私は子供の頃、国語の教科が苦手でしたし、好きでもありませんでした。
好きになり始めたのは思うに、中学生のとき教科書で島崎藤村の若菜集、「初恋」を読んだことに始まった気がしています。
その後、敬語が日本固有の文化であると知ったことや、欧米にはない漢字文化というのも、日本語が好きになった一因です。
島崎藤村:初恋
知れば知るほど、日本語にはいろいろな仕掛けがあって、正しい日本語は美しいと感じるようになりました。
例えば、
「読ませていただく」
を
「読まさせていただく」
というと、おかしな気がしませんか?
「さ」が付くからおかしく聞こえるのです。
しかし、
「食べさせていただく」
これはおかしな気はしません。
同様に、
「行かせていただきます」〇
「行かさせていただきます」×
これは「さ」があってはいけません。
あって良いのは、
「辞めさせていただきます」
「始めさせていただきます」
などです。
これにも決まりがあります。
非定型にしたとき、「ない」をつけた語尾が、ア段である動詞には「さ」を付けないという決まりです。
・読まない(ア段)
・食べない(エ段)
・行かない(ア段)
・辞めない(エ段)
・始めない(エ段)
だとすれば、
「私は先に寝させていただきます。」
は誤りで、正しくは
「私は先に寝せていただきます。」
になるということですね。
このように日本語には実は細やかな決まりがあるのに、失われてきていますね。
このブログでは何度も書いてます。
・敬語はワンフレーズにひとつ
という決まりを。
だから、辺りで他のオペレーターから、例えば
「〇〇をお使いでいらっしゃいますね。」
とか、
「お休みになられているんですね。」
なんて聞こえてくると、かゆくなります。
これは、
「〇〇を使っていらっしゃいますね。」
や、
「お休みになっているんですね。」
で良いです。
また、3は濁ります。
「ビルの3かい(階)」とか「メールが3けん(件)」
だって、本当は「3がい」「3げん」が正しいんです。
敬語はワンフレーズにひとつとか、3が濁るという決まりももう、失われたのでしょう。
知っている人は相当数いると思います。
でもわざわざ注意しようという人はごく限られると思うし、注意されても響かないでしょうね。
また、コンビニでよく聞く言葉。
「(お釣り)○○円とレシートのお返しです。」
別にレシートを貸してもいないし、預けてもいないんです。(笑)
2018年04月12日
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