2019年11月12日
N organic(エヌオーガニック) マイルド&リファイニングシャンプーが回収…
女性紙でも取り上げられる自然派ブランド「N organic(エヌオーガニック)」のマイルド&リファイニングシャンプーでの回収が発表されております。
自然派やオーガニックは安心・安全として話題になりますが、回収などがあると本当にイイものなのか不安になりますよね。
あの自然派で手作り感が有名な「Lush(ラッシュ)」なんかもしょっちゅう回収してますし…
本日は自然派やオーガニックは本当にいいのだろうか?という疑問のもと、N organic マイルド&リファイニングシャンプーの回収の詳細や成分解析的な感じで書いていきたいと思います。
回収の対応に問題は無かったのか!?
成分的にはどうなんだ!?
N organic マイルド&リファイニングシャンプー 回収の理由とは?
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構、通称PMDA及び「N organic」ブランドを展開する株式会社シロクのホームページでの情報で、10/23に発表された回収理由と原因をまとめると以下の通りです。
- 開封後の製品で菌汚染が発生
- 菌汚染による変色クレームにより問題が発覚したため回収
- 未開封品では菌汚染は起こっていない
- 製造段階で防腐剤が不均一で防腐効果が発揮できなかった可能性がある
回収理由が菌汚染!
これはダメですね。
防腐剤の不均一が原因ではなかろうか、とのことですが念のため同じ処方(成分)のものは全て回収するとのことです。
N organicの公式ホームページから購入した商品が回収の対象の処方(成分)となるか確認できるので、ご愛用者様はN organicで検索してみて下さい。
対象の場合は防腐力UP品と交換か返金が受けられるそうですが、現品が必要とのことです。
ちなみに化粧品にはLOT(ロット)というものが割り振られており、その数字成り記号で製品が特定できます。
今回のN organic マイルド&リファイニングシャンプーは容器の底か、サンプルパウチ(使い切りの袋タイプ)ですと下の方に記号があります。
今回の回収では変色クレームのあったLOTだけでなく、同じ処方で作った全製品を対象(1月〜7月出荷分)にするとのことで、製品とサンプル合わせてその数なんと26万個以上。
これはすごいことですね。
300mlの製品で通常価格3,000円(税抜き)が66,941個とのことで約2億円!!!
その他のサイズも含めると5億円位行くんではないでしょうか!?
自社サイトからの直販の場合はまだ損害は少ないのですが、代理店経由とかですと中間マージンがあるのでその分の損害はデカいです。
これだけの費用がかかるのにクレームのあったLOTだけじゃなくて全てを対象にするなんてすごいですね!!
お金持ってますねぇ!!!
株式会社シロクさん、名前はメジャーではありませんが実はアメーバブログでおなじみのサイバーエージェントの子会社。
さらに言えば化粧品屋さんではなく広告屋さん。
IT業界はお金持ってるんですね。
*お金が無いから回収しなくて良いと言う訳ではなく、回収の対象が理由に対して幅広いと言いたいだけです!
N organic 回収の対応に問題はないのか?
○結論
返品、返金に対応しており、クレームあったロットだけでなく、全ロット回収というのは誠実な対応かと思います。
また、回収情報にもありますが菌汚染があってもシャンプーという剤形上健康被害は起こり辛いかと思います。
(皮膚上で繁殖・悪さをする前に洗い流してしまうので)
開封後に菌が繁殖するということは、全部が全部菌汚染されるというものでもありませんし。
○勝手に考察
【悪い考察】
防腐剤の混ざりが悪くてクレーム発生なのにすべてのロットを全品回収ってすごいですよね?
すごいことなんですけど、性格の良くない私は裏を探ってしまいます。
PMDAの回収情報をみると1月〜7月の約半年の出荷品だった様なので、10/23の回収発表までに3カ月程度の空白期間がありますね。
1回の使用で6ml(ミディアムヘア相当)使うとして1本約50日分。
2か月弱で使い切ってしまいますね。
流通在庫や、ショートヘアの割合を考えるとある程度は回収となりますがすでに殆ど消費されているんじゃないでしょうか?
継続的に製造・販売しているとなると在庫の消化は早いようですし。
さらに不思議なのがN organicの公式ホームページのお知らせでは、08/05から防腐力UPの商品に切り替えていると書いてあります。
でも発表は10/23…
改良から回収発表まで2カ月半も遅れているのは何故でしょうか?
