2020年11月03日
Fめ
23歳のとき、会社命令でX社のコピー機を修理する研修に行かされました。
X社は神奈川県、南足柄市に大きな研修施設を持っています。
研修は3週間だったので、泊まり込みです。研修施設に併設された寮のようなところで過ごしました。
事前に、研修に行くことを知人に話すと、私より10歳以上、上の人たちは皆、
「金太郎か?」
と言います。
聞けば童謡「きんたろう」の歌詞にあるといいます。
確かに、調べると2番の歌詞に、
あしがらやまの やまおくで
とありますが、私は1番しか知りません。関心がないので。
世代の違いで、今の人たちなら1番も知らないんじゃないかと思いますが、どうなんでしょう。
2018/01/13「コピー機」に書いたことは、この研修で学んだものです。
小売店が保守も行えることで、有利に販売できるようX社が考えたことです。
もともとコピー機の修理、点検はX社の社員が担当していました。
研修が終わると、しばらく私はX社社員であるFに連れられて、実際にコピー機を修理、点検して回ります。
コールセンターでいうならOJTですね。
しかし3週間の研修程度で習得できるのは、小型機といわれるレベルです。
コンビニや会社にあるコピー機は中型機です。小型機は小さな会社や、幼稚園などで使われていました。
A3判はコピーできますという、90万円前後の機械です。
今も昔もコピー機は購入時、保守契約を結ぶ必要があります。
保守契約にはトナーなど消耗品の供給と故障したときの修理代、部品代、保守点検料が含まれています。
トナーは、いわばインクですね。黒い炭と樹脂を混合した非常に細かい粉末状の物体です。
保守契約料金というのは、今だとトナー カートリッジ キットの料金に含まれています。
昔はコピー機に付いているカウンターという、コピーした枚数が表示されるメーター若しくはコピーした枚数がディスプレイに表示され、コピーした枚数によって1枚当たり8.5円とか8円とか料金が請求されました。
コピーをたくさんとる事業所は毎月、保守契約料金が請求されます。少ないところは3ヶ月ごとに請求されるようになっていました。毎月請求するところは毎月保守点検し、3ヶ月ごとのところは3ヶ月に1回、保守点検に伺っていました。
その点、トナー カートリッジ キットは交換時期がくれば、その都度、保守契約料金を含めて支払うので、単純でわかりやすくなっています。保守点検は、、、ん〜謎です。
でも、トナー カートリッジ キットも42,500円で約5,000枚分とか、72,000円で約9,000枚分と対応枚数があるので、42,500円 ÷ 5,000枚 = 8.5円や、72,000円 ÷ 9,000枚 = 8円と、結局1枚当たりいくらという計算です。
この保守契約料金はX社が吸い上げます。私が保守点検、修理した分については、X社が吸い上げた全体の保守契約料金から何パーセントバックというように、毎月何十万円か入金されていました。
ある日、私は受け持っている事業所のコピー枚数と、バックされた保守契約料金を計算してみました。
すると、どう考えても入金された額が少ないのです。
代理店を通じてX社に入金された保守契約料金の内訳、どの事業所の金額なのか問い合わせると、私が受け持っている事業所のうち、十数社分が入金されていないことがわかりました。
調べると、入金されていない額が確か200数十万円にも達することがわかりました。
しかし、もう過ぎたこと。代理店にもX社にも利益のないことで、両社の対応は遅く、すべては回収できなかったと思います。
そもそも何でこんな不手際が起きてしまったのか。
その前に、X社のコピー機には必ず、機械来歴票というのがコピー機のどこか、意表をつく場所に隠されています。この来歴票には、その機械がいつ保守点検されたか、またいつ故障してどこをどう直したのか、どの部品を交換したのかが書いてあります。
ある事業所のコピー機を担当するというのは、その来歴票のコピーを所持して管理することです。
来歴票のコピーはクリアーブックに入れて保管していました。
研修が終わって、Fに連れられ見習いをし、さて明日から独り立ちというとき、車の中でFは私に来歴票のコピーを渡しました。渡された事業所を私に受け持ってくれということです。
ただ不自然だったのは、そのときどうもFがその場の思い付きで来歴票を渡しているなと感じたことです。
これは後にわかったことですが、X社が私に保守を委託しようとしていた事業所はあらかじめ決まっており、バックされた保守契約料金はあくまでその事業所分だけでした。
Fが思い付きで渡したのは本当で、X社が計画していた事業所以外に、本来Fの受け持ちである事業所もFは私に負わせてきたのです。渡された私は、まさかFとX社に疎通が取れていないとは思いません。
私はFのせいで未回収分、きっと100万円くらいタダ働きさせられたんです。
Fめ!
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10308881
この記事へのトラックバック