2015年12月02日
中華人民元、SDR入り
中華が完全な自由化は出来まい、それは欲が絡んでいるかと思うが・・
共産主義者が市場経済・自由主義者の領域で好き勝手が
出来ようはずもないが・・
悪貨が世界を脅かす
(1/3ページ)
中国人民元のSDR構成通貨入りを発表するIMFのラガルド専務理事。
同氏は中国を味方に付け発言権を増すとみられている=11月30日、
ワシントン(AP)
「悪貨が良貨を駆逐する」とは、金本位制の時代に限らない。いつの世も
似たような法則が働く。現代版悪貨とは人民元である。
元は中国共産党の支配下にある中国人民銀行が基準相場を設定し、変動を
基準値の上下2%以内に限って許容している。
元の金融・資本市場は制限だらけで、取引不自由だ。
公正に開かれた金融市場を基盤とし、為替レートが自由に変動する
先進国通貨とは対極にある。ところが、
国際通貨基金(IMF)は円を押しのけて元にドル、ユーロに次ぐ
特別引き出し権(SDR)シェア第3位のお墨付きを与えた。
IMFを背後から突き動かしたのは国際金融界である。2008年9月の
リーマンショックでバブル崩壊、収益モデルが破綻した国際金融資本が
目をつけたのはグローバル金融市場の巨大フロンティア中国である。
その現預金総額をドル換算すると9月末で21兆ドル超、日米合計
約20兆ドルを上回る。
(2/3ページ)
中国の習近平党総書記・国家主席は元の国際通貨化工作に大号令を
かけてきた。
対外膨張戦略のためには国際通貨元が欠かせないからだ。
ラガルドIMF専務理事は3月下旬に訪中して
「元のSDR入りは時間の問題よ」と李克強首相らにささやいた。
元決済機能誘致を北京に陳情してきた英国を始め、欧州主要国は
こぞって支持に回った。
米オバマ政権の中枢はニューヨーク・ウォール街出身者が占める。
同政権は当初こそ態度を留保したが、北京がこの夏、金融の部分自由化を
約束した途端、
「IMFの条件に合えばSDR入りを支持する」(ルー財務長官)と
豹(ひょう)変(へん)した。
ウォール街ではシティ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスら大手が
中国の大手国有商業銀行と組んで元決済センター開設準備がたけなわだ。
今後、世界では何が起きるか。
元は世界最大の通貨発行量を誇る。国際通貨になれば、元は国際市場で
ドルとの交換が保証される。
経済面ばかりでなく、政治、軍事の分野で元の威力はさらに増すだろう。
(3/3ページ)
北京は最近、元の国際通貨化をうたい文句に、国際的な元決済システム
「CIPS」を構築した。
ドル決済システムの代替で、米情報当局による監視から逃れたい
「ならず者国家」は元を使えばよい。
党支配下の企業はカネにモノを言わせて、日本を排除しては0東南アジアの
インフラを手中に収めている。
日米欧のハイテク企業などを対象に「爆買い」攻勢をかけている。
悪貨の膨張を防ぐ手段はただ一つ。
元の為替制度と金融市場を他のSDR通貨と同程度に
完全自由化させることだ。
党による支配は自由市場から嫌われ、資本の逃避や元の暴落を招く。
ところが肝心のIMFは「市場改革が進むかどうか今後も監視していく」
(ラガルド氏)と弱々しい。
約束違反しても罰則はない。IMFへの資金の貢ぎぶりでは世界一の
日本は、もういい加減、口くらい出したらどうか。
(編集委員 田村秀男)
共産主義者が市場経済・自由主義者の領域で好き勝手が
出来ようはずもないが・・
悪貨が世界を脅かす
(1/3ページ)
中国人民元のSDR構成通貨入りを発表するIMFのラガルド専務理事。
同氏は中国を味方に付け発言権を増すとみられている=11月30日、
ワシントン(AP)
「悪貨が良貨を駆逐する」とは、金本位制の時代に限らない。いつの世も
似たような法則が働く。現代版悪貨とは人民元である。
元は中国共産党の支配下にある中国人民銀行が基準相場を設定し、変動を
基準値の上下2%以内に限って許容している。
元の金融・資本市場は制限だらけで、取引不自由だ。
公正に開かれた金融市場を基盤とし、為替レートが自由に変動する
先進国通貨とは対極にある。ところが、
国際通貨基金(IMF)は円を押しのけて元にドル、ユーロに次ぐ
特別引き出し権(SDR)シェア第3位のお墨付きを与えた。
IMFを背後から突き動かしたのは国際金融界である。2008年9月の
リーマンショックでバブル崩壊、収益モデルが破綻した国際金融資本が
目をつけたのはグローバル金融市場の巨大フロンティア中国である。
その現預金総額をドル換算すると9月末で21兆ドル超、日米合計
約20兆ドルを上回る。
(2/3ページ)
中国の習近平党総書記・国家主席は元の国際通貨化工作に大号令を
かけてきた。
対外膨張戦略のためには国際通貨元が欠かせないからだ。
ラガルドIMF専務理事は3月下旬に訪中して
「元のSDR入りは時間の問題よ」と李克強首相らにささやいた。
元決済機能誘致を北京に陳情してきた英国を始め、欧州主要国は
こぞって支持に回った。
米オバマ政権の中枢はニューヨーク・ウォール街出身者が占める。
同政権は当初こそ態度を留保したが、北京がこの夏、金融の部分自由化を
約束した途端、
「IMFの条件に合えばSDR入りを支持する」(ルー財務長官)と
豹(ひょう)変(へん)した。
ウォール街ではシティ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスら大手が
中国の大手国有商業銀行と組んで元決済センター開設準備がたけなわだ。
今後、世界では何が起きるか。
元は世界最大の通貨発行量を誇る。国際通貨になれば、元は国際市場で
ドルとの交換が保証される。
経済面ばかりでなく、政治、軍事の分野で元の威力はさらに増すだろう。
(3/3ページ)
北京は最近、元の国際通貨化をうたい文句に、国際的な元決済システム
「CIPS」を構築した。
ドル決済システムの代替で、米情報当局による監視から逃れたい
「ならず者国家」は元を使えばよい。
党支配下の企業はカネにモノを言わせて、日本を排除しては0東南アジアの
インフラを手中に収めている。
日米欧のハイテク企業などを対象に「爆買い」攻勢をかけている。
悪貨の膨張を防ぐ手段はただ一つ。
元の為替制度と金融市場を他のSDR通貨と同程度に
完全自由化させることだ。
党による支配は自由市場から嫌われ、資本の逃避や元の暴落を招く。
ところが肝心のIMFは「市場改革が進むかどうか今後も監視していく」
(ラガルド氏)と弱々しい。
約束違反しても罰則はない。IMFへの資金の貢ぎぶりでは世界一の
日本は、もういい加減、口くらい出したらどうか。
(編集委員 田村秀男)
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