普通であれば防腐力を強化してるということは防腐力テスト、製品の安定性試験をしていると思われます。
防腐力テスト(チャレンジテスト・防腐効力試験)は日本薬局方という基準によると28日かかります。
さらに安定性試験は早くて1〜3カ月。
不具合があればそれ以上。
テスト合格から製造と考えても5〜7月には防腐力UPしなきゃヤバイ!っと考えていたのでは…?
また、防腐剤が不均一であった可能性があるとのことですが、防腐剤はフェノキシエタノールしか入っていないように見受けられます。
水に入れると混ざり難いですけど、活性剤も入ってますし…
成分の上から3番目にあるグリセリンに溶いてから入れれば瞬殺ですよ。
ほんとは単純に防腐力が弱かっただけなんじゃないかと思っちゃいますよね。
っとここまで意地の悪い私の推測。
【前向きな考察】
公式な発売日が2019/04/25とのことなので、1月からの出荷(メーカーから)は在庫の確保や、モニターやら先行販売やらが一部あったものと思われます。
一般的な化粧品会社の対応としては、
・04/25から正式に発売されたとして、商品を使い始め変色するまで1カ月とすると6月位にクレーム。
(菌が入ってもそんなにすぐに色は変わらないので)
・クレーム品を回収して検査を行い菌汚染発覚。
・但し開封後のため、製品自体には問題無いが、過酷な条件下(高温多湿)だと防腐力が弱いかも?と心配になる。
・まれな事例でも実際に菌汚染がわかったので急いで試作&使用感テスト&安定性・防腐テストで処方(成分)変更決定(7月)。
・処方変更品を販売するも、改良前の製品が夏場の菌が繁殖しやすい時期(6〜9月頃)になり汚染。
・しばらくして変色してクレームがちらほら出てくる。(10月頭)
・1本ならまだしも2本、3本も出てくるとはヤバイよね!?となる。
・これ以上汚染が進んで健康被害が出る前に回収しよう!(10月中旬)
こんな感じではないでしょうか。
開封されると何が原因かつかみづらいのですぐには対応が難しいものです。
(未開封品では菌は確認されていないので)
また、フェノキシエタノールので防腐力を出しているようですが、シャンプー系の製品は防腐力を弱体化させることが多々あります。
これは界面活性剤が防腐剤とくっ付いてしまって菌に作用できなくなるものと考えられます。
もしかしたら時間が経つにつれ、フェノキシエタノールが界面活性剤にくっついていってしまったのかもしれません。
(これを不均一と呼んでいるのかも)
悪いことと前向きな見解を書きましたが、真相は当事者でなければわかりません。
私が化粧品会社にいたころは前向きな見解が一般的なのでこちらが正解かもしれません。
ネットでは悪く言うことが多々あるので一応悪い見解もかいちゃいました。
(シロクさんすみません)
N organic マイルド&リファイニングシャンプー 成分解析
よく成分解析サイトってあるじゃないですか。
それの真似事なんですけどね。
あてにならないですよ?
処方設計ってのは単純じゃないんで。
一つの成分が一つの役割ではないので、開発した人にしか本当のことは解りません。
なので以下は参考までに。
*成分はネットからの収集です
*実際とは異なる場合がございますので割り引いてみてください
旧製品? (公式ホームページ情報及びネット上の容器裏面画像より)
水
⇒基材:濃い成分を薄めています(そのままだと刺激的なので(物理的な意味で))
ラウロイルメチルアラニンNa
⇒洗浄:アミノ酸系の洗浄成分。低刺激な割に泡立ちが良い。主成分と言ってもいい。
グリセリン
⇒保湿:髪と頭皮に潤い&防腐助剤かも?(防腐力はかなり弱い)
ココイルグルタミン酸TEA
⇒洗浄:アミノ酸系の洗浄成分。低刺激だしなめらかしっとりな感じ。
ラウリルヒドロキシスルタイン
⇒起泡:スルホベタイン型の低刺激界面活性剤。泡立ちが良いので泡立ちの悪いアミノ酸系成分の補助。
ココイルメチルタウリンNa
⇒洗浄:タウリン系(アミノ酸系)の洗浄成分。洗浄力はまあまあ。刺激が有るんだか無いんだか微妙。
デシルグルコシド
⇒洗浄:天然系の洗浄成分。ベビー用品にも使われる安全なやつ。
PEG-60水添ヒマシ油
⇒可溶化:界面活性剤。多分香料の可溶化?
