恐怖には恐怖で報復するといった「目には目を」的なことではありません。
恐怖心の対処方法といいますか、、
憶えていますか?
〜 イラク日本人青年殺害事件 〜
調べると2004年10月とあります。
日本人青年の香田さん(当時24歳)がイラクでアルカイダを名乗る組織に拘束され、首を切断、殺害された事件です。
その現場を撮影した動画が流出したのです。
ご存知の方も多いと思います。
当時はYouTubeもなく、動画投稿サイトもまだ貧弱でした。
動画といえば、ファイル共有ソフトの“WinMX”や“Winny”、“Share”などで、動画ファイルそのものが流通していました。
ファイル共有ソフトを起動し、キーワードを入力すると、それにまつわる動画がダウンロードされます。
当時はそれを「動画を落とす」などと言っていました。
香田さん事件の動画はあの頃全盛期だった“Winny”で流出していることを知っていました。
しかし、動画を見ようとは思いませんでした。
見るとすれば、それは「興味」か「好奇心」だから、それでは香田さんの“死”に申し訳ないと思ったからです。
ところがある晩、友人から電話がかかってきました。
頼むから、その動画を見てくれということでした。
その友人からの頼みとあっては、断るわけにも行かず仕方なしに見てみました。
香田さん手を拘束されて座っており、横でアルカイダの人間がイスラム法典か何かを読み上げます。
それが終わると、ナイフを持った男が香田さんの喉仏に正面からサクッとナイフを入れます。そのまま横に、、
ナイフに対して人間の首はなんて軟らかいものなのか。そう思いました。
その後、動画は途中が削除され、切断された頭部が確か、床に敷かれた星条旗の上に置かれてあり、そこで動画は終わりました。
削除された「途中」というのは首を切断する部分です。恐らく流出した本編にはあったものを、ファイル共有ソフトにアップロードする際に削除したのだと思います。
私はとんでもないものを見てしまった感覚になり、自分一人では収まりがつかない気持ちになりました。
友人から頼まれたとき、友人も一人では収まりがつかなくなったのでしょう。
だから誰かに聞いて欲しい。できれば誰か「仲間を作りたい」と思ったのでしょう。
私は昔から霊現象とか、超常現象を扱ったテレビ番組やビデオが好きです。
でも創作物や物語的なものには興味がなく、あくまで実際に撮影されたもの、映ってしまったものが好きです。
ですからフジテレビのほん怖 - ほんとにあった怖い話にはまったく興味がなく、映画「リング」も怖いとは思いません。
さっきの香田さん事件、2004年頃は夜になると部屋でDVDを借りて観ることが多くありました。
よく観ていたのは「ほんとにあった!呪いのビデオ」です。
これは投稿者からの映像を紹介して、いくつかは投稿者に取材をし、検証をするというものです。
最近は「やらせ」か?というのが増えてきました。
が、投稿映像には「え?!コワ!」というのも多くあります。
年に5作品ずつ出ていて、現在74巻が最新作です。
中でも2004年12月公開の14巻に「頭のおかしい老人」と名付けられた投稿があります。
投稿者が海外へ留学するため、親戚宅に挨拶に行ったとき、その様子をビデオ撮影した。ビデオカメラの録画停止ボタンが押されずにテーブルの上に置かれたままになった。
置かれたままのビデオカメラは部屋の奥にあるソファーを映しています。そのソファーには、いるはずのない老人が座っています。お茶を飲みながら。
やがて老人は湯飲みを床に置き、ソファーから立ち上がり、部屋を出ていきます。
その老人は半透明で背後が透けており、怖いことに湯飲みは本当にその場に置かれていました。
もちろん、親戚宅のものではありません。
その老人は、和服を着ており、とても現代の人間とは思えません。
ハリウッド映画のスタッフであれば、合成で作れる映像かも知れません。でも投稿者は一般人です。まして10年以上昔です。
また、投稿者はカメラを置いたとき、老人のいることに気づいており親戚の家族かと思い挨拶します。すると老人も挨拶するのをカメラが映しています。現実と老人がリンクしているのです。
あのときも私は、
「見てはいけないものを見た」気持ちになりました。
本当に怖かった。
今度は私も知人に見ることを勧め、仲間を作ろうとしていました。
でも知人が見たかどうか、わかりません。
そのとき私がしたことは、もっと怖いビデオを見たら老人のビデオをみた恐怖が上書きされるのだろうと思い、さらにビデオを借りてくることでした。
体験した恐怖から逃れるには、さらに上回る恐怖で上書きしていく。
あれは「ビデオ鑑賞」でしかなかったので、その恐怖は日に日に薄れていきました。
しかし、もしこれが「殺人」であったなら、本当に恐ろしいことです。
2017年10月03日
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