2018年01月15日
《その237》 bad_cast例外
bad_cast例外
bad_cast例外( <typeinfo>ヘッダで定義されている )は、dynamic_cast演算子による動的キャストを行う際、参照型へのキャストに失敗したときに送出されます。
下記のプログラムにおいて、bas は、基底クラス Base のクラスオブジェクト。また、drv は、public派生クラス Derived のクラスオブジェクトです。
最初のキャスト(◆1. )は、drv への参照を 派生クラス型 Derived& から 基底クラス型 Base& に変換するアップキャストですが、この型変換は成功します。
次のキャスト(◆2. )は、basへの参照を 基底クラス型 Base& から 派生クラス型 Derived& に変換するダウンキャストですが、この例の場合のダウンキャストは失敗します。その結果、bad_cast例外が送出されることになります。
#include <iostream>
using namespace std;
class Base {
public:
virtual ~Base() { }
void f() { cout << "Base" << '\n'; }
};
class Derived : public Base {
public:
void f() { cout << "Derived" << '\n'; }
};
int main()
{
Base bas;
Derived drv;
try {
cout << "◆1. ";
Base& r1 = dynamic_cast<Base &>(drv);
// アップキャストです。
// 成功するので bad_cast例外は送出され
// ません。
r1.f();
}
catch (bad_cast& e) {
// 送出された bad_cast を e が受け取り
// ます。
cout << e.what() << '\n';
// bad_cast のメンバ関数 what を呼
// び出します。
// 処理系定義の NTBS が出力されます。
}
try {
cout << "◆2. ";
Derived& r2 = dynamic_cast<Derived &>(bas);
// ダウンキャストが失敗して
// bad_cast例外が送出されます。
r2.f();
}
catch (bad_cast& e) {
cout << e.what() << '\n';
}
}
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