ろダブルネームとして不正を疑われ、説明に時間を要するなどトラブルの種になる事がある」との記述に思わず、そうだ、その通りと膝を打った。
経団連がこうした提言を行ったのは、ジェンダー平等の実現が経済活動上も不可欠、急務である事の表れだろう。
弁護士 林 陽子 1956年、茨城県生まれ。 早稲田大卒。 83年弁護士登録。
日本で初めて、国連の女性差別撤廃委員会で委員長に選ばれ、2015年から2年間務めた。
現在、市川房江記念会女性と政治センター理事長。
愛媛新聞 寄稿から
ジェンダー平等の実現は経済活動上も不可欠らしい。
自民党では実現できない。
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