ヒマワリ種子エキス
⇒保湿:保湿と抗酸化?気分的なもの。
クロフサスグリ果実エキス
⇒保湿:保湿と抗炎症?カシスのエキスですね。気分的なもの。
ビワ葉エキス
⇒保湿:保湿と抗酸化?気分的なもの。
ローズマリー葉エキス
⇒保湿:保湿と抗酸化、抗炎症? これは量によってはいいカモね。
ダイズ種子エキス
⇒保湿:保湿。フラボステロンの育毛的な?。気分的なもの。
ポリクオタニウム-10
⇒保湿:髪に吸着してコートしてくれる成分。クシ通り改善など。アミノ酸系には必須。
セテアレス-60ミリスチルグリコール
⇒増粘:粘度調整に使える。シャンプーにはよくある。特にアミノ酸系は増粘し難いので。
ラウロイルシルクアミノ酸Na
⇒洗浄:お高い活性剤。トリートメント効果もあり。
クエン酸
⇒PH調整:酸性調整。アミノ酸系は酸性よりにしないと泡立ちがわるいので。
BG
⇒保湿:多分エキス類の溶媒。気にしなくてOK。
DPG
⇒保湿:なんで入ってるんでしょうね。何かのおまけ(副成分)かも。
酸化Mg
⇒??:さんかまぐねしうむ。消臭効果があるので消臭目的か?(泡立ちが悪くなる気がする)
フェノキシエタノール
⇒防腐:今回問題のあった防腐剤?シャンプーにこいつだけとはチャレンジャー。刺激有り。
香料
⇒着香:香りはリラックス効果や覚醒効果がある、いい意味で気分的なものですね。
新製品?(某ネットショップの成分表示から)
*以下赤字のみ旧との違い
*公式も更新されていないので間違ってたらコメントよりご指摘ください(修正いたします)
水
ラウロイルメチルアラニンNa
グリセリン
ココイルグルタミン酸TEA
ペンチレングリコール
⇒保湿&防腐:保湿剤なのに防腐力がある水溶性成分。刺激は少な目。こちらも界面活性剤で弱くなりがち。
ラウリルヒドロキシスルタイン
ココイルメチルタウリンNa
デシルグルコシド
PEG-60水添ヒマシ油
ヒマワリ種子エキス
クロフサスグリ果実エキス
ビワ葉エキス
ローズマリー葉エキス
ダイズ種子エキス
ポリクオタニウム-10
セテアレス-60ミリスチルグリコール
ラウロイルシルクアミノ酸Na
エチルヘキシルグリセリン
⇒防腐剤:汗の匂いを防いだり、香料を長持ちしてくれる成分。今回は防腐がメインかと思います。
クエン酸
BG
DPG
酸化Mg
フェノキシエタノール
香料
トコフェール
⇒酸化防止剤:なんで追加になったんだろ?エチルヘキシルグリセリンの副成分かな?
以上となります。
ペンチレングリコールとエチルヘキシルグリセリン(+トコフェロール)の追加ですね。
酸性領域なのでメチルパラベンとフェノキシエタノールの併用で防腐効果が十分出そうですがパラベンフリーにこだわったんでしょうね。
ペンチレングリコールもエチルヘキシルグリセリンもパラベンから比べれば高い原料なので収益は悪化しそう。
特にペンチレングリコールは3-4%入れないと効果が薄いのでなかなか頑張りましたね。
エチルヘキシルグリセリンはフェノキシエタノールとの相乗効果が非常に良いので今度は大丈夫でしょう!
こちらの商品はエデト酸(EDTA-2Naなど)などの強いキレート剤が入っていないので若干お住いのお水の影響を受けやすいかと思います。
(ミネラル分で泡立ちが悪くなる/効果は弱いけどクエン酸で補ってる?)
しかし、エデト酸やエチドロン酸などのキレート剤は環境汚染(腐り辛い/分解されづらい)の原因となるので、環境に配慮した商品ではないでしょうか。
肌にも自然にも優しい製品。
生まれ変わった N organic マイルド&リファイニングシャンプーは試してみる価値ありですね!
(私はシロク社の回し者ではありません!)
apish mo.no
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