2023年02月15日
A.Selmer Mark VI OriginalLacquer アメリカンセルマー マークシックス 21万番台 オリジナルラッカー テナー
後期のアメセルマーク6です。やはり前期や中期(自分の手持ちは6万,9万)と比較するとパワーがあり操作性も向上しております。前期だと下手くそが吹いたら本当に不細工な音になるし、中期だと多少許容されるがやはり上手い人が吹かないとコントロールは難しいと思います。しかし後期は多少息の入れ方が下手くそでもちゃんと音に変換してくれます。息の量に比例して大きい音が鳴らせるので、マークシックスの進化が見られます。
なんで腕に自信のない方、初めてVintageを吹かれる方などはまずは後期のマークシックスから入ってみるのもいいかも。とはいえ後期の番手でさえ、値段は100万を超えているので、それなら石森のWoodStone New Vintageでいいよねという話になるかもしれません。
※WoodStone New Vintage:試奏した時はどちらからといえばフラセルマークシックス後期に近い感じがしました。音もアメセルほど散っていない印象があったのでアメセルとはまた別物かも
後期マークシックスのいいところは大雑把に扱えるというところでしょうか。あとはキーが大振りになっているので手が大きめの人にはジャストフィットしやすい。
今回オーバーホール(全タンポ交換、コルク交換、キー歪み修正)し、レゾネーターも本来ならプラスチックですが、メタルに交換してもらいました。音色が明るくなるかなーと思ったけど案外ダークさは保ってました。それプラス音が響くようになった気がします。
一般に後期のシックスは音が明るいと言われますが、確かに前期〜後期を並べて吹き比べたら明るい音色に感じますが現行のサックス(SELMER,YAMAHA,YANAGISAWA)の上位機種とかと比べると圧倒的に渋いです。なんで普通に吹いたら前期〜後期のどれもダークな渋い音に聞こえます。
後期のシックスはディテールとして面白い要素がないのですが、とりあえず写真撮ったので見てみてください。サムレストはWoodStoneのエボナイト製に交換してます。
A.Selmer Mark VI Relacquer アメリカンセルマー マークシックス 6万番台 リラッカー テナー
練習用アメセル。オリジナルラッカーでは無いが音色もほとんど変わりない(一般的に考えられるリラッカーの悪い影響を受けてない)ので遠慮なくガシガシ使える相棒的な存在。
オリジナルラッカーではないが、6万番台を練習用としてガンガン使えるってよく考えてみれば結構贅沢な気がします。音色もかなりダークで渋い。一般にこの番手はパワーがないと言われてますが結構爆鳴りしてくれます。
ラッカーの色合いから、ファクトリーリラッカーではなさそう。結構明るい色なんで。
フラセルに近い色合いですがバフがけとかをアメセルと同じようにしてるみたいだから、アメセル特有の音の散り方は健在。
彫刻もリラッカーした後掘り直ししているっぽいが、サムレスト付近の「MARKVI」の刻印は見事に埋まってますね。
注目すべきはサムレスト。この番手特有で、エボナイトになっている。中期のマークシックスからプラスチック製になる。どちらも大して操作感や音色に違いは出ないが、風合い的にはエボナイトの方が好き。
ネックのシリアルともマッチングしているのでマッチングネックという事になります。
ここら辺がマッチしてないと多分価格も下がるのだろうが、音色的にはなんら影響を与えないと思われる。
要は使えりゃなんでもいいという事。
接合リングに「U.S Pattens ~」と記載があるのだがこれもアメセルでしかみれない面白いディテール。