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2020年04月12日

コロナ肺炎、成す術はない〜〜

韓国の文大統領が今総選挙の真っ最中、コロナ肺炎の死者など眼中にはない、
総選挙に大勝しなければ自分の未来はない。
初夏になれば一時的とはいえ小康状態にはなる、だけど今年の初冬にまたぶり返すかも
知れない、そうすれば延期した五輪もあぶなくなる。


【萬物相】哀悼の意を表されることもできない死

「昨晩死んだ人たちを穴に投げ入れて土をかぶせた。
その上に複数の別の死体を積み上げ、その上に土、その上にまた死体....
何重にも重なったチーズとパスタでラザニアを作るようなものだった」。
中世フィレンツェのある作家は黒死病(ペスト)に襲われた都市のむごたらしい様子をこのように描写した。
朝鮮王朝時代にも「疫病が猖獗(しょうけつ)し、10里以内に積み上げられた
屍(しかばね)が丘となり、雨水が小川からあふれると屍が次々と流れ出した」
(顕宗実録)という記録が残っている。

悲劇でない死はないだろうが、伝染病による死はとりわけ残忍で悲痛なようだ。
感染を恐れる家族や隣人からの助けを受けられず、ほとんどは寂しく息を引き取った。病気の苦痛で死ぬ前に飢え死にするケースがほとんどだという。
目に見えない恐怖の前では、人間の尊厳など忘れ去られた。
戦場では伝染病による死体を「細菌戦」の武器として活用したとの話も
伝えられている。

歴史書でしか見られないような出来事が今、地球村のあちこちで起こっている。
世界最強の大国でも死者に対応できず、フォークリフトで遺体を冷凍トラックに
乗せて運び出す様子を目にするとは想像もできなかった。
家族や親戚が自宅隔離となり、コロナ患者たちが最後のあいさつもできないまま
この世を去るという話には胸が締め付けられる。
画像通話などで臨終に立ち会えれば、まだましな方だという。
感染病予防法により、感染者の遺体は無条件に火葬しなければならないが、きちんと
哀悼の意を表されることもできないまま、一握りの灰としてこの世を去る様子は
あまりにも寂しいものだ。


大邱のある感染者は病床でニュースを目にし、同じ感染者である父が死んだとの
知らせに接した。
弟に電話をすると「昨日亡くなって今日火葬した。兄さんがショックを受けると
思って話さなかった」と言われたという。
この患者は「私のような親不孝者もいない」と言って胸をたたいた。
ある老夫婦は同時に感染が確認され別々の病院に入院したが、夫が先に
この世を去った。
妻は夫の顔も見られず葬儀にも出席できなかった。
このようにとてつもない事態に直面しても、その悲しみを訴えるところは
どこにもない。

先日、韓国国内でコロナによる死者が200人を超えた。
「他国に比べればずっとましだ」と自慢するような声も聞こえてくる。しかし
亡くなった人たちは全員が誰かの父であり、母であり、息子で娘だ。
数について言う前に、心から哀悼の意を表し、遺族に慰めの言葉を伝えるのが先だ。
釣り船転覆事故のときも「理由に関係なく国の責任」として青瓦台(大統領府)の
会議で黙とうしたのが今の大統領だ。
今回の事態でもこのような態度を示し、故人と遺族たちの恨みを少しでも
慰めてほしいものだ。

イム・ミンヒョク論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
posted by 豊後国主 at 16:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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