この様に、米国社会で政治的暴力の増加と、それが民主政治を揺るがすのではないかとする懸念が高まっている事を念頭に置けば、今回の銃撃事件が発生した事は、(悲しむべき事に)特段驚きではなかった。
米国で政治的暴力を引き起こす原因は何なのか。
米政治学者のネイサン・カルモーとリリアナ・メイソンは共著において複数の要因を指摘している。
中でも、党派対立の高まりは、非倫理的行動の容認や暴力的態度・行動の形成に寄与しているとされる。
即ち、民主党や共和党に愛着を抱く人々は、対立する相手を邪悪な存在と見て、お互いに反感や憎悪を抱き、時に暴力的な行動を取る事さえ厭わなくなる。
カルモーとメイソンが指摘する様に、政治的暴力は、独立戦争、南北戦争など、米国の歴史において極めて重要な局面で発生してきた。
この様に、政治的暴力の発生は、多大な犠牲を伴いつつも、時に米国の民主主義を前進させる事もあった。
今年に限っても、スロバキア、ドイツ、デンマークなどで、政治家が襲撃される事件が相次いで起きた。
日本でさえも政治的暴力が民主政治を脅かしつつあるのではないか、と言う懸念が高まっている。
津田塾大教授 西川 賢 1975年兵庫県生まれ。 専門は米国政治。
著書に「分極化するアメリカとその起源」「ビル・クリントン」など。
愛媛新聞 寄稿から
政治的暴力が即座に悪だとは限らない事に注意するべきらしい。
ほんまかいな?。
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