2018年01月15日
《その238》 bad_typeid例外
bad_typeid例外
bad_typeid例外( <typeinfo>ヘッダで定義されている )は、typeid演算子が、多相的クラス型へのポインタ参照を受け取った際、そのポインタが空ポインタであった場合に、送出されます。
下記のプログラムにおいて、bas は、基底クラス Base のクラスオブジェクト。また、drv は、public派生クラス Derived のクラスオブジェクトです。
最初(◆1.)のキャストは、drv へのポインタ参照を 派生クラス型 Derived* から
基底クラス型 Base* に変換するアップキャストですから、この型変換は成功します。
次(◆2.)のキャストは、basへのポインタ参照を、基底クラス型 Base* から
派生クラス型 Derived* に変換するダウンキャストですが、この例の場合のダウンキャストは失敗します。
その結果、ptr2 には、Derived*型の空ポインタが代入されます。
したがって、typeid演算子はこの 空ポインタptr2 による参照を受け取ることになりますから、
bad_typeid例外が送出されます。
#include <typeinfo>
#include <iostream>
using namespace std;
class Base {
public:
virtual ~Base() { }
};
class Derived : public Base { };
int main()
{
Base bas;
Derived drv;
Base* p1 = &bas;
Derived* p2 = &drv;
try {
cout << "◆1. ";
Base* ptr1 = dynamic_cast<Base*>(p2);
// このアップキャストは成功します。
cout << typeid(*ptr1).name() << '\n';
// *ptr1 の型は Derived型です。
}
catch (bad_typeid& e) {
cout << e.what() << '\n';
}
try {
cout << "◆2. ";
Derived* ptr2 = dynamic_cast<Derived*>(p1);
// このダウンキャストは失敗するので、
// dynamic_cast演算子は、Derived*型の
// 空ポインタを返します。
cout << typeid(*ptr2).name() << '\n';
// 空ポインタの指す Derived型オブジェクト
// を与えられた typeid演算子は
// bad_typeid例外を送出します。
}
catch (bad_typeid& e) {
cout << e.what() << '\n';
}
}
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